【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


若者について  「活・喝・勝」


感情と感性

リーダーにとって、感情の表現は重要だ。人間が集まる組織、集団を率いるには、理論や理屈よりも感情表現のほうが上回ることが多い。

人間社会といのは、理論的に正しいものが勝つわけでもなければ、理屈的には妥当でも心情的には認められないことが多々起きる。

人間は、頭で考えて答えを出すことよりも、気持ちで考えて答えを出すことのほうが多いのである。どんなに素晴らしい戦略や方法論をもっていても、心に訴える力がなければ支持が得られない。それだから感情というのは重要なのである。

もちろん、裏づけする理論が伴わなければ意味もないが。

しかし、日本人は、リーダーに対する見方と、それ以外に対する見方が下手で、双方を混同するあまり、リーダー像を誤解している趣がある。

事なかれ主義者が多く、感情を押し殺すほうが理性があって、冷静で沈着な人のほうが知性的であると考えられる傾向があるからだ。これは、大統領制とは異なり、議会制民主主義というダイナミックな変化が起き難い環境にいるため、平時のリーダー像のほうが強いのかもしれない。

もちろん、友人や仲間として見た場合、本音をズバスバ言う人よりも、相手を傷つけないような配慮を優先する人といたほうが誰しも心地良いのは当然である。

一般には、好かれることよりも、嫌われないことのほうが優先的に考えられる風潮がある。好かれる努力よりも、嫌われないための抑えた行動のほうが上回っている。嫌われたくないために、叱ることができない上司が沢山いる。しまいには、自分の子供のことも叱れない親になっている。

しかし、私は、リーダーは、感情表現ができない人はダメだと思う。リーダーの究極の役目とは、人から好かれることである。

人から好かれるということは、嫌われないこととは全く違う。嫌われないと人は、好かれない人とも言える。人が好かれるというのは、波長があって、同調できるところがあり、共感できるところがあるからである。嫌われないということは、自分を押し殺し、時には我慢して本当の自分を隠し、言いたいことを言わないようなことである。そのような人が好かれるのだろうか。

誰しも進んで嫌われようとは思わない。しかし、リーダーは、嫌われることを恐れず、自分の信念、夢を真剣に語り、好かれる努力をしなければダメだ。

社長業という職業は、一言で言えば、人気商売である。社長に対する、信頼や人柄が重要なのである。勿論、経営手法や行動も重要であるが、人間性が伴わなければ、同じ行動でも結果が違ってくる。

大リストラを成し遂げた日産のゴーン社長は、決して冷徹でもなければ、憎まれる人ではなかった。誰よりも早く出社し、誰よりも現場の話しに耳を傾けて、心のつながりを重視していたのである。

人気商売というのは、能力でもない。ただ単に人が良いのでもない。

この人と働きたいと思わせる感情を生むことができる感性が大切なのである。

感情表現をするには、それなりの感性が必要である。ただ、怒ったり、泣いたり、笑ったりと感情をあらわにするだけならば、誰にでもできる。感性は、美しいものを美しいと感じ、許せない悪を憎み、愉快なことで大いに笑うと言った、感受性のことを言うのではないだろうか。

若き少年時代の感受性を保ち、人の気持ちを敏感に感じ取る、その場の雰囲気を察知する力、つまり喜怒哀楽を表現するためには、まず感じ取る力がなくてはならない。

リーダーの感情表現というのは、表現力のことを指すのではない。俳優のように演じることでもない。状況や場を読み取る、感じ取る力なのかもしれない。

しかも、個別ではなく、集団の雰囲気を感じ取ることができる人がリーダーに相応しいのあろう。

さらに言えば、その場の雰囲気を先に作り上げることができる人がカリスマリーダーである。

そのためには、仕事を離れ、映画を見たりや小説を読んだりして、感受性を磨くことが大切である。

映画を見たりや小説を読んだりする時間がないほど余裕のない時ほど、些細な人の気持ちの変化に気づかないものである。

感受性は年と共に衰える。だからこそ、現実では得られない映画などを通じて、感動できる心を持つ訓練が必要なのである。

私は、物事を決める時、誰にも負けない位の時間を費やしていると自負している。しかし、それは、日数をかけていると言う意味ではない。

短期間に寝ずにあらゆるパターンを想定しているのだ。でも、最後に決める方法は、好きか嫌いかの気持ちで決めることにしている。

そうすることによって、考え抜いた理論と、感性による結果のズレを補正してきた。私の場合で言えば、迷った時ほど、気持ちで選んだほうが正解だあったような気がする。なぜなら、気持ちで選んだ場合ほど、夢中で結果を出そうとするから。

だから、感性を大切にしている。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年3月 9日 07:20