安定志向の若者が増えている。安定志向の人は、リスクを嫌う。お金も名誉も要らないから、その代わりに余計なこともしない。
物事の判断は、「しない」を軸に考える。「やりたいことか」を考えるのではなく、「やりたくないことか」を考え、「やりたくない」ことではなければ、まぁやっても良いと考える。「やりたい」ために多少の犠牲は惜しまないと考えない。
若者の特権は、怖いものを知らないことにある。怖いものを知らないから、冒険をすることもでき、自分を試すこともできる。
恐れをしならいということは、最高の宝のはずである。時に、挑戦心は経験を上回り、非常識が常識を超える斬新な発想となったりする。
通常の人間は、結婚して、子供が生まれ、体力が劣るに従って、手に入れたものを守ろうとする安定願望が生まれる。
これはある意味仕方がないことかもしれない、しかし、何も手に入れる前から恐れをなくして、勇気もない安定志向は最悪だ。
若者の年寄り化が始まっているのだ。
「この仕事をしてくれないか?」と問いかけると、「これ系は、もう痛い目にあったので、他の業務にしてくれませんか、他ならなんでも良いです」と答えるタイプと、「こういう仕事をしてみたいので、その系統だったたらなんでも良いのでさせて下さい」と言うのとでは、全然成長性が違う。
前者はリスクヘッジ型で、後者はリタンーン型である。リターン型は、「やりたい」を前提に考えるため、そのことが自分に取ってプラスになるかどうかで判断するプラス思考型だ。前者は、「やりたくない」ことを前提に考えるため、そのことが自分に取ってどんなマイナスなことが起き得るかで判断するマイナス思考型である。
何れにしても、会話に「NOT」が含まれる否定形の言語が多い人間は、リスクヘッジ型であり、
マイナス思考型のリーダーには不向きなタイプである。リーダたるものは、リスクを心得、リターンのために先頭に立つ、勇者でなければならない。
臆病者ではダメだ。しかし、そもそも安定志向の人間は、リーダーを目指すこともしないのだから、このコラムも読まれることはないであろう。
是非、ゼロ地点の発想を忘れないでほしい。現在の我々のいる地点は、ゼロ地点である。ここからマイナスになることを恐れるのではなく、この地点が最も低地点であり、これ以上失うものは何もないという気持ちが重要である。ここがゼロ地点と思えれば、あとは上るだけである。
どんなに悪くなってもこれ以上悪くなることはない。この考えが、リターン型の考えだ。現状に満足し、幸せを謳歌していると、そこをゼロ地点と考えることはできなくなり、現状を守ろうとするリスクヘッジ型となってしまう。
今の日本は、なんだかんだ言って、食べて行くことはできる。どん底に落ちても何とかなるものだ。若者よ失敗を恐れるな。失敗の数は、きっと人生の肥やしになる。
青春とは人生のある時期ではなく、心の持ちようを表すものだ。人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる。「青春の詩」より。
人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる。希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。若者の特権は夢があることだ。夢に向っていれば、多少のリスクは怖くない。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年2月 5日 00:10