中国の反日運動が活発化している。
戦後50年以上が経った今、なぜ今のか?
首相の靖国参拝や教科書問題、領土問題など、考えられる要因は確かにある。しかし、日本国民の戸惑いは大きい。大多数の人は、 これから日本が中国に何をしようというのだという思いだ。日本が中国に再び戦争を仕掛けることなど誰も考えていないはずだ。
しかし、一歩、中国側の見方で分析すれば、その潮流は確かに存在する。
少子高齢化に伴い、低成長時代を迎えて、ニッポンが保守化傾向を強めているのは間違いない。 オリンピックやサーカーに象徴されるナショナリズムが台頭しているのも事実である。国内経済は低迷し、 次の最大のマーケットを中国と捉えている。日本人旅行者が中国で売春問題を起こし、下劣と非難されたこともあった。
これらは、中国サイドから見れば言わば状況証拠だ。中国人の見方では、これらの状況証拠の積み重ねは、 かつて日本が侵略した時の背景と重なって映るのであろう。
50年前、恐らく国民の大半は、日本が戦略することを望んでいなかったはずである。無論、 戦争につき進むことを望んでいたはずなどない。一部の軍部が暴走し、それを止めることができなかったのだ。
中国からすれば、一国の首相が靖国を参拝する姿を見て、一部の政治家が暴走しかけた時、今度は止められるのかという思いに駆られる。
憲法改正の論争が進み、国連の常任理事国入りを目指している。反論を控えていた今までの態度を変え、 言うべきことは言うという姿勢になった。状況証拠は極めてまずい。
かつて泥棒をして捕まった男が、夜中に住宅地をウロウロしていれば、誰だってまたやると思うに違いない。 背広を着た紳士が足早に歩いていれば、帰路を急いでいると思われるのに、 サングラス姿でジャンパーを着てキョロキョロしていれば明らかに怪しい。
その道のプロである警察なら、すぐに職務質問するだろう。警察は、職務質問で疑わしいものを見極めろことができる。
サングラス姿でも、ロックコンサートの帰りだとか、明白な理由があれば、何らおかしいことはない。
では、日本国民は、今度は暴走を止められるのかという質問にどう答えるか。
かつての選挙では、世論調査の大半が現政権を批判しておきながら、結果は投票率が低くなり組織票を持つところが圧勝した例がある。 橋本元首相の闇献金問題でも、誰しもがおかしいと思っていても、国会の証人すらならない。
国民の答えは明らかだ。中国と戦争をする気などない。しかし、その国民が選んでいる国民の代表である政治家は、国民とイコールか。 国民は、首相が靖国に行くことを望んでいるのか。望んでいるのなら、なぜなのか理解しているか。
職務質問されても、まともな答えを返せない政治家。そしてそれを生んでいる国民。選挙に行かない若者。政治に無関心な人々。
三分の一の投票率で選ばれた政治家の信任は、五分の一程度しかない。つまり5人に一人しか支持していないのに、自民、 公明の与党は過半数を制している。自民支持の半数以上は、公明党との連立に反対している。つまり、この国の政治は、 10人に一人程度の意見で形成されているのである。
国民の9割近くが今の年金制度はおかしいと考えているのに、いつの間にか影を潜め、郵政民営化問題にすり変わった。
リーダは、相手の立場で考える習慣を身に着ける必要がある。自分の考えに相手の立場にたった反対意見をぶつけ、自分の案の弱点を探る。 これを繰り返すことで、自分の案は、ブラッシュアップされる。
特に、情報を分析する時は、両方の側面から見るクセをつけておくことが大切だ。そうでないと、情報に踊らされる。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年4月 7日 09:20