倒幕に疾走した坂本竜馬たちは、何れも十から二十代の若者たちだった。いつの時代でも、若者が文化の中心となり、歴史を変える挑戦をしてきた。常に新しい旋風を巻き起こし、世論をも巻き込んできた。
戦争から帰って来た何百万人もの「大正生れ」の兵士が、大量に復員したことから生まれたのが「団塊の世代」である。
第二次世界大戦の「遺産」と呼ばれるこの世代は、若き10代を高度成長期に過ごし、 「全共闘世代」とも呼ばれ、今の韓国のように学生運動が盛んであった。
父親の戦争体験を直接聞いて育ったため、戦争を嫌い、平和を求め、そして繁栄のために夢中で働き、このニッポンを発展させたのである。この頃の人口ピラミットは、逆釣鐘型で、若い人たちが多い時代であった。
次々に若者発の文化が生まれ、時代をリードしてきた。音楽でも映画でも小説でも斬新で、鮮烈なものが大ヒットを生み、若者が時代の中枢にいた。
現在これらの世代は、間もなく退職する年齢を向え、その子供たち(70~75年頃生まれ)が「団塊ジュニア」と呼ばれて子を持つ親になる時代に入った。そして人口ピラミットは、「団塊の世代」と「団塊ジュニア」のいわゆる二つのベビーブーム世代のふくらみがしだいに上昇していく「変形つりがね型」 に変った。
「団塊の世代」が熱い 「全共闘世代」であったのに対し、「団塊ジュニア」の世代、「偏差値」と「校則」に縛られた「管理教育」 の弊害による「いじめ世代」とも呼ばれ、受験戦争に巻き込まれた。
就職活動でも疲れ果て、フリーターが生まれた。今、少子化が懸念されているのは、人口の多い「団塊ジュニア」の世代が結婚しない、子供を生まないことである。
少子高齢化の影響は、社会風土、文化をもさせ変革させてしまう。例えば、今の韓流ブームを支えているのは40~50代のレコードやCDを買っていた世代である。
先日、氷川きよしの新曲が演歌としては18年ぶりに、オリコンで初登場1位となったのも、50代の女性ファンのおかげである。
日本の人口を100人の村に例えると、65才以上の老人が18人、50才以上では40人、40才以上では60人にもなる。
青春真っ只中の15~25才は14人しかいない。若き起業家を目指す25~35才は18人だけだ。20才以上の大人80人の75%は40才以上である。つまり、この国の選挙権がある成人の75%は、人生を半分以上過ぎた人たちであり、その世代の論理が世論を形成するということになる。若い人の一票は、4分の1の重さしかない。
つまり、20代の人が4人集まっても、50代の人の1人分の発言力しかないのである。これでは、若者が選挙に行ってもこの国は変らないと感じてしまうのも当然である。だから、さらに選挙に行かない若者が増えてしまう。
この国で毎年福祉関係に消費される国の予算や、財投、年金などの金額は、80兆円近くになる。国家予算に匹敵する額である。
そのうち75%の60兆円が65才以上の老人に使われている。15才以下の子供のために使われるのはわずか20兆円しかない。
いずれいなくなる人たちに75%が使われて、これからの将来がある人たちには25%しか使われない。
いつの時代でも、「今の若者は」と大人たちに小言を言われてきた。団塊の世代でも、若い当時はそのように言われていたに違いない。
しかし、今は、いつの時代と同じでない。それは、圧倒的に若者の数が少なく、同じ一票を投じても、その声は世論に届かない。
今の若者はパワーがなくなったのではなく、それより年寄りの数が多いのだ。
「全共闘世代」と呼ばれたかつても熱い若者たちは、その後結婚して、子供ができ、家を買って、孫をも持つ世代になった。
人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる。人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる。希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。
誰しも守るものが生まれ、体力的に衰えを感じれば、必然的に保守的になることはしかないことだ。しかも、それらの世代が社長となり、政治家となり、日本の中心にいるということは、年齢構成に照らし合わせても、国家全体が保守的傾向に傾くことになるのではないだろうか。
アメリカやイギリスのように、40代の大統領や首相が、大衆を前に熱い演説を行って、若い人たちから喝采の拍手が起こるというのは、今の日本では到底考えられない。
若者よ立ち上がれ。そして、先輩たちは、後身に道を譲る勇気を持て。リーダが自ら保守的になった感じたら、一刻も早く退陣したほうが良い。
そのような気持ちで組織の変革は無理だ。
そして若者は、そんな経験論からくる保守的な考えは叩きつぶせ、退陣をせまれ。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年2月21日 06:59