初デートの朝、恋人同士が交わす言葉は「おはよう」だ。会った瞬間に「おはよう」と言わないカップルが、その後順調に発展する可能性があるはずもない。
さらに、何度か会っているうちにマンネリ化してくると、自然に「おはよう」という言葉がなくなる。
「おはよう」という挨拶が続いているうちは、新鮮な関係が保てていると言えよう。
結婚し子供が出来ても、朝の「おはよう」という挨拶は大切だ。
親は、子供が小さい頃から「おはよう」と毎日声をかけていると、子供も「おはよう」と答える習慣ができ、やがて子供のほうから「おはよう」と言ってくるようになる。
組織でも、まず上司が率先して部下に「おはよう」と声をかけるべきだ。
新入社員のころは、上司が声をかけなくても進んで「おはようございます」と言ってくるが、上司が「おはよう」と言っていない組織では、やがて新入社員も進んで挨拶をしなくなる。
部下を持った人であれば、部下の顔を見て悩み事があるようだとか、上司の方針に不満があるようだとか感じるはずである。
特に、上下関係が上手く行っている間は、朝、会社の玄関の前で会ったとき、部下は上司のほうを見て「おはようございます」と言うはずである。
ところが、上下関係が上手く行かなくなると、部下は目を合わせようとせず、上司が先に「おはよう」と言っても小声で「おはようございます」と儀礼的に反応するようになる。
このような状況は、何人もの部下を持っていると、誰でも感じるはずである。
ある意味、このような状況が見られるのは、むしろ正常な組織である。上司が日頃から「おはよう」と声をかける習慣を持っている組織だからこそ、微妙な上下関係の変化が読み取れるのである。
ところが、こんな初歩的な組織文化を持っていない組織では、上下関係の変化に気づけないばかりか、上下関係が全く希薄な状態が生まれ、組織としての体をなさなくなる。
そのような会社では、上司も部下も誰も朝の挨拶がない。正確に言うと、朝一番に来た人と二番目に来た人は挨拶しないはずがないのだが、三番目以降に来た人以降の挨拶がなくなる組織だ。
例えば、トップの出勤が遅い組織、あるいはフレックスタイム制度のため、各々の勤務時間がバラバラな組織。あるいは、誰もが出勤時間を守らない組織。これは、時間の自由度が高い営業会社に多い。つまり出勤時間がバラバラであることは、挨拶のない組織になる危険を孕んでいるのだ。
しかし、だからと言ってそれだけで「おはよう」と言えない組織になるか否かは別物である。
居酒屋では、早番、遅番とアルバイトの出勤時間にズレがあっても必ず「おはようございます」という習慣が付けられている。
そのような習慣がついている居酒屋では、社内のルールだからと徹底しなくても、新人のアルバイトでも自然に挨拶ができるようになる。
学生のアルバイトだろうが、小学生だろうが人との挨拶が大切であることは誰しも理解しているはずだ。
人間誰もが理解しているはずなのに、それが出来ていない組織に入ると、いつの間にか挨拶のしない一員になってしまう。
「おはよう」と言うことができない組織なのだから、当然、「お先に失礼します」と仕事の終わりの挨拶などできるはずがない。
黙って事務所に入ってきて、黙って事務所を出て行く。
もはや組織として機能させることは困難な状況だ。
ただ複数の人が同じ空間で別々の仕事をしているようなもの。このような空間で横の連携、縦の連携といった組織が機能するはずがない。
トップの「おはよう」が重要なのだ。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年12月16日 17:28