全ての責任は、長にある。部門の成績や、企業業績の凡そ95%は、長の資質によると言っても過言ではない。面倒なことを言えば、その主が、どのようなビジョンを描いているかとか、指導力はどうかとかという長の能力が組織を左右するのである。よく言われることだ。
勿論、それも正答である。
しかし、私が会ってきた数多くの経営者を見る限り、どうもそういった小難しい理屈だけではなさそうである。
どうやらビジョンや指導力がある有能な長だから、経営がうまくいくとは限らないようである。本当に皮肉な話だ。
もし、あなたが社長になろうと思えば、明日にでも社長になることはできる。1円起業とやらで、資本金など必要ない。だから、社長が有能とは限らない。
それに、失礼ながら、私が見る限り頭脳明晰で能力が高いから長になっているとは思えない人も沢山いる、しかも、数百人の従業員を率いるトップであったりもする。
それでも、長は長である。
では、何が、95%が長の資質によるのであろうか?
それは、カラーだと私は思う。
つまり、長のキャラクターと組織の風土カラーが一致している時、その組織は間違いなく強い、そして、業績も悪くない。カラーは、長の能力とは別物である。
逆に言えば、個性と組織のカラーが一致していない時は、どんなに長が有能であろうと、マイナスの効果のほうが出てしまう。
ある部門で優秀な成績を上げられた部門長が、他の部門に移ったとたん、成績をあげられないというのは良くあることである。それは、その長の個性が、組織の個性を変えられなかったことを意味する。
ある意味、強烈なキャラクタを持った人は、大抵の組織のカラーを打ち破ることができるから、有能と思われるのかもしれない。
でも、皮肉なことに世の中は不思議なものだ。平凡なキャラクタしかもっていない凡人でも、その人の周波数にあった平凡な組織の長になると、まんざらでもない数字を上げることがある。つまり、組織は、長によって成績が左右されるのである。
もし、あなたの部門が伸び悩んでいるとしたら、きっと組織のカラーと長のカラーが一致していないからであろう。しかし、それは決して長の能力とは必ずしも一致しない。
もし、そういう部門を改善するとしたら、やれることは二つしかない。何れもカラーを一致させるための方策である。
ひとつは、その組織のさらに上にいる指導者が、その組織の長を変えることである。その上の指導者が、このカラーの矛盾に気がつけば、ことは簡単である、が、そうでなければその上の長も能無しということであろう。
もうひとつは、その組織の長が、自分の周りを自分の好みのカラーにすることである。つまりワンマン化。自分が自分の組織と違和感を感じているのであれば、この策が当てはまる。
特に、2代目や、前任者の後継などはこのパターンでダメになっているケースが多い。初代は、自分で一から組織を作っているので、当然カラーが一致する。しかし、2代目は作られた後だから厄介である。
しかし、何れにしても、どちらの策をとっても長か部下かどちらかが傷つかなければこの改革はうまく行かない。
一国は一人を以って起こり、一人を以って滅ぶとは、まさにこのことを言うのであろう。
成績が悪いのは、こんな単純なことが理由なのであるが、長以外、これを変えることはできないのもまた事実である。
長がこのことに気づかず、部下が、もしこのことを長より先に感じたなら、その組織を愛するために選ぶ方法はたった一つしかない。
去るのみ。悲しいかな。すると組織はうまく行く。ああ無情。そう、長も部下を選ぶのだから、部下も長を選ぶのが得策だろう。さもなければ、無能な長と心中か。
無能な長の組織は、いくらカラーが一致していても決して安泰ではない。長いか短いかは判らないが、長にはビジョンがなければいつか必ずその組織は崩壊する。
あなたは、それを見届けるのか、それとも、そこを抜け出すのかは選択自由である。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年1月 9日 19:33