地域再生のカリスマと言えば、熊本県黒川温泉の後藤哲也さん。全く無名の山奥にある平凡な温泉地を全国有数の人気温泉にしてしまった。
年間に訪れる客は約120万人にも達している。
今、全国の商店街や温泉地は、閑古鳥が泣いていて、その再生に躍起になっている。駅前のメインストリートは、シャッター通りと言われている商店街が実に多いこと。
ある町の商工会は、近所に大型ショッピングセンターができることのを反対し、必死で地元の商店街を守ろうとしている。またある町では、全くその逆に、大型ショッピングセンターこぞって入店することを決め、コバンザメ作戦に出たところもある。
温泉地でも、ある温泉組合は、繁盛する旅館とそうでない旅館が対立し、組合が分裂騒ぎになっている。
黒川温泉後藤哲也さんの本「黒川温泉のドン 後藤哲也の「再生」の法則」 を読んだ。
どうやら再生のポイントは、実践にあるようだ。
うまく行っていない商店街は、ほとんどと言ってほど、「机上の世界」に陥っている。これは、箱モノ行政と同じだ。
最初にグランドデザインを描き、夢のような理想郷を「机上の世界」に作り上げる。そのデザインが出来上がることは、全体主義的な組合活動となる。さながら社会主義共和国と言った感じだ。
共産圏の中国がこれだけ経済発展しているのは、経済に自由主義を取り入れたからに他ならない。社会主義のような計画経済、つまり「机上の世界」ではマーケットをコントロールできないことが明白だからである。
栃木県の鬼怒川温泉のように官主導による地域再生が、どれだけ効果をあげるかは未知数である。
ところが、人は群れる習慣がある。弱い立場になると、集団化、組織化を図り、みんなでお手てつないでというふうになる。
黒川温泉も、結果から見れば、最後は24軒の温泉旅館が一致団結し、「日本のふるさと」 を再現するために取り組んだことが再生できたことに違いない。
でも、順番が違う。
机上が先ではなく、実践が先なのだ。結果から見ては行けない。
後藤さんがやったことは、温泉組合が団結するように疾走したわけではない。
まず、自分の経営する旅館に客を呼ぶために、岩を金槌とノミで3年からりで1人で削って、手作りの洞窟露天風呂を作ることから始まっている。
それが話題を呼んで客を呼ぶことに成功し実績となった。実践し、実績を持つと、他の旅館でも同様に露天風呂を作るようになる。
そして、実績を持った人の発言は重くなる。それからは、みんなが力を合わせ、「日本のふるさと」を再現するために取り組むようになる。
ところが、商店街や温泉組合は、成功例を逆から見て、一致団結からはじめようとし、行政化してしまう。社会主義の始まりである。
地域再生というマクロなビジネスよりも、自分の商売というミクロで実践することを忘れてしまっているのだ。
ビジネスの基本は、自由な発想と競争である。そこを実践し、実績を出したものだけが共存や共生を述べることができるのだ。
最初に共存ありきが今の商店街をダメにしているのではないだろうか。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年7月29日 13:59