【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


ビジネスについて  「活・喝・勝」


損して得をとる

経営者の思想は、その会社の営業スタイルに直結する。末端の営業マンがどのように動き、
どのような営業センスで商売しているかを見れば、その会社の経営思想が見えるというものだ。

経営者は、常にどうやって顧客と接点を持つか、どうやって顧客の気持ちをつかまえるかを考えている。その考え方を日々営業マンに伝え、営業マンは経営者に代わって、自社のアピールをするのである。経営者が、どのようなタイプの営業マンを採用し、どのような指導をしているのか、営業マンを見れば経営者が鏡に写し出されるのだ。

経営とは、投資に対する運営益を出すために行う。お金や人、アイデアを動かすことによって、その結果が損益となる。動けば動くほど、その結果はダイナミックなものになる。動かなければ、リスクを抑えることができるが、リターンも小さくなる。これが商売である。

動くということは、マイナスを覚悟するということで、その覚悟に対する裏づけ、確信がなくては行えない。逆に言えば、動かない、動けないということは、裏づけも確信もなく、恐々と歩んでいるということになる。

もっと酷いのは、できるだけ動かないで、リターンを得ようとすることである。もし、そんなことが可能であるならば、誰だって、ローリスク、ハイリターンのほうが良いに決まっている。できればそのようになりたいものだ。

しかし、このことが経営思想の根幹にあるとしたらどうなるか。つまり、できるだけ動かないでということは、そのやり方に裏づけも確信もないのに、利益を取ろうということである。

言わば、詐欺に近い商法といえよう。投資をせず、暴利を得ようとするやり方は、少なくても王道な商売ではない。

裏づけや確信がないということは、何か後ろめたさや、商品、自社に対する自信の無さがあるにも関わらず、その背丈以上の価格、またはその性能を見せかけた販売をしようとしているのである。

お客様に、商品のアピールと同時に、その商品の問題点も理解してもらって、心からその商品を買いたいと思わせるのが商売である。

詐欺的商法では、その全く逆で、安い品物をできるだけ高く表現し、本物以上の価値があると思わせて売る商売である。それに騙されれば、当然売った側の利益は高くなるというものである。

IT業界の経営者は、数字や、分析が好きなようで、デジタルな考えを持つ人が多い。お客は、人間であるから、デジタルのようには行かない。

つまり、商売にはアナログ的な、TPOをわきまえる考え方が重要になる。パソコンで予測しても、そこに入力した事象以外のことは予測できない。経営なんて、明日どうなるかはわからないのである。予想もしない地震が起きるかもしれないし、火事になるかもしれない。

それなのに、利益額に経費を乗せて売ろうとする商売が横行している。理屈では、絶対に損をしない売り方である。

これが販売管理システムとやらで、コンピュータ化されているようなところでは、お客が「あと50円引いてくれれば100個買う」と言っているのに、引けないということが出てくる。これでお客を失っても、損ではないのだろうか。

私は、他社とパートナー関係を結ぶ時、二つの考えを持っている。ひとつは、儲かっているところと組みたい。理由は、儲かっているところは活気があるからである。そして、もうひとつは、「損をして得を取れない」営業マンがいる企業とは組みたくない。

そんな会社の経営者は、たった一握りの営業マンかもしれないが、経営思想がその彼に表れているからである。「損をして得を取る」ことの大切さを知っていなければ、絶対にサービス業は成功しない。お客の満足度は、こちらが「損」をした分に比例して「得」を満足と感じると言っても過言でないのだ。

どれだけ得を与えるかは、どれだけ損することができるかだ。損して得をとるといのは、私にとって、基本的な営業スタイルである。

だから私は、損ばかりしてしまう無能な経営者なのかも知れないが、それでもきっと後から得が回ってくるだろう。

設備や店舗の内装、商品の包装など、商品を取り巻く環境に投資したり、もちろんコストダウンしてできるだ価格を下げたりと最初に「損」があって、「得」があとからついてくることを考えられない人とは、私は組みたくない。

先に得をとろうとする人は、きっと後からもっと大きな損が待っているに違いないからだ。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年3月 1日 07:08