【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


経営者について  「活・喝・勝」


5分間ルール

昨日、米航空宇宙局(NASA)は、野口聡一さんが搭乗するたずだったスペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げ延期を決めた。

原因は、センサーの誤動作だそうだ。燃料タンクの底にあるセンサーで、水素燃料がなくなりそうになると機体にある電子回路に伝え、回路から主エンジンを止める信号が出るものらしい。

NASAは、記者会見で「徹底的に議論し、慎重に判断して、速やかに決定した」と言っている。

徹底的な議論を開始してから、速やかに決定されるまでの間は、わずか5分だったそうだ。

NASAでは、5分間ルールという会議のルールがあるらしい。会議と言っても、意思決定を行うための会議で、方法論や対応策を検討する会議ではない。

意思決定会議には、YESかNO以外の結論はあり得ない。YESを唱える人とNOを唱える人がそれぞれ2分間で根拠を論じ、意思決定者は、1分以内にいずれかを決める。

意思決定者は、決定する基準が明確になっているから迷わない。NASAの場合で言えば、勿論「安全を第一に優先する」だから、少しでも重大なトラブルに発展する可能性が指摘される場合は、NOとなる。

意思決定会議は、会社で言えば取締役会議だ。

普通の会社では、毎週のように取締役会が開かれ、次々に重要な決定がされて行く。取締役会は、商法でも規定されている重要な会議だから、議事録も取られ、誰が賛成したか、反対したかが明確にされる。

もし、賛成した内容が、将来重要な問題を起こし、株主代表訴訟になれば、賛成した取締役は全員訴訟の対象となる。訴訟で負ければ、損害賠償しなければならない。

それくらい取締役の責任は重い。

しかし、実際には、会社の中で、意思決定会議とそれ以外の会議は明確になっているだろうか?

恐らく中小企業ではそれほど厳密には別れていないと思う。

むしろ、無駄な会議を増やして、厳密に別けることは意味がないであろう。

しかし、重要なことは、会議を別けることよりも、会議に出る人の役目を明確にすることである。

例えば、意思決定者は社長、方法論を取りまとめるのは部長、現状報告を行うのは課長と言った役割の明確が大切である。

もし、これが明確でないと、社長が具体的な案を示したり、課長が持論の反対意見を言い出したりして、意思決定がスムーズに行えなくなる。そうでないと、社長が決定した内容に課長が不満を持ったり、役の立たない部長が生まれたりと、会社運営が混乱する。

NASAの5分間ルールは究極である。時間制限と配分が明確になっていると、的確に簡潔に現状を説明し、判りやすい案を提示する必要がある。トップの会議がそうであれば、下位の会議もそれにそうようになって行くのは必然的である。

誰が考え、誰がまとめ、誰が決定するか、まさに経営と執行の分離と言えよう。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年7月15日 08:56