郵政民営化反対した人たちを天動説に例え、総選挙で地動説の正しさを証明するためにガリレオ・ガリレイを引用した小泉総理が、内閣改造を行い最後の第3次小泉内閣を発足させる。
そのガリレオは、教育の難しさについて、「私は、人に教えることなどできない。その人の中にあるものを見出すように手伝ってやれるだけだ」と言っている。
この考えは、今流に言えばワンツーワン・コーチングというものだ。
ワンツーワンと言えば、ワンツーワン・マーケティングが有名である。顧客ニーズの多様化に伴い今も最も注目される手法のひとつだ。
例えば、店舗販売であれば、お客様の記念日や前回購入した時のエピソードまできめ細かくデータベース化して、顧客一人ひとりのデータを把握することで、各顧客への対応を別々に異なって行うというものである。
一流ホステス嬢は、この手法を実に巧妙に当たり前のように活用していると聞く。
例えば、数週間も来店していない客がいれば、「ご無沙汰です」とメールを入れ、ゴルフの接待を予定していた客には「その後、ゴルフの結果はどうでしたか?」という具合に投げかける。
このように個別の対応を記憶し、記録することでワンツーワン用のデータベースが出来上がる。
少品種・大量生産の時代が終わり、多品種・大量生産の時代になると、このワンツーワン・マーケティングの考え方は、お客さま一人ひとりへのきめ細かいサービスと、それを通じて顧客に他社との差別化を意識される意味で、重要な方法である。
営業マンが新規訪問する時のちょっとしたテクニックとしては、訪問先の会社のホームページを印刷してもっていき、席に座ると同時に相手の目につくテーブルの上に置く、そうすることで、相手に我々のことを真剣に考えているというワンツーワンの心理状態を創出することができるのもひとつの例だ。
中小企業やニッチ商品のマーケットの世界では、マス・マーケティングよりも遥かにワンツーワン・マーケティングのほうが威力を発揮する。定型的なメールの配信より、市販の同報メールソフトを活用した一対一の対応のほうが顧客の購買心理を動かすことであろう。
このように商売の世界では当たり前のようになってきたワンツーワンという考え方だが、組織運営というリーダーシップの世界では、個人より組織重視という観点から、まだまだ十分機能していないようである。
ワンツーワン・コーチングの基本は、「人に教えることなどできない。その人の中にあるものを見出すように手伝ってやれるだけだ」という考え方である。
このガリレオの言葉は、私の部下"指導法"の原点だ。
私は学歴もないし、ずば抜けた能力もない、しかも全く偽りのない神のような人間であるはずがない。人前では、プラス思考で考えろと強がっていても、一人になれば寂しくなるし、公明正大に生きろと言っても自分自身がそうかと言えば疑問だらけである。
そんな人間が、口だけ立派なこのようなコラムを書いているのは、「私を見習って、私のような考えを持ちなさい」というような考えでは毛頭ない。
ただ、「私はこう考える」ということだけを書いており、それに対する反論も異論も歓迎だしそのことで議論をするつもりもない。だから、冷たいようだが、頂いたコメントには一切反論も同意もしないようにしている。
これも私のポリシーだから、それは違うと言われてもどうしようもない。
こんな人が管理職になり、経営者になって、立派な教え育てるという「教育」ができるはずもない。ただ、私の父が教育者であったこともあって、私にはその能力はないが、「教育」の大切さだけは理解しているつもりでいる。
それは、学校教育だけでなく、企業内の人材育成という観点からも重要だと考えている。
リーダーは、部下に「教え教わる」ことで、自分自身が学ぶ機会を得、部下と共に成長する。そして、リーダーの重要な役目は、部下それぞれに合わせた何かを考える機会を与えることなのだ。
「教育」というと身構えてしまうが、年齢であれ、入社年度の違いであれ、何はともあれ上司やリーダーとなってしまった以上、人に教えることなどできないが、それぞれの持ち味は引き出す必要がある。それが私の考えるガリレオ式部下"指導法"だ。
ニーズも多様化し、人も多様化している。だからこそ、ワンツーワンという考え方が、あらゆる分野で重要になるのは間違いない。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年10月30日 21:53