ここ数週間、疲れていた。自分の考えがことごとく受け入れられず、認められず、反対され、先延ばしにされていた。やることなすこと、ブレーキがかかる。影では、不評ばかりが漏れ聞こえる。「どうせ、いつかいなくなるんだろう。」という雰囲気の中、仕事ばかりが増えて行く。
そんな中、福岡出張。
そして、博多の中洲を出たには、午前3時半。ホテルに戻る頃、空が明るくなっていた。
久しぶりに、ひと目惚れするような人と出会えた。
一睡して、痛い頭を抑えながら、夕べの、いや今朝のお礼を言いに会社に伺った。
その人は、私に、「オレは、"この人は"と思えば、真剣に付き合うよ。例え初めての人でも。」と言ってくれた。
夕べ、「オレよりずっと年下に優秀なヤツがいるんだ。オレは、そいつを会社のトップにしたいんだよ。」と真剣な眼差しで話してくれた。
「年なんか関係あるかい。年の上下を気にしているような小さな人を相手にして何が得するんだ。15才の浅田真央の演技を見て、凄いと思わない人がいるか。会社の中でも必ず凄いヤツはいるんだよ。何百人に一人しかいないかもしれないが、そういう人がいたら、誰よりも早く見つけるような会社になれば良いんだよ。」
「でも、100人中99人は、頭で凄そうと思っていても、認めたくないんだな。やがて、居たたまれなくて原石のほうが先に辞めていってしまうよ。ほとんどの会社はこれだから伸びないんだ。」
心に響く言葉を一杯聞かせてくれた。
私は、これまで"この人は"と思うような出会いがなかったような気持ちを持っていた。傲慢さがあり、"この人は凄い"と思う瞬間が中々感じるとことができないでいたのだ。
それなのに、たった今日会ったばかりの人から、「あんたは、何かをやりそうな気がするよ。」と言われ、嬉しいというより、なぜ、自分をそう感じ取ったのかを知りたかった。
「どうして?」
「オレもそうだったからね」
会社ではいつでも腹を切る覚悟で、大声を出していたらしい。
「でもね、フィギアスケートと違って、どんなに優秀でも、会社ではダメなんだよ。支えてくれる人がいないと絶対に上手く行かない。支えてくれる人っていうのは、弱点を補ってくれる人だよ。それは、上司でも部下でも関係なく、長所が発揮できるように影でフォローしてくれる人さ。」とニコニコして笑顔でありながら、目が真剣なのが印象的だ。
「オレは、自分が優秀だと思ったから、ダメになった。弱点を補ってくれる人どころか、敵ばかりできた。それで初めて気がついた。人を認めようと。」
心の中の何かがポッと熱くなるのを感じた。
私と、同じ考えを持つ人と会った瞬間。
私は、会社を作るとき、"若い人をフォローしたい"という強い願望を持った。自分がやってきたことを教えるだけでなく、自分がやれなかったことをさせてあげたい、長所を発揮できるようにしてあげたい、その気持ちが原点である。
不思議な感覚だった。
「出来る人は、出来る人を見つけられないようでは、出来る人じゃないんだよ。」
でも、現実は、自分を認めないというような人が周りに沢山いる。これは、今始まったことではない。ずっと昔からいつでも、同じような環境に身を置いていたような気がする。
なぜ、自分だけがいつも激怒したり、ヒンシュクをかったりするんだろう。黙っていれば良いのに、
どうしても些細なことでもダメなものは許せない。笑いながらする会議が好きじゃない。ネゴをしなければならない組織を望んでいない。
それをおとなしくしろと言われると、いなくても良いと聞こえてしまう。
どこか自分には何かが足りないのかも知れない。でも、直すことができないんだ。直したら、自分でなくなってしまうような気がするから。
やるだけやって砕け散る。そしたら、自分はフォローに回る。
自分を理解してくれる人は、必ずいる。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年3月17日 22:18