福知山線の脱線事故から今日で半年が経った。JR西日本は、軽微なミス「事故の芽」を摘むようなマイナス評価制度が、 大きな事故を起こす要因であったことを反省してほしい。今一度、「言わざる声を聞く耳」を持ってほしい。
ところで、今シーズン限りで、巨人を退団した清原は、これまでレギュラーシーズンでは、 ホームラン王などのタイトルを一度も取ったことがない「無冠の帝王」である。打率3割を超えたのは、3回しかない。
彼の魅力は、何と言ってもホームラン。2005年シーズン終了時点で通算514本塁打は、歴代5位。 通算500本以上の歴代本塁打記録を持つのは、日米合わせても28人しかいない。そのうち、現役で活躍しているのは清原も含め5人だけだ。
安打全体に占めるホームランの割合は24.7%で、ベーブ・ルースの24.9%に次ぐ世界歴代第7位。打率こそ低いものの、1本のホームランを打つのに要する打数は、 14.7打席で、これも世界歴代第7位だ。
打席に立てば、ホームランか三振。 打てばホームランというような豪快さが持ち味だ。三振1861は、日本プロ野球歴代第1位、世界歴代第9位である。三振が多いのは、メジャーリーグのほかの現役4選手も同じで何れも1800三振を超えている。偉大な4番打者は皆、 1本ホームランを放つのに、3回以上三振をしているのである。つまり、試合のほとんどは、三振ということである。
ホームランというのは、三振の積み重ねから生まれるのである。
大きな成功というのは、成功の連続から生まれるのではなく、失敗の連続から生まれるということ。まさに、失敗は成功の元である。
現場の監督や、組織を率いるリーダーになると、頭では判っているが、失敗に耐え、我慢して起用し続けるということは中々できないものである。
かつての戦争で日本は、勝った話しは伝えられても、負けた話しは封印されていた。軍の上層部には、作戦が成功した話しには耳を傾けたが、 失敗したことは聞き入れない体質があったのではないだろうか。たった一度の奇襲攻撃の成功例の再現を夢みて、 失敗した原因分析よりも成功した事例を優先したのである。
会社や組織のリーダーでも、部下が、トラブルやクレームなどの問題発生の報告をすると、嫌な顔して対応をしていないだろうか。「昔はこうだった」 といつも同じ良かった時の話を繰り返し、失敗を恐れる風土を作り上げていないだろうか。
自分が経験した成功例ばかり話していると、小さな失敗を報告する芽を摘んでしまう。注意されたり、叱られたりすることへの恐怖から、 リーダーを神輿に担いでいれば良いという体質が生まれる。それは、トップの行動や発言が、必然的に「成功は失敗の元」 という風土を形成することになるのだ。
私がかつてシステムアンジニアとしてシステム構築をしていた時、ヒューマンエラーやオペレーションミスの発生は、 その人が起こしたことが問題ではなく、間違いを起こすようなシステムの設計・操作性にあると訴えた。
脱線した福地山線も、事故後設置された自動列車停止装置(ATS-P)が事前に整備されていたらと思うと残念である。
私は、以前から上手く行った報告は要らないと言っている。営業マンほど、自分の成果を報告したがりだが、 良くやっている営業ほど自然に耳に入るものだし、何よりも数字が物語っているから必要ない。それよりも、客から言われたクレームや、 問題提起のほうが遥かに重要なのである。
成功を促すような組織風土にするには、失敗の中から何を学ぶかを考えさせることだ。リーダーは、叱ることと怒ることの区別をして、 失敗を歓迎できる気概が必要である。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年10月25日 12:25