「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人にへつらうものなり」とは、福沢諭吉の「学問のすすめ」にある文言だ。
福沢諭吉は、江戸にペリーが来航したことを知り、砲術を学ぶために、長崎でオランダ語を学んだ。やっと流暢に話せるようになった5年後、日米修好通商条約により外国人が住むようになった横浜に行くと、英語が用いられていて、これまで学んできたオランダ語が全く通用しないことに衝撃を受ける。
過ぎたことに対して「過去は過去」と、その後は必死で英語を学んだそうだ。
「心身の独立を全うし、自らその身を尊重して、人としてその品位をはずかしめない者」 を「独立自尊の人」と説いた。諭吉は、「独立自尊」の理念を生涯掲げ、諭吉の戒名「大観院独立自尊居士」にも含まれている。
独立の気概のないものは、環境の変化を嫌い、新しい世界に踏み込むことにちゅうちょする。諭吉は、「独立の気力なき者は、国を思うことを深切ならず」と、指導者は、自主独立の精神を養うべきだと言っている。
諭吉が経験した突然の環境変化、普通の人であれば、これまでやってきたことが否定されるようなもので、ふて腐れ、くじけてしまうだろう。
人は、放っておけば怠ける習性がある。それが組織ともなれば加速的に自然発生する。リーダーが目的意識をもって、率いらなければ、集団はゆるいほうにゆるいほうに自然に流れるのだ。組織が一端ゆるんでしまうと、組織やリーダーに依存することを覚え、やがて不満を持ち、ただ時だけが過ぎる。ジワリジワリと組織は衰退する。
何人か集まれば、いつも不満を言いくだを巻く。影で文句言って、表では黙っている。独立心がない人がどんなに立派な文句を並べても、どんなに多くの不満者が団結しても、カラスがカァーカァーと鳴いている烏合の衆に過ぎない。
トップに不満がある中間管理職のカラスが、カァーカァーと理論武装して泣いても、トップにも、
自分の部下にもカァーカァーという泣き声にしか聞こえない。
自分がカラスでないのなら、自らが新しい環境を生み出し、新しい世界に飛び込んで、新しいビジネスに挑戦する姿勢を見せないとダメだ。
リーダー自らが、強い独立心を持ち、自ら新しい環境に飛び込む強い意志を持っていなければ、ぬるま湯に浸かった依存度の高い組織になるのだ。
リーダーは、変化に立ち向かえる組織を目指し、やることの意味を訴え、組織内のひとりひとりが自主性を持つよう、叱咤激励をしなければならない。
私は、リーダーの仕事は、全く何もないところに、細くても何とか歩けるケモノ道を創ることだと思っている。
歩きづらいながらも皆を先導して、後に続くメンバに道を広げてもらい、力をあわせてやがて舗装してもらう。
そんな気持ちでやってきた。
だからいつも私の部下には苦労をかける。苦労をさせても不幸にさせない、これが私の信条だ。
トップがカァーカァーとしか聞く耳を持っていなかったら、たった一人のカラスでない中間管理職がいても、組織を変えることなどできない。全ては、トップがカラスでない独立自尊の気概を持っているか否かだ。
だから私は、自主性を重んじ、自立、独立を促す。そして、自ら新しい環境に身を置くことを忘れない。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年10月21日 15:07
いつも頭が下がる思いで、拝読させていただいております。トップと組織の勉強になります。
リーダーは、福沢諭吉のように「独立自尊」の理念をもたなければ、部下の組織が衰退する怖さが文面から伝わってきます。
福沢諭吉の戒名にまで、理念が含まれているとは。。。
「独立自尊」は、社長以外なら現場監督、チームリーダー、部下を率いる立場全ての者に当てはまることと感じました。
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投稿者 タジイ : 2005年10月21日 22:57
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