【堀田信弘の今日の語録】 2010年7月31日 『衰退の陰は、発展と共に常に忍び寄っている。』


リーダーについて  「活・喝・勝」


ブレインストーミング

ロッテが31年ぶりに日本一になった。このコラムでも何度か取り上げてきたが、勝因はやはりボビー・ バレンタイン監督の采配によるところが大きいだろう。

低迷していたロッテをここまで強いチームにし、球団のイメージまでも向上させたのは、野球の戦術のみならず、 バレンタイン監督の明るく陽気な人柄のお陰でもあるだろう。

開幕当時のインタビューで特技を聞かれた時「皆と一緒に楽しく仕事ができること」と応えていたのを記憶している。 自分の特技を聞かれて、ニコニコしながら、このような答えをする人は中々いないだろう。

以前から、私は、これからのリーダーの性格は、喜怒哀楽が豊かな人が良いと思っている。かつての総理大臣のように、冷静沈着で、 バランスを重視し、クールを装い、言語明瞭意味不明のつまらない言葉を並べているようでは、人の気持ちを引き寄せることはできない。

悪や強いものに激しい怒りを持ち、美しい花を見れば綺麗だと感じ、部下の家族に不幸があれば共に悲しみ、 難関を乗り越えられたときには共に喜ぶような豊かな感情が重要である。

中でも、ミスしても笑い話にするような明るい性格は重要だ。

例えば、新しいビジネス企画や、アイデアを募るような会議では、ブレインストーミングという創造的思考法が有効だと言われている。

ブレインストーミングでは、全員が同レベルにたって、参加者たちが自由に意見を出し合う会議だ。 価値があろうがならろうが意見を歓迎し、ホワイトボードにどんどん無作為に書き込んでいく。ここでは、それぞれの意見に対する意見は不要で、 思いつきも含め、発想を大切にするというものである。

リーダーがこのブレインストーミングの会議を上手く運営するには、リーダーの明るい性格が必須である。 リーダーが部下の立場に降りて行き、面白いアイデアがでるたびに、笑いを持って歓迎する。できれば、笑いで包まれるくらいの雰囲気に持って行ければ最高だ。

ビジネス界では、何かを生み出そうとする会議では、このブレインストーミングが効果的であるのは良く知られているが、 実際にはそう簡単には上手く行っていないのも事実である。

ブレインに似た言葉で、ブレイムという単語がある。

ブレイムストーイングは、ブレインストーイングとは正反対の「非難の会議」という意味である。

リーダーが、精神的に余裕がなかったり、苦味を押しつぶしたような顔をして会議に参加すると、意見を求めておきながら、 その意見を非難すると、次の意見が出なくなる。もちろん、会議の中でも、トップがリーダーシップをとって、決め事をしたり、 問題点を指摘するような会議の場合は、この限りではないが、企画をするような会議では、リーダーの明るさは必須なのである。

バレンタイン監督の明るい性格でなければ、「日替わり打線」に代表される「全員起用」は機能しなかったであろう。 厳しいだけの監督であれば、恨みや妬みも生まれ、同じ戦術でも違った結果であったかもしれない。

日々の練習でも、「練習のための練習」ではなく、実践を意識し、共に考える野球をさせた。ブレインストーミングの考えを取り入れ、 自由と自主を尊重した指導法は、ビジネスの分野にも通ずるはずだ。

かつて、西郷隆盛は、西南戦争で敗北が濃厚となった時、悲しみに暮れながら撤退する仲間たちに、冗談を言って笑わせたと言う。

リーダーは、共に喜び共に悲しむだけでなく、皆が悲しんでいるときに明るさや勇気を与えられるようになりたいものだ。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年10月27日 09:19