【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


企業経営について  「活・喝・勝」


ナシュナル化とグローバル化

先日、私が顧問を務める会社(商店)の会計ソフトが動かなくなったとの連絡を受けた。そのソフトは、国内でもトップクラスの上場している会計コンサルティング会社のものだ。

そのコンサルティング会社のベテランSEは、あるソフトをお客様が「インストールしたことによって、うちのソフトとの相性が悪くなった」と言った。「そのAソフトを外し、そのAソフトに代わる別の国産Bソフトを入れてほしい。

そちらとの相性は十分に検証しているので問題ない」と言う。

でも、お客は、その国産Bソフトと今回のAソフトの機能比較をした結果、どうしてもそのAソフトが良いということで選んだのであった。

まず、第一の問題は、ベテランSEの対応である。自分のところが動かなくなった理由を、Aソフトのせいにし、自分のところは一切問題ないと言い切るところに不満を感じる。市販されているAソフトに対し、ビジネス用の会計ソフトは桁違いに高い。

しかも、その顧客会社の基幹ソフトとなっているため、動作しなくなることは業務に支障を来たす。

その会社は、私に相談してきた。「コンサルティング会社の言うとおりにしないと会計ソフトは動かないし、Aとの相性を確認しなかった自分が悪いからアンインストールしようと思う」と。

私は、そのベテランSEと直接電話で話しこととした。「そちらの会計ソフトと相性が悪いとか、インストールしてはいけないなど一切記述がないのではないか」と詰め寄った。すると、東証一部上場しているCMもバンバン流している大手会計コンサルティング会社の課長とやらが電話に出てきた。

「うちは、国内の中小企業向け会計ソフトではトップクラスのシェアがあります。当然、弊社のソフトに影響を及ぼす可能性があるソフトについては十分検証をしていますので、Bソフトの利用をお薦めします。」と言う。

そこで第二の問題だ。今回のAというソフトは、実は出荷本数で世界第一位である。世界でトップクラスのメジャーなソフトである。

ところが、代替のBという国産ソフトは、国内でトップのシェアであるが、世界的にはトップではない。

私の言いたいのは、唯一つ。国内でのシェアが何ぼのものかということだ。東証一部に上場し、
国内でトップのシェアにいることを誇りにすることは否定できないが、国内トップが世界では何ぼのものか位は理解してほしい。

自分のソフトが国産で、国内トップだから、他のソフトも国産ソフトとの相性しか把握していないという論理は通じるだろうか。

社員のナショナル化、極端に言えば、井の中の蛙化とも言うべき、ナンバーワン戦略の浸透は問題である。この県でナンバーワンとか、この町で一位とかという経営思想は、社員に誤った認識を生むことになる。グルーバル化との対立とも言うべく、他のナンバーワンを認めない論理だ。

自分がナンバーワンなのだから、そこに従ってほしい。ここは日本なのだから、ここでのやり方を中心に考えてほしいという論理はもはや通用しない。

私は、結局その会社についてこうアドバイスした。「その会計コンサルティング会社から期待するのは何か。

税理指導や会計上のアドバイスなら、何もそこのソフトを使う必要はない。会計ソフトなど他にも色々あり、そこのソフトを使わなければコンサルティングしてくれないというのなら、利用しないほうが良い。

会計コンサルティング会社なのかソフト会社なのかハッキリしないから、今回のような問題が生じるのだ。」

しばらくして、今回の不具合の原因は、Aソフトのせいでないことが判明した。

通常、SEは、問題が起きると、その直前にやったことを疑う。それまで動作していたのに、Aソフトをインストールしたため動作しなくなったと判断したことが誤りであったのである。結局は、そこの会計ソフトのバグであった。

もしかすると、ベテランSEの言うとおり、Aソフトを外し、Bソフトにしても、そのバグの発生環境が変わるため、現象が起きなくなったかもしれない。でも、もしそうだったとしたら、その会計コンサルティング会社の対応もSEの対応も間違っていなかったことになる。こんな馬鹿なことがあっていいのだろうか。

そもそもエラーのトレースも、メモリのダンプも取らないで、適当なカンで、客のせいにされるのは甚だ許しがたい。

恐らくこういう問題は、日常的に起きているのだろう。自分のところの問題にしたくないから。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年4月23日 23:56