【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


教育について  「活・喝・勝」


教え教わる

マイクロソフトやシスコシステムズのようなアメリカの大手IT企業は、本社がある本部のことを「キャンパス」と呼んでいるそうだ。

理由はその名の通り、学ぶことと働くことを一体的に捕らえようという考えがあるからである。

日本でも、松下幸之助は、「あなたの会社は何を作っているのか?」と尋ねられたら、「人を創っている」と応えると言っている。

ところが、昨今は、中途採用で即戦力を求め、適材適所という名のもとに、既成品の人材をコマのように配置する。

少しでも適所に外れれば、お役御免という人材教育には程遠い体質が見受けられる。

私はかつて、上司から「成人になったいい大人が教育などして育つのか」という疑問を突きつけられたことがあった。職場は働くところで、お金を払って学ばせるところではないという考えがあったのである。

それでも私は管理職になった時、与えられた予算の多くを教育費に費やし、講師を呼んで勉強会をしたり、受講したいセミナーや講習にできるだけ参加するよう呼びかけた。何よりも優先して取り組んだ。

日本の経営者は、人材を採るまでは対等でも、採用後はアウトプットを求め、経営者が与えるべきインプットを忘れがちである。

私の論理は、単純だ。人にはインプットという機会を与えなければ、アウトプットという成果は生まれない、これはコンピュータの常識であり、人間においても、組織を経営するうえでは重要なことだと確信している。まずは、インプットありきである。

色々な経歴や学暦を持った人がひとつの組織に集まり仕事をする。もし、全く経歴を持つふたつの集団が競争したら、結果は同じになるだろうか。そんなはずはない。そもそも同じ経歴、同じ学歴の人で比較すること事態が無理であるが、組織の力というのは、そこで働く人が精一杯力を発揮できるかどうかであって、同じようなメンバが集まっても、環境や仕事の内容、ましてやリーダーの考え方が異なれば、自ずと結果に差がでてきる。

私は、その差を生むひとつの要因が社内「教育」だと思っている。全く「教育」に関心がない会社と熱心な会社とでは、業績だけでなく、離職率などにも大きな差がでると言われている。

私は、ある人から「なぜ、あのようなコラムを書いているのですか?」という質問をされたことがある。

私には、2つの理由がある。

ひとつは、自分自身を整理するためである。これまでの自分のやってきたこと、自分が経験したことを振り返り、時にはこれまでの行動を反省して、これからの自分の生き方をブレないようにするために、自分自身を整理している。

もうひとつは、社員又はこれから社員になる人や、このコラムを読んでくれている人に、何かを考えるきっかけになればと思っている。

私の考えに納得し賛同してほしいという意味では全くない。私が考えることに対し、疑問を持つのも良し、違ったアプローチの方法を見出すのも良し、少なからずとも、「現状のままで良いのか」
ということを考えるきっかけになってくれれば幸いである。

つまり、私の考える社員「教育」とは、技能習得や資格取得などのテクニカルなことを指すのではなく、リーダーの問いかけ、リーダーの考え方について、共に掘り下げて、立場を乗り換えて一緒に考えたり、或いは、自分の果たすべき役割を見直し、常に向上心を高めることで、しいては人間形成に寄与することだと思う。

リーダーがやるのは、そのためのインプットの提供という機会を与えることだ。昔から行われているカバン持ちもそのひとつだし、海外出張させて見聞を広げるのもそのひとつだが、そこから何を学ばせるかというものがなければ、意味のないものとなってしまう。

インプットを与えるには、与える側がしっかりした考えを持っていなければいけない。

私の場合であれば、このコラムが社員に与えるインプットのひとつである。多くな人からのコメントやメールの意見は、教えることよりも、教わることが多く、私自身が学ぶきっかけをもらっている。

学校の教育でも、職場の教育でも、教える側、指導する側が自ら学ぶ姿勢がなければ、学ぶ側の学ぼうとする意欲は育たない。

リーダーであれば、インプットを与え、部下からアプトプットをもらって、それを見てまた学ぶ、部下から学ぶその循環こそが、学びと仕事を一体的にするのである。

学ぶことと仕事の境がボーダーレス的に活動できるような組織は、創造性の高いサービスやアイデアを生み出すことだろう。

リーダーが教育を軽視するということは、リーダーが日頃何も学んでいないからに他ならない。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年10月24日 08:44