先週の土曜日は、小学校で娘達の運動会があった。平成15年に健康増進法が施行されてから、2年経って初めて校内全面禁煙となった。
タバコを吸う人は、門を出て外で吸っていた。
タバコが、酒と同じように仕事が終わってから、家で一服するだけなら良いのだが、いつでも吸いたくなるから厄介だ。
「タバコが体に悪いから吸うな」と言うつもりは毛頭ないが、次のようなデータがある。
2003年時点、世界の約11億人がタバコを吸っており、成人男性の約35%が喫煙者だそうだ。近年では、先進諸国の喫煙者は大幅に減少、発展途上国では増加傾向にあり約8億人に達する。
今から40年前の1960年の統計では、日本の男性は世界一の喫煙率で、実に成人男性の82%が喫煙していた。ちなみに、その当時、アメリカは50%程度である。
日本では年々喫煙率が減少を続け、40年かけて、やっと40年前のアメリカと同水準となった。そのアメリカは、現在半減し、25%にまで下がっている。
そんな中、先進諸国の中で唯一増加しているのが、日本人女性。40年前、10%足らずだった女性の喫煙率は、次第に上昇し20%に迫るところまで来た。
日本では、ここ数年で、空港、駅などの公共施設内はほぼ全面禁煙になった。
東京都では千代田区をはじめ街角での歩きタバコも禁止となった。世界では、2004年ブータンが販売も含め、国内全面禁煙となった。
それなのに、日本のタバコの消費量は減らない。日本は、人口あたりの年間消費量は世界第4位、欧米など先進諸国の中では、ギリシャに次いで最も多い。タバコの輸入量は、世界第1位の輸入大国だ。
世界最大の生産量で、世界第1位の輸出国はアメリカ。その最大の輸入国が日本というのはどういうことだろうか。
これもアメリカの圧力か。先進諸国の中では、ギリシャと日本だけが、他の国と比較して突出してタバコの税率が安い。
ノルウェイやイギリスなどでは、1箱700円以上もし、70%を超える税率が課されている。先進諸国では、税率の高さと喫煙率の低さは比例しており、値段があがると禁煙するという当たり前の傾向が見られる。
日本のタバコ税は、なぜ低いのか。JTの株を政府が保有しているからか。
日本の男性が肺がんになってアメリカを支えているこの事実、これもアメリカの戦略なのか。
アメリカのグラクソ・スミスクライン製薬会社の研究グループは、喫煙労働者は非喫煙労働者に比べて仕事の効率が悪いとする調査結果を発表している。
非喫煙者は仕事の効率が喫煙者より5%以上高く、喫煙者の欠勤日数は非喫煙者の3倍にも達する。分煙は非喫煙社員の受動喫煙は防げるが、喫煙社員が喫煙ルームに入り浸れば生産性はさらに下がると言っている。
だから、アメリカでは喫煙する人は出世しないと言われるくらい、禁煙は、健康のためというより、ホワイトカラーの生産性を高める動きが強く、企業内での禁煙が盛んだ。
私は、今から3年前、次の年に施行される健康増進法を理由に社内禁煙タイムを導入した。朝の9時から10時までと、午後の13時から14時までの2時間。その間は、喫煙室でもタバコを吸えなくした。会議室も禁煙にした。
建前は健康増進法であるが、本音は、生産性の向上である。分煙は既に行っていたが、一端喫煙室に入ると最低でも10分は出てこない。
そもそも、朝出社して9時にタバコを吸い、昼休みが終わってタバコを吸うのは如何なものかと考えた。
しかし、結果は、猛反発だった。
休憩も重要だと言い出したのだ。誰も休憩をするなと言っていないのに。レベルの低い発想に議論する価値もなかった。
喫煙率が大幅に下がっているのに、消費量が減らないということは、一人が吸う量が増えているということだろう。それは、ストレスが増大しているからか、それとも、企業内禁煙などと無関係な仕事をする人が増えているからだろうか。
健康のことは、自分自身の問題だから、禁煙しようがしまいが関係ない。私もタバコを吸っていたから、他人に迷惑をかけなければ自己責任だと考えていた。しかし、この自己責任論はもはや世界の主流ではない。
タバコを吸う人は、税金を納めて国に貢献していると冗談を言うが、タバコが原因と思われる肺がんなどの医療費は、タバコ税2兆2千億円の3.3倍以上にもなっていることを知らなければならない。
女性下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパンは、「禁煙宣言したら3万円進呈、挫折したら罰金6万円、"密告"者には1万円」。
というユニークな禁煙奨励運動を展開している。企業におけるタバコの損出は、3万円よりも大きいことに気づき始めてきた。
世界中の国々、多くの企業がタバコが及ぼす「企業への不利益」「社会への不利益」を考えはじめているのは間違いない。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
感謝。 毎朝6時に社内朝礼ブログをこちらで公開しています。こちらもご覧頂けたら幸いです。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年9月21日 13:02
はじめまして。とても勉強になるページですね。
私はたばこに関する調査をしている者ですが、専門機関の者ではありません。私は非喫煙者ですが、喫煙者は意識の高低だけではありませんし、ニコチン依存症はれっきとした症状でありますし、一度喫煙を始めると抜け出すのは本当に困難だと思います。一番大切なのは吸わせないことです。しかし、報道はJTをスポンサーに持ち喫煙に対する批判はできず、肝心の厚生労働省はたばこ事業法という「たばこをたくさん売ろう」とする法律が邪魔で手が出せない、と八方ふさがりです。
企業の中で完全禁煙を実施することには敬意を表します。
投稿者 momizi : 2005年11月29日 14:38
うちの会社は「全社員禁煙」というか、全員タバコは吸わないという建前できてましたが、会社周辺で歩きタバコ、タバコの投げ捨てをする社員が後を絶たず、昨年、社内に喫煙ルームを設置しました。ほんと、情けないです。。。自分の欲望をコントロールできない、自己管理ができない象徴ですよね、歩きタバコとかって。 喫煙に関してだと、ついあつくなってしまうので、この辺で。
投稿者 hana : 2005年9月23日 23:16
はじめまして。
私のほうでも初トラバさせて頂きました。
これからも宜しくお願い致します。
投稿者 吸わない人 : 2005年9月22日 17:38
世界的に見た、日本の喫煙状況がよく理解できました。
私は禁煙して9ヶ月経ちますが、今はほとんどタバコのことを考えずにいられますし、この記事を見た以上、2度と喫煙することはないと思います(おそらく……)。
モラルの面では、バリッとスーツを身にまとった「いっぱしの大人」が、吸い殻を平気でポイ捨てする現状にも、激しい憤りを感じますよね。
投稿者 ブラッキー : 2005年9月22日 12:26
戦前、日本の成人男性は今より喫煙率が高かったですが、肺ガンの死亡率はその戦前に比べて現在は9倍近くにはねあがっているデータがあります。
2000年前後の成人喫煙者率は、日本はアメリカの約2倍ですが、肺ガン死亡率はアメリカの方が僅かに高くなっているデータもあります。
喫煙と肺ガンに相関関係はあるかとは思いますが、はっきりとした因果関係はどこにもありません。そもそも日本で「タバコ肺ガン説」を最初に唱えた平山氏の疫学データは多くの専門家からデタラメだと指摘されているのも現在では周知の事実です。
(特に平山氏はこの説を発表した当時、国立ガンセンターの疫学部長という「権威」であり、日本のアカデミズムが権威に極端に弱いのは丸山ワクチン問題でも明らかです。)
・・・ってことを、こういうエントリーを載せられるのであれば堀田さんにも言及して頂きたいところです。
加えて、「健康増進法」に触れておられるのであれば、健康増進法が如何に時代に逆行した悪法であるかにも触れて頂きたいところです。
投稿者 neo_central_dogma108 : 2005年9月22日 12:16
ホント、その通りですよね。
確かにアメリカとのタバコの関係、気づいているようで気づいていませんでした。自分の国では禁煙の比率は高いのに、いらないものを作って日本に売る、と。
そもそも自衛隊もアメリカの右へならえにしか思えないし、自分を持てないのかなぁ、「友好関係」とか言ってるけど日本はアメリカに事実上、支配されているだけのような気がします。
投稿者 cleanair : 2005年9月22日 10:53
タバコの一番の問題は吸っている人の意識の低さだと思います。
吸わない人は意識が高いんで(笑)
国はもっと税金を高くしてもいいと思います。
全然問題ないでしょ。
喫煙者が非喫煙者に一切迷惑をかけずにタバコを吸っているなら、局地的な税率の引き上げに俺も反対します。
でも、結局はそうじゃないから。
タバコは吸わなければストレスなんてたまりませんよ。
だって吸わない俺は全然吸いたいってストレスがないですから。
要はタバコの依存性に負けている人たちがストレスがどうのこうの言っているんじゃないでしょうか。
ストレスのはけ口をタバコに求める人が多くなっている気がします。
その先が見えずに短絡的に考えるんでしょうね。
タバコを吸えばその先により大きなストレスが待っていることを考えずに・・・
投稿者 眞音 : 2005年9月22日 10:13
いつも興味深く拝見させて頂いております。
「活・渇・勝」の大ファンです。
私は、喫煙をするほうなので、この記事を読んで禁煙すべきだなって言うつもりはありません。
でも、堀田さんの人を引き付ける文章力はいつも見事だなぁと関心させられます。
ズバズバ書いていて、しかも、書かれていることのその奥側にさらに言いたいことが秘められているような深いシナリオ性にぐぐっと引き寄せられます。
読み終わった後、ハットしたり、ピカっとするような感じが残ります。これからも頑張って下さい。
投稿者 yamada : 2005年9月22日 09:41
とても興味深く拝見させていただきました。
説得力のある文章ですね~
ガンガンこちらに響いてきましたよ。
こちらからもTBさせていただきます。
投稿者 ぼんげん : 2005年9月22日 09:25
喫煙するならマナーはやっぱり守って欲しいですね。
喫煙しない人にとっては、まったく得しないですもの。
ヤケドの方はだいぶ治ってきましたが、痕はやっぱり残りそうです・・・。
まだ右手タイプなので、これにて失礼します。
投稿者 るり。 : 2005年9月22日 01:22
僕には難しい事は解りませんが、マナーを守り、常に相手を
気遣う心を持っていれば喫煙は問題無いと思います。
あと、社内の禁煙に関して言わせてもらえば、全面禁煙だろうが分煙だろうが、会社のトップがそう決めるのならそれに従うべきだろうと思います。
それぐらいのことでどうこう文句を言うこと自体がおかしな話で、嫌なら辞めてしまえばいいのでは、とちょと極論めいてしまいましたが、少なからず僕はそう思います。
どうしても会社で吸いたいのなら、そういう会社を探せばいい事だし、無ければ作ればいい。
それができないのなら今の状況を甘受する他無いのですから。
まあ何を軸にしてそこで仕事をしているのかと言う事でしょうけど。
あ~、これ以上続けると話がズレていきそうなのでここら辺で
お暇させていただきます。
初訪問なのに長々とくだらない事を書いてすみませんでした。
あしからず。
投稿者 snimer : 2005年9月21日 23:12
ホワイトTBプロジェクトに関する記事をこちらにTBします。
公共広告機構に「歩きタバコはやめて!」というTBコマーシャルをつくって民法で流してくださいという趣旨のプロジェクトです。署名を集めています。署名はTBでおこなっています。
賛同していただけるのであれば、ご参加ください。
投稿者 タバコの匂い大嫌い : 2005年9月21日 20:52
まさかと思っていただけに予想外の展開でいきなりノンスモーカーになってしまいましたが、今は吸わない自分が不思議で仕方ありません。
でも、家の中の空気がきれいで気持ちがいいものです。
いろんな角度で、お勉強になりました。
また遊びに来させていただきますね^^
投稿者 もんぼた : 2005年9月21日 20:21
まあ、社会におけるリスクまでとは、いいませんが自分に対するリスクが大きいですからね。
堀田さんの記事を肝に銘じ、禁煙にたゆまぬ努力を続けます。
心強い、エールになりました。
投稿者 煙 : 2005年9月21日 18:39
禁煙200日記念日にありがとうございました。
愛煙家も禁煙者も非喫煙者も嫌煙家も、上手に付き合える煙草でありたいと思っています。
投稿者 あんず : 2005年9月21日 17:57
とても勉強になりました。
投稿者 むーみん@ママ : 2005年9月21日 17:55
多面的な事実、意見。
とても面白かったです!
断煙1週間継続中です。
投稿者 dramovies : 2005年9月21日 17:41
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