先日、雑誌の取材でボクシング元WBA世界チャンピオンの畑山隆則さんと対談した。畑山さんは、スーツ姿で現れ、テレビで見ていた印象よりも小柄でとても温和な感じのする方だった。
先週の日刊工業新聞に掲載されたイージョブゴーの内容を中心に話は進んだ。
畑山さんは、熱心に私の話に耳を傾け、ニコニコしながら聴いて下さった。
ところで、最近、人の話を「聴く」能力について、個人差を感じるようになった。
最近ビジネスの世界では、当たり前のようにコミュニケーション能力が叫ばれている。しかし、その大半は、話す能力のほうに力点が置かれ、聴く能力については、あまり言われていない。
「聴き上手」という表現があるが、中には「聞き上手」と勘違いしている人がいる。「話を聞く」イコールこちらから話をしないで、黙って聞くと思っているようだ。
「人の話を聴く」というのは、タダ耳で聞くのと違って身を入れて聴くことである。身を入れて聴けば、自ずと相槌も出れば、同感も反感の気持ちも生まれるだろう。
聴くことができない人のタイプは、二通りある。
ひとつは、話をするタイプ。
社長や政治家に多い。
多くの社長たちと話をすると、彼らの特徴は、「人の話は聞かない」人が多い。聴かないどころか、耳にも入れない聞かない状態である。逆に言うと、人に話しをさせないといったほうが近いかも知れない。
これは、政治家も同様だ。個性を表現するために、聞くという守りよりも、話すという攻めのほうを重視しているのかも知れない。
不思議なことに、タダ耳で聞く人には、話が上手な人はいない。
つまり、もうひとつのタイプは、話が下手な人である。
話ができない人は、耳で聞いているように見えるが「聴く」能力は弱いと言える。正確に言うと、「聴く」という能力は、聴き出す力であり、相手に話をさせる力とも言える。
話が下手な人と話をすると、会話が続かない。相手に気持ち良く話をさせるには、ネタを振らなくてはいけないのである。自分が話下手な人は、耳で聞けても、聞いた結果を表現する力が乏しいため、聴いている状態が伝えられないのである。
このように「聴く」という能力は、人の話も聞いて、自分も話ができる力なのである。
「聴く」力は、営業マンにとって重要な能力だ。
商品を売り込むために、話をすることが仕事だと考えている営業マンが実に多い。私は、お客の状況を聴き出してくるのが営業マンだと思っている。課題、予算、決裁者、期限、競業先などを聴いてくるのが営業の仕事なのだ。
これを聴き出せる営業は、相手に話をさせながら、何気なく自社の商品をさらりと説明できているはずである。
野球で言えば、一方的に話をするタイプは、バッティングだけを行うDHのようなもの。黙って聞いているタイプは、守り専門のピッチャーのようなもの。本当の「聴き上手」は、4番でサードのような、攻守揃った人のことではないだろうか。
真のコミュニケーション能力とは、プレゼン力でもなく、スピーチ力でもなく、聴く力である。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年6月15日 09:17
聴くチカラというのは大切に思っています。
多分9割は聴くという事がコミニケーションを大きく左右するかと思います。最近時間をみはからって聴くことのトレーニングを積んでいます。そうでないとうまく聴けないと感じました
投稿者 太田立也 : 2006年6月19日 03:51
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