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世の中について  「活・喝・勝」


産・学・官連携のムダ

私は、数年前、国土交通省主催のある研究会の委員を一年間務めた。

この委員会は、国の研究機関のために引かれた高速ネットワークについて、産・学・官から選出された委員によってそのあり方を検討するというものであった。

研究所の研究者、大学教授、それと民間のシステム会社数名からなる20名ほどの委員会である。

2ヶ月に一度のペースで開催され、最終的には報告書という形で論文がまとめられた。

一回の会議は数時間、内容は形式的で、議論などない。

このような国が主催の委員会に出席するのは、初めてであったので、会議の運営について全く無知であった。

例えば、会議に出ると、交通費と謝金が出る。封筒が回され、各自サインをして平然ともらっている。国の研究者も大学教授もだ。あれ、彼らはそれが仕事では?と思ったが、司会役の委員も含めて、全く違和感なく進められた。

さらに、報告書のために出筆した論文提出者は、さらに1ページ幾らで出稿料が払われていた。「予算は○○万円だから、何ページ位でお願いします」と出筆を頼まれる。

不思議な世界だ。

出来上がった報告書は、製本され、出席委員や関係団体に配られる。一体、この委員会に使われる費用はどれくらいになるのだろうか。

議事録を作成する事務局のスタッフも入れると、100万円を越えるのは間違いない。

極めつけは、委員会の最終日。いわゆる打ち上げ。アルコールも出て、和やかに談笑。費用は勿論、委員会持ち。

予想通り、出来上がった報告書の中身は、無意味。

出席した研究者や教授は、無難に仕事を果たした。国土交通省は、無事予算を消化した。我々民間の意見も報告書に入った。

でも、数々の提言が実施されることはまずないだろう。

これが、官主導の机上の世界なのだ。

昨今、国の機関や行政は、盛んに「産・学・官」連携を越え高に叫んでいる。これは、学・官が自分の仕事をしているだけだ。

学・官は、会議を主催し、会議をまとめ、報告書を作る。全て、机に座って行われる。汗は流さないし、自分の生活をかけたリスクもない。

決まったことを実施するか否かは予算の問題、政治の問題と責任は負わない。

しかし、民間はそうは行かない。どんなに研究しても、どんなに立派な理念を掲げても、結果が伴わなければ、メシが食えなくなる。

お客様に喜んでもらえるようにするための施策には、他人の予算ではなく、自ら投資しなければならない。その投資は、回収できる保障はなにもない。

常に、マーケットを意識しながら、世の中の流れを読みながら生きているのが民間だ。世の中が動けば、方法も変わる。

そこには理屈はない。結果を得た人のみが、成功者なのだ。

大学教授が、数年後の姿を予測し、素晴らしい文章と表現力で論文を書いても、その人が実施する訳でない。予測が当たれば、提唱者と持てはやされるが、外れても批判されることはない。

頭の良い優秀な学生は、皆、公務員になりたがる。リスクをヘッジし、安定を望む人たちが多いニッポン。

江戸時代の士農工商が今でも行き続いているのだ。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年8月 3日 20:11