堀田信弘の今日の語録
言わざる声を聞く耳をどう持つか、これが経営者の将来予測する力量なのだ。
自己資本。起業は、自分の会社のために自分のお金を出資することから始まる。これから起こりえるリスクに対し、 自らがそのリスクを持つ。
会社を作った最初の月の給料日。もちろん、売上金などない。自分が出資したお金の一部が、社員だけでなく、 自分自身の役員報酬として支払われる。ついこの間まで自分のお金であったものが、所得税や社会保険料などが引かれ、自分の手元に戻ってくる。
会社を作った人であれば、誰でも経験する背中がぞっとする瞬間だ。
以後、この背筋が寒くなる瞬間は、給料日のたびに続くことになる。概ねどの業種であろうと、最大の出費は人件費であろう。 その人件費に、自分の給料が含まれているのだ。自分さえ受け取らなければ、どんなに会社に負担にならないことだろうかとも考える。
学校を卒業したばかりの新卒者にする、「給料は誰からもらうのか」というお決まりの質問がある。
「給料はお客さまから頂いているんだ」と教えられる。
しかし、現実は、お客さまからもらえるようになるまでは、株主からもらっていることになる。複数の出資者がいるのであれば、 運用益を配当として渡すために預かった大切なお金を、生きるために使わせてもらうことになる。
その株主が自分ひとりであれば、自分のお金を自分に与えるようなものである。
真ダコは、エサがなく、空腹になると、自分の足を食べると言われている。
まさに、経営者とは、自分の足を食べるようなものだ。自分が多くの報酬を受け取れば、会社は傾き、報酬さえ受け取れなくなる。
経営者の給料は、一般の社員と違って、役員報酬という科目になる。役員報酬は、言わば自分の足である。ということは、 社員の給料のような単なる消化してしまう経費ではなく、預かり金のようなものではないだろうか。
消化してしまってはいけない給料である。
一年間の経営見通しを立てて、その見通しになることを前提に仮払いしているのが役員報酬である。 期末になってから少なすぎたとして特別ボーナスを支払えるのは、社員への賞与という形だけだ。役員へ払うには、 税引き後の利益処分となるから、事実上困難である。
だから、あらかじめ多めに払っているのが役員報酬である。成績が良ければという前提で受け取っているわけだから、 会社の業績が悪ければ本来は返さなければならない。
だから、消化してはいけない給料なのである。
真ダコを詳しく調べて見ると、食べた自分の足は、全く消化されないで胃の中に残されているそうである。どうやら、真ダコは、 エサがないから自分の足を食べていることではないことも判ってきた。
真ダコの足は、魚やカニなどに食べられたり、ちぎられたりしても、しばらくすると元の足に再生される。ところが、 自分で食べた場合には、再生されないそうである。
原因はハッキリしないが、どうも真ダコが自分の足を食べるのは、空腹からではなく、人間に捕獲されるようなときなど、 足だけを食いちぎられるだけではすまないような身の危険を察知したときに行うらしい。
つまり、自分の足を食べるのは、真ダコにとって自殺行為なのである。
自分の報酬が自殺行為にならないようにすることは、経営者には当たり前のことだ。社員から役員になったりすると、 給料が上がるとだけ考え、給料との違いを考えないことがある。それでは、経営者失格である。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年2月13日 09:10