【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


組織について  「活・喝・勝」


役目と存在意義

連休中、時間がたっぷりあったので、犬小屋をリフォームすることにした。電気ノコギリを買った。
普通のノコギリでもやれそうなものだが、日曜大工素人の私としては、より簡単にできるだろうと電気ノコギリを買った。

不器用ながらも何とか完成。電気ノコギリは、見事に"役目"を果たし、予想以上に快適に作業ができた。

ビジネスの世界では、費用対効果という常識がある。この常識では、費やしたコストに対し、
成果がコストを上回ったかどうかがポイントになる。

そういう意味で、今回の電気ノコギリは、自分なりに成果があがったように感じた。普通のノコギリでは、太い木を切るのに時間もかかるし、体力も使う。それに対し、電気ノコギリは、一瞬のうちに切ることができ、しかも、素人でも満足するほどに真っ直ぐに切ることができる。

私にとって、時間はお金を出しても買ったほうが良いという考えがあるから、普通のノコギリでは、一日費やす予定だったが、半日で終えることができ大変に満足であった。

費用対効果の考え方は、人によってその様々なものがある。例えば、家に以前よりあったノコギリを使えば0円の費用で済む。だから、一日費やそうとも、体力を使おうととも一銭も使っていないから、できあがった効果を比べれば、電気ノコギリを買うよりも上だと考えることもできる。

つまり、価値観の違いがあるのである。

そして、もうひとつ別の見方をすれば、費やした費用に対する"存在意義"をどう考えるかが重要となる。

0円の費用ということは、コストに対する資産価値は0円ということになる。出来上がった犬小屋だけを見れば、材料費分の資産価値と、愛犬の満足感だけである。

ということは、もし、犬が死んだら、残された犬小屋は、"存在意義"を失い、資産価値は0円となる、ゴミだ。

価値観とは何かを考えてみる。

目的をもった"役目"が与えられ、その役目を果たしていることが"存在意義"。"役目"と"存在意義"は一体であり、その一体性が保たれているとき、価値があると言えよう。

犬小屋は、愛犬のために快適な空間を与える"役目"があった。その役目を期待し、機能している間、つまり、犬が生きている間は、十分な"存在意義"があったということになる。

電気ノコギリで言えば、犬小屋を作るという目的のために購入し、その"役目"は十分に果たした。その結果、犬小屋が完成したが、同時にその"役目"は終え、その瞬間、"存在意義"が無くなったことになる。

しかし、"役目"が変われば、再び"存在意義"が生まれることがある。

電気ノコギリは、犬小屋だけが作れる道具ではない。そこに"役目"が変われる可能性があるのだ。庭の花壇の整備に使ったり、物置小屋の修理や、本棚だって作ることができる。もし、犬小屋専用であったなら、"役目"を変えることができず、犬の存在に依存し、価値を失うことになる。

費用対効果で考えれば、普通のノコギリであれば0円と考えた人は、実は、以前にそのノコギリを買ったことを除外しているのである。

電気ノコギリは、その時は費用発生したが、次に花壇を作るときは、0円である。そこに資産価値があるのだ。

この考えは、組織作りにおいても言える。

まず、人には、やりがいのある"役目"を与える。これはミッションであり、責任を持たせることである。"役目"を果たしている人は、組織にとって"存在意義"があるということ。

"役目"を果たしていない人は、"存在意義"がないということになる。しかし、これは、犬がいなくなった後に残った犬小屋のようで、組織にとっては不幸なことである。

"役目"を果たしていない人には、二つのタイプがある。

一つは、"役目"を理解していない人、あるいは"役目"を果たす力がない人。組織として考えれば、これは本人の問題ではない。

上司の問題。上司が部下に"役目"を理解させる能力がないか、または、人を見る目がないため"役目"を間違った起用をしたということである。

極端に言えば、犬小屋を作るという目的のために、電気ノコギリではなく、電気ハブラシを買ってきたようなものだ。ハブラシは"役目"を当然果たせない。

二つ目は、"存在意義"を失った人。これは、上司の問題と、本人の問題がある。"役目"は目的が達成されれば"存在意義"を失う、そのことを頭に入れて、次の目的を考えなければ利用価値がなくなる。花壇もないし、物置小屋もなく、全く本も読まないため本棚もない人にとって、電気ノコギリは、犬小屋が完成した瞬間、存在意義を失い、無駄な道具となる。

これを買った責任は大きい。上司が、別の目的を考えられなければ、"存在意義"を失った人は、不幸となる。もっている能力を発揮できず、別の会社に移るしかない。

一方、本人の問題もある。"役目"を変えようとしても、専用の道具であったなら、転用が利かず、
専用として利用されるところに移るしかない。仮に、犬小屋作成専用電気ノコギリという特別な道具があったとして、別の転用は全くできないようなレアケースの場合、犬小屋ができたら、後は、リサイクルショップに売るしかない。

もしくは、そのような道具は買うのではなく、レンタルで済ませるだろう。これを人の例で考えたら、人の集まりである組織の文化など作れるはずもない。

会社の"役目は何か。会社の"存在意義"は何か、経営者であるならば、常に考えていなければ、変化することもできず、価値を失い、淘汰されて行く。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年5月 8日 10:02