日本の政党には、党議拘束というものがある。自民党の場合は通常、総務会で法案を了承する際、特別な留保がない限り、 自動的に党議拘束がかかる。
ちなみに社民党は、党則で「原則非拘束、例外拘束」を定めているほか、民主党は必要に応じ、拘束、非拘束を決めている。
間もなく参議院で採決される「郵政法案」についても、自民党では党議拘束が大きな焦点になった。 「政党政治だから党が党内手続きを経て決めた政策に反対することは許されない」というのが党議拘束の考え方だ。
アメリカには、党議拘束は存在しない。ましてや党議拘束に違反すれば処罰したり、党公認を認めないなとどいう党則もない。
アメリカでは、政治家を目指す候補者になるためには、選挙区の予備選挙に立候補して、勝利すれば党公認になるのであり、 日本のように地方支部から推薦され、党本部(執行部)から党公認を得るような不透明な構図がないからである。
このため、党執行部の意向に気を配る必要がなく、議会の投票でも、それぞれの議員が自分の信念に基づいて投票でき、 野党議員が政府案に賛成することもあれば、与党議員が反対することも頻繁に起こるのである。
日本の自民党では、郵政法案をめぐって、反対派の切り崩しのため、次の選挙で公認しないだとかというどう喝で、 党議拘束に屈服させようとしている。
アメリカの大統領制は、国民が直接選ぶ、直接選挙制である。自分の一票で、直接大統領を選ぶことを頂点に、 国会議員の立候補者も直接選び公認する。全てが、国民が自ら選んだ人たちであり、選ばれた人は、 国民の意思の代表として活動しているのである。
ところが、日本では、党の公認もオープンでなく、官僚などパイプを持っている人でないと、実質上公認は得られない。 党から公認を得た人は、国民の意思よりも派閥や執行部に従わざるえなくなる。
政党政治、議会制民主主義という間接選挙型のシステムは、結局のところ、共産圏の国と同様に党中央部が権力を握ることになる。 国民に選ばれた人が、国民の意見を反映する仕組みにはなっていない。
例えば、自民党支持者のほとんどは、公明党との連立を望んでいない。ほとんどの人が政教分離を強く思っていても、 選挙で公明党との連立に賛否を問うことはできない。
この国では、総理大臣を選ぶこともできない。だから、強いリーダシップが取れないため、党の党則という形で、 党議拘束でしか議員を抑えることができないのだ。法案の中身よりも、造反によって罰則を受けるか否かで、自分の思想を曲げられてしまうのだ。
私は、郵政民営化に賛成だ。
もし、小泉総理がアメリカのように直接選挙で選ばれて、現在のような高い内閣支持率があるのならば、党議拘束など必要ない。 国民が選らんだ人が、推進している法案なのだから何ら問題ない。
小泉総理は、これまで参議院2回、衆議院1回の選挙で勝った。でも、今の間接選挙制では、 だからと言って郵政法案が支持された訳ではない。なぜなら、郵政に反対する人も、選挙区で選ばれた国民の代表だから。
このようなねじれ現象が起きていて、本当の民主主義を示すなら党議拘束をしないほうが、それぞれの意思が反映される。
トップの選び方が変わらなくては、日本の政治は変わらないのでは。
ちなみに、会社の中では、党議拘束は必要だ。なぜなら、会社の中は、民主主義ではなく、資本主義だから。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年8月 5日 10:04