オフショア開発(海外生産)の必要性が言われ、もう4、5年になるだろうか?
しかし、国情が安定しない、言葉が通じない、仕様がフィックスしないと使えないなど、多くの問題が顕著化し、 中々進まないように思われていた。
ところが、日経コンピュータによると、今年2005年のオフショア開発の発注予定額は、NEC 240億円、富士通 144億円、 日立製作所 130億円、野村総合研究所 80億円、NTTデータ 40億円、日立ソフトウェア 29億円、TIS 10億円となっており、 前年比1.2倍から2.0倍と大幅に増加している。
主要SIベンダーの合計発注額は、700億円を超える。
発注先の国は、中国、インド、ベトナム、フィリピン、タイの5ヶ国で99%を占める。 中でも中国へは、合計で600億円にのぼり、全体の85%になる。 各社のオフショア開発に占める中国の割合は、NEC 80%、 富士通 90%、日立製作所 75%、野村総合研究所 90%、NTTデータ 98%、日立ソフトウェア 65%、TIS 80%と中国依存があらためて浮き彫りとなった。
中堅ソフト会社も含めた中国へ発注額は、今年初めて1,000億円を超えるだろう。
中国企業のオフシェア開発の単価は、日本の1/2から1/3の30万円/人月程度であるから、 実に20万人月分が中国で生産されるわけだ。
NECや富士通、日立製作所は、これまで数年かけてノウハウを蓄積しやっと体制が整い、 いよいよオフシェア開発が本格化すると思われる。特に、富士通と日立製作所は、前年に比べ1.5倍以上の発注を予定しており、来年は、 更に1.5倍から2.0倍の発注となる見込みでだ。
中堅ソフト会社の中には、オフショア開発に失敗したり、挫折したり、撤退を余儀なくされたりした会社も多数ある。そのため、 一部の経営者は「オフシェア開発はきっと上手く行かない」と敬遠する人も多くいる。
しかし、これまでの準備期間は明らかに過ぎ去ろうとしている。数年前まで、東京には、中国人のプログラマが沢山いた。しかし、それは、 あくまでも準備期間にしか過ぎなかったのだ。
日本の企業に常駐し、日本式開発のノウハウを積んだ30代のエンジニア達は、こぞって中国国内に帰り、ソフト会社を起業したり、 日本資本の現地会社の幹部となった。なんと、大連市内にある大手ソフト各社は、 今年までに日本から帰国するITエンジニアに合計4,500ものポストを用意していた。
これまで、現地のソフト会社は、中国語のできる日本人をマネージャにして、日本式の開発体制を取っていた。ところが、 日本人への給与は、平均で600~800万円にもなり、オフショアのメリットを損ねる要因となっていた。
それが、数年間日本で経験したリーダクラスが育ち始め、中国へ戻る動きが活発してきたのである。 日本語ができる有能な中国人SEの給与は、200~400万円と日本人の1/2から1/3となる。もちろん、 この金額も現地の物価水準からするとかなりの高給であるため、喜んで中国に帰るようになったのだ。
日本は、これから少子化、人口減少を向かえ、益々技術者不足は続く。しかも、日本人SEの単価は、世界で最も高い。それでいて、 コミュニケーション能力不足など技術水準も総じて高いとは言えない。
来年は、間違いなくオフショア開発が本格化、加速すること間違いない。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年8月17日 08:32