出処と進退。私は、部下に「こんな仕事をやってほしいのだが」と告げて、ある役職に就いてもらう時、「私はそのような器ではありません」と固辞されるケースは、100人中一人いるかいないかである。
その地位に魅力があれば、是非とも挑戦してみたいという勇気という名の喜びが、自分の背丈を見誤ることがある。
喜びの感情が上回ったとき、大抵の人は、出処、正確に言えば出世のことで頭が一杯となり、同時に起こり得る進退のことは頭の片隅にもない。
私は、以前、新任部長の研修のとき、「部長と言うポジションから下に下がることはない。上に上がるだけだ。しかし、同時にダメだったときはどうするか、それを考えられるようにすることが部長以上の仕事だ。つまり、出来なかったら自ら辞めろ。」と言った。
私自身は、ある役職などの地位に就くとき、必ず同時に"潮時"というのを考えている。出処するということは、同時に進退を決断できる人にならなければならないと思っている。
冒頭のとおり、出処を告げて、断る人はまずいない。出処は、人から推薦されたり、あるいは自ら手をあげて選ばれたりする。
何れにしても過去の実績などを評価されて、もっと上の仕事をやるという冒険だ。本来、上の仕事は、過去の実績では図りきれないから、その下のポジションでの実績が必ずしも上に行っても発揮できるとは限らない。
出処するとき、十分にそのことを考えているならば、本当はそう簡単にはその職位を受けられるものではない。
そのような安易な考えを持っている人に限って、進退のことなど全く頭にないと行っていい。
出処するときと違って、進退のときは、「その職を降りてくれないか」と言われることは余程目に余る結果が出た場合であって、通常は自分自身の判断に任されることが多い。
特に、社長のようなトップに就くとき、周りの人間に担がれてトップになることが多いが、降りるときはクーデターでもない限り、辞めるのは自分自身の判断以外、誰にも言われることはない。ましてや、オーナー社長のような誰も一切モノを言えないような場合には、よほど自分自身が"潮時"を考えていなければ、会社が傾き始めてきても全く気づかないし、耳にも入らなくなる。
他人から言われて辞めるのほど、みっともないことはない。
民主党の永田寿康氏。
どうせ辞めるのなら、もっと早く辞めるべきだった。少しでも辞めるという考えがあったなら、一刻も早く辞めれば、逆に株があがったかもしれない。それが、時を逸してしまうと、復活の目まで無くなってしまう。
一方、前原代表の辞任は潔かった。
今回の一連の事件をどうこう言うつもりは毛頭ない。責任を取るということが、イコール辞めることと言うのもいささか乱暴すぎるかもしれないが、地位に恋々とするタイプは、共通事項がある。
「今回の件は、色々な事象が重なった」「今回は仕方ない」など、結果に対する自分の責任を口にすることのないタイプ。全て自分が責任を取る覚悟がない人と言っていい。そのような人は、辞めないことで、事態の収拾を図ることが責任を全うすると考える。
理屈は正しいが、どんな理由であれ、結果を招いた責任はある、それを自覚できない人が事態を収拾できるはずもない。
地位に恋々とする人がトップに就いた組織ほど悲劇的なものはない。
年取って死なない限り、自分の後がまが育っていないと思い続けている。
自分が辞めたらこの組織は崩壊してしまうのではと勘違いしている。そのような組織に限って、周囲の人間は早く辞めてほしいと思っているのに、そのギャップを見聞きしようとしない。
辞めると言っても引き止められない状況に陥っている。もう一歩進めば、辞めろの合唱に事態は変わる。
どうせ辞めるなら惜しまれるくらいのときに辞めたほうが良い。
私は、以前の会社を辞めて、ちょうど2年が経つ。
辞めるときも、辞めてしまってからも、一切、元の人たちに正確な事情を説明する機会など持てるはずもない。辞めた後に、「逃げ出した」「裏切った」と言われても、なんら反論することもできなかった。
私は、責任を取って辞めた。
毎年の入社式の時、「会社はやりたいことをやれるフィールドを与えるところ、私はそれを実現するためにこの会社にいる。
フィールドを与えてもらえないと思うような人がいたら、私の負けだ。そのような人は、自己実現のための新たなフィールドをいち早く見つけたほうが良い。私はそのようなことがないように頑張る」と言っていた。
それができなかった。会社を変えることができなかった。
それでも一年間は悩み続けた。踏ん切りがつかない自分に嫌気がさし、次々に辞める若い部下の姿を見て、地位に恋々とするような人になっては行けないと思い決断した。遅すぎるくらいだった。
だからこそ、進退については、常に頭におけるリーダーになってほしいと考えている。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年4月 3日 09:09
前原代表は議員も辞任すべきだったと思います。あの局面で彼のとった行動は単に民主党に致命的な打撃を与えただけではなく国政の停滞と混沌を招きました。それは民主党に対する責任でとどまらないものだと思います。不祥事などよりはるかに罪が重い。彼のような判断力もなく(メール如き問題で政局をもくろむ)責任感もない志もない純粋培養の子供たちが跋扈する日本は先行き不安ですね。現在の自民党においても事情は変わらないと思います。
投稿者 saheizi-inokori : 2006年11月17日 12:49
ブログ拝見させて頂きました。
リーダーとしてのお考え、素晴らしと思います。
共感する点多々有ります。
私も一念発起で在宅起業を始めたばかりです。
堀田さんのブログ
これからも拝見させて頂き、励みにして行きたいと思います。
応援しております。
投稿者 “村さん” : 2006年11月17日 10:29
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