【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


企業経営について  「活・喝・勝」


見えぬものに怯える

人間は、なぜ、過去や未来に怯えるのか?

現在、こうして生きている。毎日、食事をし、楽しく会話をし、仕事をして、そして、一日を終え夜を向かえる。そして、翌朝を向かえると、また、新しい一日が始まる。

一日一日の毎日の積み重ねが、その日の一日にしか過ぎない。

それなのに、過去を振り返ると、良かった時のことを思い出せば今を悔やみ、悪かったことを思い出せば、あの時こうしていればと過去を振り返る。

過去を考えると、未来が悲観的に思えてくる。未来を悲観的に思うと、現在に居たたまれなくなっていく。現在、このように元気なのに、悲観的な将来を考えた瞬間から、気が滅入って心身が疲れ果てる。

過去の過ぎたことは、現在起きていることではない。過ぎ去った過去を悔やんでも戻ることはできない。誰しもが、頭で判っているから、未来に逃避しようとするのだ。

ところが、現在を走りきっていないと、過去のトラウマが未来を悲観的に変えてしまう。まだ、見たことのない未来であるはずなのに、過去のデータから、実にリアルに予測することで、怯え、うろたえてしまうのだ。

私の長男は障害を持って生まれた。生まれた瞬間から、自立して働けるだろうかと20年後を勝手に考え、悲観的に思ってしまう。

でも毎日毎日、悲観的に思っていても、20年後が明日すぐにやってくるわけではない。20年後だけを考えていては、明日やるべきことが見えてこない。今やることを行わなくては、20年後も今のままだ。

そうこうしている間に、12年経った。息子は小学校6年生。学校に通って6年、高校を卒業するまであと6年。ちょうど中間地点だ。

あの時こうすればと思っても、今そうすることはできない。あの時こうできたらから、今がある。今があるから、明日がある。

明日があるなら、今やれることがある。その積み重ねが未来だ。

経営者にとって、一番の敵は見えないものと戦うことである。見えない敵を強いと思えば、戦う意欲がなくなり、経営マインドが低下する。

見えない敵は、自分の心の中にあるのであって、他からは敵と思えない。

見えない敵に怯え、まだ来ぬ未来を悲観していては、今できることができなくなってしまう。今やれることは、楽観視することから始まるのだ。

人間はいつの日か必ず死ぬ。100%の確率で死ぬ。どんなに重症な病気でも何日の何時に死ぬということは判らない。

10時間後の人もいれば、10日後の人もいるし、10年後の人もいる。必ず死ぬと判っていてもいつ死ぬか判らないから、未来がある。

未来は、100%の確率で起こることを、考えさせない力を持っている。考えなければ、未来に限りは見えない。限りが見えなければ、未来は、100%起こる恐怖を希望に変えてくれる。

人間と同様に、会社の寿命もある。1年で倒産するところもあれば、10年のところもある。昨年華々しく上場したのに、1年後に倒産した会社もある。そういう意味では、会社も100%の確率で倒産するものなのかもしれない。

人間は、生まれた瞬間から死へのカウントダウンが始まっている。会社も同じだ。だけど、誰が、
死に向かっていると考えて生きているだろうか。

経営者になる以上、会社が死を向かえる恐怖から逃れることはできない。だけど、99.99%の確率で、また明日の朝を向かえる。

次の日もまた99.99%の確率で、夜を向かえ、次の日の朝を向かえる。99.99%の確率で向かえる明日、何をするか、それが経営者の仕事だ。

99.99%の確率でやってくる明日と、いつ起こるかわからない100%の出来事を一緒に考えてもしょうがない。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年7月 1日 21:03