IT業界について ドリクラについて ビジネスについて リーダーについて 世の中について 企業経営について 嬉しい出来事 悲しい出来事 技術者と営業 教育について 求める人材 組織について 経営者について 若者について 起業・独立 障害者について



リーダーについて  「活・喝・勝」


事実と真実

「小さな政府」を掲げた自民党が圧勝し、3分の2以上の議席を獲得したというのは紛れもない"事実"だ。民主党は大幅に議席を減らし、政権交代が否定されたということも"事実"である。

"事実"はこれだけではない。"事実"はひとつではないのだ。

全国小選挙区の得票率は、自公合わせて49.2%、その他の党が50.8%である。これも偽りのない"事実"だ。

選挙制度に問題があろうがなかろうが、自公が勝ったのも"事実"だ。例え得票率で自公が負けても、 選挙区毎には民主党が勝てなかったのも"事実"なのである。"事実"は複数ある。

ここで民意が正しいか否かを言っても始まらない。"事実"だから、それぞれは偽りはない。"事実"は紛れもない"事実"だ、だが、 それが民意を表している"真実"か否かは判らない。

「"真実"はひとつ」と言われるが、"事実"が複数あれば、その分だけ関わった人の"真実"がある。

小泉総理は、今回の選挙を「郵政民営化」を問う選挙と言い切った。その結果を見ると、郵政民営化を支持した自公の得票率は、 郵政民営化を反対したその他の政党よりも低い。この"事実"は、郵政民営化が支持されたことになるのか。反対派からすれば納得できない" 事実"だろう。

小泉総理が言う通り、もし、今回の選挙が国民投票的で「郵政民営化」をイエスかノーで問いていていたなら、 ノーのほうが多かったことになる。これも"事実"であるのに、小選挙区制度の巧妙で、勝ったことが郵政民営化を支持したこととするのか、 国民の"真実"は不明だ。

しかも、各小選挙区で入れられた自民党の候補者は、公明党の票の分が無かったら、民主党の候補者よりも下回っているのも"事実"だ。 自民党の支持者でも、公明党と一緒にやることを支持しているか否かの"真実"は不明だ。

それでも勝てば官軍で、"事実"が"真実"を葬ることになってしまう。

"事実"は、動かしようのない単純明快な事象。ここには、人の感情や思想、思惑が関与する余地はない。

でも、"真実"は、そう簡単なものではない。「揺るぎない真実」と言われるが、本当に"真実"は、揺るがないものなのであろうか。 もし、そうだとしたら、"真実"と"事実"は同じということになる。裁判であれば、証拠を集めて起こった"事実"を積み重ねて、"真実" を推測するが、本当の"真実"は誰にも解き明かすことはできない。なぜなら、"真実"は心の中にあるからだ。

"真実"は、人の感情や思想、思惑が関与するものであって、単純明確に表すことはできないのである。"事実"に関わった人の数だけ" 真実"がある。

 「あなたの病気はきっと治るから、がんばって」と末期ガンの人に声をかけた"事実"。患者への思いやりが"真実" を隠す時だってある。だから、"真実"が必ずしも正しいとは限らないし、またその逆だってある。

「小さな政府」を目指すと言った"事実"。もうひとつの増税するという"事実"は、「小さな政府」を目指すという嘘の"真実" を暴いている。「小さな政府」というのは、財政支出を減らすことだから、増税はあり得ないのに、キャッチフレーズに騙される。"真実" を見極める目を持たないと、"事実" に翻ろうされる時だってある。

"事実"から"真実"を見極めることは極めて難しい。

"事実"は、言い換えればデータである。1個1個のデータは嘘をつかない。そのデータから何を見出すか、商売で言えば、 マーケティング力である。言わば、マーケティングとは、物の見方、つまり、人の感情や思想、思惑が関与して出来上がるものである。

私は、よく数字を用いる。統計データも重要視している。これは、架空や空想でものを言うことを避けるためである。

しかし、ひとつひとつは嘘をつかない"事実"というデータを多く集めても、 見方によってその全体が何を物語っているかは変わるのである。マーケティングとは、将来の姿を想像する仮想の"真実"の追究なのである。

だからマーケティングを行うリーダー、とりわけ経営者の感情や思想、思惑はとても重要なのである。もし、リーダーが、集められた" 事実"から、大多数という確率の方を選ぶのあれば、リスクヘッジ型の保守的な温和なマーケティング結果を示すだろう。

もし、リーダーが、数少ない例外的なデータに着目し、可能性の方を選んだら、革新的で攻撃的なマーケティング結果を示すだろう。

これは、人の思想に関わるものだ。生き方だ。

リーダーが、"事実"からどう"真実"を見極めるか、これは生き方に左右されるのである。もし"事実"と"真実" をイコールでしか捉えられないとしたら、将来を見出す力も、人の心を理解する力もない無能なリーダーだろう。

多くの"事実"から評論するより、数少ない"事実"、見えない"事実"から、"真実"を予測することが、 リーダーにとっては極めて重要な仕事である。そして、どのような"真実"を推測するかが、真のリーダーと平凡なリーダーとの差になるだ。

耳や目で"事実"を的確に捉え、感性で"真実"を見抜く力、これがリーダーには求められる。

確率より可能性で選ぶリーダーを目指して。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

感謝。 毎朝6時に社内朝礼ブログをこちらで公開しています。こちらもご覧頂けたら幸いです。

この内容に共感頂けたらこちらをクリックして下さい。ありがとうございます。

※このブログは日本最大級の社長動画サイト賢者.TVのランキングで堂々第一位となりました。

投稿者 :堀田信弘: 2005年9月20日 07:47




コメントしてください







コメントありがとうございます


はじめまして。
現在のメディアの報道は、事実を極めて一元的に解釈していると思います。

投稿者 ソレル : 2005年9月20日 08:44

事実と真実の違い、勉強になりました。
堀田さんの文章表現には何か引き込まれる力を持っているような感じがします。
これからも頑張って下さい。

投稿者 yauyau : 2005年9月20日 08:24


このエントリーのトラックバックURL

http://www.hottaworld.com/mt4/mt-tb.cgi/128