【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


企業経営について  「活・喝・勝」


ハイリスクを負った支援者

「フジテレビの株主になった訳でないので、私が彼に会う必要はない」と日枝久会長は言っていた。ライブドアは、 確かにニッポン放送の筆頭株主になったものの、フジテレビの直接の株主ではない。であるなら、なぜ、 フジテレビの出演番組を放送中止にまでするのか。ここに、屁理屈が凝縮されている。

株主とは何か。

会社は、事業をする上で、資金が必要である。中小零細企業であれば、その資金のほとんどは、銀行から借り入れる。 1千万円借りれば1千万円の借金になる。そんなことを繰り返してばかりいたら、事業拡大と共に負債ばかりが増えることになり、 最後はダイエーのように産業再生機構にお世話になることになってしまう。

そこで、自ら資金を調達しようというのが、株式による直接金融だ。会社の経営状況を開示し、会社の方向性を明らかにすることで、 株主から株券を購入してもらい資金を調達しようというものである。経営状況や方向性に対し、支持が得られなければ株価は下がり、 資金調達どころか資産評価が下落する。資産価値が下がれば、例え本業で利益が出ていても、破綻の危機を向える。つまり、会社そのものが、 ひとつの商品として、市場という厳しい目から評価を受けるのである。

上場していない会社の場合、株式市場からの評価を受けるよりも、安定した経営を望むことから、大株主と経営者は同一であることが多い。 しかし、逆に言えば、その経営者は、株主より評価を受けることがないため、会社の経営状況や方向性を明らかにしようとすることがなく、 経営責任もハッキリしない。

私は自社の経営方針の中で、上場をすることが目標であってはならないとしている。上場は目標ではなく、資金調達の手段である。 上場すれば、巨万の富が入る夢を見て、上場を目標としている企業が多いが、それは、一部の株主のわがままな夢で、 そこで働く人にとっては関係ないこと。メジャーになるという意味では正しいが、なぜ上場するのか、資金調達して何をするのか、上場する以上、 株主利益を明確にしなければならない意味を理解しているのか問題である。

上場するしないに関わらず、株主と経営者とは別物である。株主とは投資家であり、 紙ペラになるかもしれない金銭的なハイリスクを負っている。ハイリスクを負っているから、当然、ハイリターンの還元がなければならない。 一方は、経営者は、株主から託された会社の操縦者である。株主というオーナから船を借り、その船を無事航海させる責任を持つ。船が傷つけば、 経営者はオーナに賠償しなければならない。しかし、無事に航海させれば、さらに次の航海を任される。

ドリームクラスターは、私が株主と経営責任者になっているが、できるだけ早い将来、株主と経営は分離したいと考えている。 投資家と経営者の能力は別物であるというのが私の持論だから。もちろん、経営と執行についても分離していく。これも、 経営者と現場責任者は能力が別物だからである。

さて、冒頭のフジテレビ。ニッポン放送がフジテレビの大株主で、ニッポン放送の大株主がライブドアになるということは、 事実上フジテレビにも影響があるというのは周知の通り。だから、出演したテレビ番組の放送を中止したというのであればまだわかるが、 フジテレビの株主ではないから会いたくないと言っておきながら、そのようなことをする屁理屈は許しがたい。 フジテレビの株主でないというなら、放送中止までするな。

そもそも、上場している会社の株を大量に買ってくれた勇気ある投資家に、ニッポン放送は感謝すべきではないのか。 大量に買われるのが嫌であれば、なぜ上場しているのかが意味不明である。買って下さいと言っておきながら、「少しづつ買って下さい、 しかも買う人はこちらで選びます」という論理はおかしい。大株主は、経営者を選任も解任もできるのであるから、 株主が経営者に会いたいといっているのに会わないというのは道理が通らない。

理論的に考えれば軍配はライブドアにある。しかし、マスコミや世間では、理論的に伝えず、面白おかしく感情論で伝えている。 金で支配するような仕方はけしからんと言う論調だ。金で支配することを否定すると言うことは資本主義を否定するようなものだ。何も、 金で心まで買うとは言っていない、大きな誤解である。

このような理不尽なことは、日々の経営の中でも度々起きる。論理的なことと、感情的、習慣的なこととの対立であり、 本来は対立軸が違うことなのに、屁理屈がまかり通る。慣習を常識と捉えている人たちと、常識を変えようという若き挑戦者の違い、いわば、 世代間ギャップとも言えるのかもしれない。若さの素晴らしさとは、失うものを恐れない勇気であり、 老いと共に現状を守ろうとするやり方に立ち向かう姿にエールを送りたい。私は、たとえ論理的に、感情的に矛盾があったとしても、 永遠に若者の側につきたいと思っている。自分自身、世代間ギャンプの渦に巻き込まれないよう、守る側ではなく攻める側でいたいと考えている。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年2月17日 08:45