【堀田信弘の今日の語録】 2010年7月31日 『衰退の陰は、発展と共に常に忍び寄っている。』


世の中について  「活・喝・勝」


喫煙は自己責任か

先週の土曜日は、小学校で娘達の運動会があった。平成15年に健康増進法が施行されてから、2年経って初めて校内全面禁煙となった。

タバコを吸う人は、門を出て外で吸っていた。

タバコが、酒と同じように仕事が終わってから、家で一服するだけなら良いのだが、いつでも吸いたくなるから厄介だ。

「タバコが体に悪いから吸うな」と言うつもりは毛頭ないが、次のようなデータがある。

2003年時点、世界の約11億人がタバコを吸っており、成人男性の約35%が喫煙者だそうだ。近年では、先進諸国の喫煙者は大幅に減少、発展途上国では増加傾向にあり約8億人に達する。

今から40年前の1960年の統計では、日本の男性は世界一の喫煙率で、実に成人男性の82%が喫煙していた。ちなみに、その当時、アメリカは50%程度である。

日本では年々喫煙率が減少を続け、40年かけて、やっと40年前のアメリカと同水準となった。そのアメリカは、現在半減し、25%にまで下がっている。

そんな中、先進諸国の中で唯一増加しているのが、日本人女性。40年前、10%足らずだった女性の喫煙率は、次第に上昇し20%に迫るところまで来た。

日本では、ここ数年で、空港、駅などの公共施設内はほぼ全面禁煙になった。

東京都では千代田区をはじめ街角での歩きタバコも禁止となった。世界では、2004年ブータンが販売も含め、国内全面禁煙となった。

それなのに、日本のタバコの消費量は減らない。日本は、人口あたりの年間消費量は世界第4位、欧米など先進諸国の中では、ギリシャに次いで最も多い。タバコの輸入量は、世界第1位の輸入大国だ。

世界最大の生産量で、世界第1位の輸出国はアメリカ。その最大の輸入国が日本というのはどういうことだろうか。

これもアメリカの圧力か。先進諸国の中では、ギリシャと日本だけが、他の国と比較して突出してタバコの税率が安い。

ノルウェイやイギリスなどでは、1箱700円以上もし、70%を超える税率が課されている。先進諸国では、税率の高さと喫煙率の低さは比例しており、値段があがると禁煙するという当たり前の傾向が見られる。

日本のタバコ税は、なぜ低いのか。JTの株を政府が保有しているからか。

日本の男性が肺がんになってアメリカを支えているこの事実、これもアメリカの戦略なのか。

アメリカのグラクソ・スミスクライン製薬会社の研究グループは、喫煙労働者は非喫煙労働者に比べて仕事の効率が悪いとする調査結果を発表している。

非喫煙者は仕事の効率が喫煙者より5%以上高く、喫煙者の欠勤日数は非喫煙者の3倍にも達する。分煙は非喫煙社員の受動喫煙は防げるが、喫煙社員が喫煙ルームに入り浸れば生産性はさらに下がると言っている。

だから、アメリカでは喫煙する人は出世しないと言われるくらい、禁煙は、健康のためというより、ホワイトカラーの生産性を高める動きが強く、企業内での禁煙が盛んだ。

私は、今から3年前、次の年に施行される健康増進法を理由に社内禁煙タイムを導入した。朝の9時から10時までと、午後の13時から14時までの2時間。その間は、喫煙室でもタバコを吸えなくした。会議室も禁煙にした。

建前は健康増進法であるが、本音は、生産性の向上である。分煙は既に行っていたが、一端喫煙室に入ると最低でも10分は出てこない。

そもそも、朝出社して9時にタバコを吸い、昼休みが終わってタバコを吸うのは如何なものかと考えた。

しかし、結果は、猛反発だった。

休憩も重要だと言い出したのだ。誰も休憩をするなと言っていないのに。レベルの低い発想に議論する価値もなかった。

喫煙率が大幅に下がっているのに、消費量が減らないということは、一人が吸う量が増えているということだろう。それは、ストレスが増大しているからか、それとも、企業内禁煙などと無関係な仕事をする人が増えているからだろうか。

健康のことは、自分自身の問題だから、禁煙しようがしまいが関係ない。私もタバコを吸っていたから、他人に迷惑をかけなければ自己責任だと考えていた。しかし、この自己責任論はもはや世界の主流ではない。

タバコを吸う人は、税金を納めて国に貢献していると冗談を言うが、タバコが原因と思われる肺がんなどの医療費は、タバコ税2兆2千億円の3.3倍以上にもなっていることを知らなければならない。

女性下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパンは、「禁煙宣言したら3万円進呈、挫折したら罰金6万円、"密告"者には1万円」。

というユニークな禁煙奨励運動を展開している。企業におけるタバコの損出は、3万円よりも大きいことに気づき始めてきた。

世界中の国々、多くの企業がタバコが及ぼす「企業への不利益」「社会への不利益」を考えはじめているのは間違いない。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年9月21日 13:02