人がモノを買うときには、色々な心理状態があり、購入を決定する様々な要因は人それぞれである。
この購入を決定する購買心理について、マーケティング的に考えて見る。
一般的には大きく二つのタイプに分類できるだろう。
ひとつのタイプは、「良い悪い型」である。商品を機能的に比較したり、値段を比べたりして、良いものや安いものなど何らかな固定的または物理的な差によって選ぶものである。
このタイプの人は、今でも最も多く、購買決定理由の代表格である。
しかし、この「良い悪い型」の割合が急激に減少していると言われている。
高度成長期のころ、ほぼ全ての購買理由は、この「良い悪い型」で占められていた。しかし、その割合は徐々に減少し、新たに「好き嫌い型」が登場した。
バブル期が始まる前から次第に出てきた「好き嫌い型」は、次第に増え、今では、「良い悪い型」と僅差にまで迫り、ほぼ二分するようになった。
「好き嫌い型」は、「良い悪い型」の固定的または物理的な差とは異なり、会社のイメージや、商品のネーミング、好きなタレントがCMで紹介しているなど、無形で感情的な差が選ぶものである。
バブル期には、どこの商品も機能的な差や圧倒的な金額の差など、商品そのものの差別化が行えなくなった。そのため、企業はイメージ戦略や社会貢献、スポーツなどへの露出など、商品そのものよりも取り巻く環境や、サービスの質で勝負するようになったからだ。
ある広告会社の調査では、数年後には「好き嫌い型」が「良い悪い型」を間違いなく超えると予想している。つまり、良いものが売れる時代は終わり、好かれる企業や印象の良い商品のほうが売れるのである。
そのため広告市場は拡大を続け、インパクトのある印象作りが重要視されて行くだろう。
さらに、インターネットの登場によって、これまでのこの二つでないタイプが登場した。
第三のタイプは、「好き嫌い型」を進化させた「直感型」である。「好き嫌い型」や「良い悪い型」は、何れも購買する前の知識や情報によって選ばれている。
ところが、この「直感型」は、事前の知識や情報ではなく、一瞬のヒラメキや、無意識に手が出るような選択方法である。「好き嫌い型」を進化させたというのは、イメージや期待感など感情的な理由で購入するからである。
「直感型」というのは、正確にはつい最近生まれたものではない。もともとあったが、日本人の総中流意識と共に、豊かさの象徴として誕生した衝動買い型である。つまり、贅沢や無駄が出来るようになったが故のものだ。
インターネットの登場で、この「直感型」に拍車がついた。その例が、携帯での着メロのダウンロードだ。月にわずか数百円の利用料で、好きな曲がダウンロードできる。しかし、気がつくと、しばらく利用していなくても、毎月数百円取られている。このダウンロードサービスは、できるだけ購買するという感覚を薄くさせている。
購買するには、買う人に「決定」という意識が必要なのだが、その踏ん切りをできるだけ考えさせないようにしているのである。
モノを買うのと違って、購買する意識がないに近い感覚を作れれば、ポンポンと買ってしまうという論理である。
同じようなものにインターネットでのネットショップでの買い物がある。仮想の買い物カゴに入れて、後は着払いのボタンを押すだけ。
品物が来てから後悔しても後の祭りである。
このような巧みなサービスは、「直感型」をこれからも増大させるだろう。店員から勧められた訳でもないのに、写真や説明文だけを見て購入する。購入するというよりは、クリックするだけだ。ダイエット関連や健康関連の商品はほとんどこの「直感型」に移りつつある。
これからのサービスや商品は、「好き嫌い型」や「直感型」をターゲットにした戦略を打ち出さないと、どんなに良い品でも買ってもらえない、どんなに安くても見にも来ないということになるだろう。
そのためには、自社のホームページや、商品のサイトなどのブランドイメージ戦略が果たす役割は大きくなるだろう。これからは、中身よりも見た目の時代になる。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年7月14日 07:16