【堀田信弘の今日の語録】 2010年7月31日 『衰退の陰は、発展と共に常に忍び寄っている。』


世の中について  「活・喝・勝」


やらない善よりやる偽善か

貧困をなくそうという声をあらわす運動が行われている。若者たちは、寄付が目的でないというこの運動で、 中国製の300円のホワイトバンドをファッション感覚で身に着けている。

パキスタン・北インド国境付近で発生したパキスタン地震、死者は30,000人以上に達する可能性がある。

神戸にある「アジア防災センター」によると、世界で発生する災害のうち、約50%がアジアで発生しているそうだ。 その災害によるアジアの死者数は、全世界の70%を越え、他の地域と比べて極めて高い割合を占めている。

なぜアジアでは、災害による被害が多いのか。

全世界の面積の2割しかないアジアに、世界の半分の災害が発生しているのだから、地理的、気象的なことが起因していることは想像できる。だが、アジアの人口割合58%と照らすと、7割以上の死者が出ているのはそれだけの理由ではない。

防災対策が未整備であるからだ。

国連開発計画(UNDP)によると、世界の貧困のほとんどはアジアに集中している。中でも今回の地震が発生したパキスタン、インド、 バングラディシュ、スリランカなどの南アジア(SAARC)には、15億人が住んでいるが、 そのうち6億人が1日1ドル未満の生活をする世界の貧困の半数以上を占める場所だ。

そのため、水害や台風、干ばつ、地震などが発生すると、石を積み重ねただけな軟弱な住宅は一瞬にして崩壊してしまう。 莫大なお金がかかる堤防などの社会的インフラも整備されていない、無防備な状態だ。

南アジアは、インダス・ガンジス川流域を中心に古代文明が栄えた地で、世界の主要宗教が発祥した地としても知られている かつては、イギリスの統治下にあったため、イギリスの行政制度や慣習を受け継いでいる。

民族自決をめざした長年の闘争を経て、それぞれの国が独立を勝ち取ったというプライドも持っている。 古代交易ルートの経由地であったこの地域は、ヨーロッパから中近東、東アジアの様々な民族が入り混じって暮らしていて、 同じような社会性がある。

歴史的背景から、カースト制や人種、宗教の差別、隣国との覇権争い、戦争など、政治混乱が根強くあり、政治的、宗教的なテロを生み出す温床となっている。

子供たちは、貧しさに苦しみ、奴隷制度、臓器売却、人身売買などの犠牲者だ。日本では、アフリカの貧困問題に比べ、わずか数時間で行ける最も身近で、最も悲惨なアジアの貧困問題は以外にも知られていない。

ホワイトバンドの「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」は、どれだけアジアの現実を伝え、知ってもらおうとしているのか。パキスタンの災害について、何を訴えようとしているのだろうか。私の理解力がないのか、HPからは把握できない。

やらない善よりやる偽善なのか。

ホワイドバンドの製作工場は、南アジアの国々にすべきではないか。中国にも貧困はないと言えないが、どうも趣旨が見えてこないのは私だけだろうか。

貧困をなくす意思を表そうとホワイトバンドをしている若者に非はないが、運営団体には、莫大な売上という形で届いた若者の声に誠意を持って応えてほしい。私はどうもほっとけない。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年10月12日 11:27