リーダーにとって言葉の持つチカラは大きい。ポジションが上になればなるほど、自分では何気ない一言でも部下に与える影響が大きくなるものである。それだけ、リーダーは、言葉を大切にしなければならない。
とっさに発した一言で、他人と嫌悪な仲になってしまうことがある。自分自身は、深い意味がないつもりで言ったさりげない言葉が、相手にはとても冷たく受け止められる。
こういうことは、自分に精神的余裕がない場合に起きたりするものである。1対1の関係で接していても、このようなトラブルが起きるのだから、会議などでリーダーが複数の部下に話す言葉というのは、その時の場面や、受け手の感情などにより様々な受け止め方をされても当然である。
通常は、演説でもない限り、事前に熟慮した原稿など存在しない。その時、その時の一瞬の判断が言葉となって表現される訳だから、よほど普段から意識していないと、たった一言が組織のモチベーションを下げる原因となってしまうことになる。
では、どのように普段から意識したらよいだろうか。
結論から言うと、「口癖は自分を創る」ということである。
自分から発せられた言葉というのは、自分から生み出された自分そのものである。自分を変えれば、発せられる言葉も変わるのだが、どのように自分を変えるかというと、発する言葉を変えてみることである。つまり、意識して言葉を変えれば、自分が変わり、意識しない時の言葉も変わるというものだ。
口癖を知るところから始める。
自分の口癖は、自分が知らないことが多い。自分が自分の口癖を知らなければ、それを変えようがない。
ボイスレコーダなどで会議の様子を録音したり、電話での会話を録音して、テープ起こしをしてみるのが最も手っ取り早い方法である。
確認する点は、まず、声のトーン。自分の声は聞きやすい高さか、全体に聞こえる大きさか、話しの内容が理解できるスピードかの3点を確認する。高くて、大きくて、ゆっくり話すのがベター。
次に確認するのは、繰り返される言葉や、クセ。「えーと」や「まぁ」「一応」など、初めと終わりにクセが表れ安い。
このクセこそが自分が意識していない自分の性格の象徴なのである。強いリーダーシップを取る人の特徴は、言葉が断言的で、きっぱりと言い切るテンポの良さがある。「えーと」や「まぁ」のような曖昧な単語が何度も繰り返されると、どんなに理論的に素晴らしい案でも、考えが浅く思われたり、自信のない提案となってしまう。
実は、大半の人は、話の内容を印象で捉えていることが多い。正確な話の内容は、自分自身が後から整理してできるものであり、その場面では曖昧なイメージで感じ取っているのである。その時に影響しているのが、多く繰り返されるクセと、聞き手を逆なでするようなインパクトな単語である。
何度も繰り返されるクセを直すのは比較的容易である。どういう言い方をしているのかを頭に入れるだけで、その単語を言うクセは激減する。これはすぐにでもやったほうが良い。
難しいのは、自分が深く意識しない何気ない一言、聞き手を逆なでするようなインパクトな単語を発してしまうことだ。
これの原因の大半は、NOT系の表現の時が多い。人は、誰しも自分を否定されることは嫌なものである。どんなに理屈が正しくても、感情的に納得できなくなってしまう。相手にとってインパクがあるか否かは、否定的な表現なのである。
原因が判っているのだから、その逆のYES系の表現を用いれば良い。
常に、「イエスアンド」という単語を頭の片隅に置くようにする。相手の発言が終わったら、まず「イエス」系の単語を言う。「そう」だけでも良い。そして次に(アンド)、その良い点と自分の案の違いを説明する。そうすると、提案の内容が違っても、相手は自分の案の発展形と捉えることができ、耳を傾ける心になる。
リーダーのささやきが他人を創るのである。口癖は自分を創り、ささやきは人間関係を創る。リーダーが発する言葉は、組織に多大な影響を及ぼす。自分の組織を前向きに行動できる組織にするには、リーダーが前向きな言葉を発せなければならない。
リーダーの言葉で組織が動く。日常の生活の中からNOT系の言葉を排除しよう。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年4月19日 08:58