お金を払う側=お客さまというのが通常の図式だが、この業界では単純にそれで良いのかと疑問に思う。
この業界には、独特の商流という厄介な慣習がある。商流とは、つまり契約の流れである。下請けの会社が間を跳び越して契約することをタブーとし、商流を乱す行為はご法度となっている。
大規模案件は、大企業のメーカ系企業が受注し、その下請け企業に発注する。下請け企業といっても、最近はコアパートナー制(発注先を減らすことで、発注総額を増やし、発注単価を下げる方法)をとる国産メーカもあり、東証一部上場のSI会社が一次の下請けとなることも多い。
一部上場している企業が下請けという段階で変な業界であるのだが、SIベンダーの仕事はもっぱら人材集めがメインとなっている。
言わば置き屋。
そこで、約20%近いマージンが取られ、そのさらに下請けの孫請け企業に発注される。
孫請け企業からすれば、その発注元は一部上場企業であるから、取引相手としてはまんざらでもない。そこまでは、100歩譲って理解できる。
しかし、実際には、一部上場企業ともなると、取引時の企業査定とやらがあり、その孫請け企業はそれなりの社歴、規模が要求される。そのため、孫請け企業は、50~100人規模のミニSI会社が多くなる。
そうなると、中間管理職やら、営業やらが必要となる企業規模のため、それ相応の単価でないと自社の社員は出せなくなる。すると、孫請け会社は1人の正社員と3人のひ孫外注社員を使おうと考える。
この辺まで商流が下ってくると、ほとんどの単金相場は50~60万円になってくる。すると、どういうことが起こるかと言うと、ひ孫請けの会社には他からも同様な単金の案件が多く入ることになり、案件を選べるようになってくる。
私もSI会社にいたときは、正直言って「仕事を出してやるのに」という気持ちがあった。しかし、実際には、前述のとおり、人材を保有している企業のほうが立場が強い。
人材側にも案件を選ぶ権利があることを忘れてしまっている。そのため人材サイドは、「仕事を出してやる」といった企業とは取引したくないということになる。
孫もひ孫も、仕事を出す側もこの世界になると関係ない。
お金を払う=お客さまの考えでいると、少なくても自社の社員を出せない2次請け企業は淘汰されてしまう。人を出してくれる=お客さまの気持ちがないと、結果としては2次請け企業は受注もできなくなってしまうことを肝に銘じないと行けない。
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投稿者 :堀田信弘: 2004年12月 5日 16:21