女性の参政権が認められてから60年、11日に行われた第44回衆議院総選挙では、女性の当選者が43名となり過去最高となった。
参議院議員を25年努めた女性参政権運動の中心であった市川房枝は、 無所属、革新として市民の立場に立ち、 組織に頼らず個人的な支援者が手弁当で選挙運動行う選挙スタイルを生涯変えず、「理想選挙」とまで言われた。
理想主義イコール革新という生き方は、土井たか子も同じだ。
1986年憲政史上初の女性党首となった土井たか子率いる旧社会党は、1989年の参議院選挙において、改選議席の倍以上を獲得し、 マドンナ旋風を巻き起こした。与野党を逆転させた参議院で、土井たか子が女性初の首班指名され、1993年には女性初の衆議院議長を務めた。
かつてのマドンナブームでも越えることができなかった女性議員の数は、1946年に39人の初の女性議員が誕生してから、 今回の選挙で59年ぶりにその数を越えた。
それでも、女性刺客などで話題があった割には、前回より4人しか増えていない。
今回女性議員の割合は9.0%になったが、国連関連のIPUによる国際比較で見ると、 カメルーンとならんで世界187ヶ国中125位と非常に少ない。
2004年の国連報告によると、ジュエンダー・エンパワメント指数(男女格差の指標)では、日本は38位となっている。
まだまだ女性の社会参画は遅れているのだ。
現在ではイデオロギーの対立は崩壊し、今の社会は、理想主義だけでは対応できなくなった。理想社会主義を目指した土井たか子は、 今回の選挙で落選し議席を失った。護憲は理想社会を目指す大切なテーマであるが、郵政民営化という現実の問題に対応できなかった。
現実主義(イコール保守)が台頭した。自民党の圧勝。
今回の選挙では、自民党が比例名簿一位など女性優遇措置をとったため、当選者43人のうち与党(自公合わせて) が30人と7割を占めた。
男女別の比例代表の投票先を見ると、男性の40%が自民、民主36%と4%の差に対し、女性は43%が自民、 民主は30%と13%の差となっている。つまり、女性票の行方が今回の選挙を左右したのは間違いない。
男性よりも女性のほうが、与党を支持する割合が高かった。そして、議員になった女性の大半も与党。
夢を追いかける理想主義よりも、現実の社会を見る堅実な女性の目が、小さな政府を目指すことを信任した形だ。
今回当選した女性議員には、国際政治学者、財務官僚、経済アナリストなど各界で活躍しているスペシャリトが多くいる。 国民から選ばれた代表として国会議員になった以上、優遇措置などの当選を勝ち取った背景は別にして、"女性だから" という言い訳は通用しない。
そして、多くの男性議員に負けないよう、多くの女性を対弁して活躍してほしい。男女共同参画社会の実現はもとより、少子、 高齢化社会対策や介護・年金問題など、女性ならではの政策に力を注いでもらいたい。
理想の国家を現実の政策で。
女性の社会参画でわが国は大きく変わる。初の女性首相がでる頃、どのような社会になっているだろうか。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年9月13日 14:04