【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


組織について  「活・喝・勝」


企業風土で差別化する

多品種少量生産の時代に入り、あらゆる商品が、他社との差別化を図ることが困難になってきた。

どんなに他に類のない商品を作っても、すぐに、ライバル商品があらわれる。

もはや商品での差別化は困難な状況なのかもしれない。

しかし、実際には、同類の商品が店頭に並べられると、機能的、価格的にそれほどの差がないにも関わらず、勝ち組と負け組みの商品が現れる。

明らかに、消費者は、商品を選択しているのである。

店頭に並ばない商品でも同様なことが言える。

あるダンボールメーカーの話では、ダンボールという商品で差別化することよりも、サービス力で差別化しているという。

ここで言うサービス力とは、確実な納品、欠品の少なさなど、当たり前とも言うべきもので、特別にサービスを付加しているわけではない。

現場の営業マンは、商品やサービス、価格での差別化を図りたがる。もちろん、不要だとは言わないが、営業マン自身の能力を二の次に考えるところがある。

同じ商品を扱っても、必ず営業成績には差がでる。上位のものと、下位のものとの違いは、自分自身が商品価値があるか否かが大きい。

上位のものは、「○○さんが薦めるなら」という理由で勝ってくれるファンを持っていることが多い。それに対して、下位のものは、自分自身よりも商品力や企業力で売ろうとする風潮がある。

つまり、固定化された商品での差別化の前に、人間性という形の見えないもので差別化がおきているのだ。

同じ商品を扱っても個人の能力によって差が生じるのを前提に考えると、個人の集まりである組織で見た場合、その差は掛算で広がる。

組織という形の見えないものには、相当な力の差が生まれることになる。

徹底した教育を行っているところと、そうでないところでは明らかに差が生じる。また、個人への依存度が高くなると弊害をシステムカルに防御しているところも強い。システムを入れても、使われているところと、強制的に義務付けているところでも結果は違う。

かつて、コンピュータを中心としたソフトウェアが生まれる20年前、日本の企業は、世界を圧巻した。その強さの秘訣が、企業力、人間力の差であったのだ。

世界一の働きバチと言われた日本人は、もはや現在ではアメリカ人よりも遥かに多くの休暇を取るようになり、年間労働時間はヨーロッパ諸国の次に少なくなった。

強い日本企業を超えるためにアメリカは研究し、SFAやCRM、グループウェアなどの知識情報テクノロジーを駆使することで、再び世界一に返り咲いた。

日本も知識情報武装を初めているが、それだけではアメリカの真似をするだけである。システムを入れて、それを使いこなし、アメリカを超えるには、かつての企業力、人間力の差を導入すべきだ。

それで成功しているのが、トヨタだ。トヨタは、徹底した合理化、システム化の導入だけでなく、「カンバン方式」や「カイゼン運動」に代表されるQCサークルが世界一盛んな会社だ。

QCサークルのような、従業員が一丸となって経営合理化のための「乾いた雑巾も絞る」運動はアメリカでは行っていない。

アメリカは、カスリマ経営や有能なボスを中心としたトップダウン方式である。強烈な指導者がその企業を牽引する。しかし、GM社を見て、全員運動のトヨタには勝てなくなった。

神のような優秀な人間一人より、平凡な人間の知恵の出し合いのほうが上回るのだ。これこそが企業文化の形成である。これから、企業風土の差が、勝敗を分けるときが再び訪れるのは間違いない。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年5月23日 08:18