社員の夢は会社の夢にしたい。そういう考えから私は、会社を設立した。
「"夢"と"夢"の集合体を目指して。仲間の"夢"を共有する、それが私たちの"夢"です。」は、ドリームクラスターの経営理念である。社名の通り、ドリームクラスターというのは、夢の繋がりを表している。グループ内の理念や取り組みも、常に夢の実現を目指している。例えば、フリーランスター社では、これから独立しようとしている人への支援、あるいは既に独立している人には起業を目指してもらおうという取り組みがある。また、ソニックブラスター社は、「一人でも多くの技術者の夢実現の力になりたい」と技術者になりたい未経験者でも、年齢・学歴不問、書類審査なしで全員面接を行っている。
ドリームクラスターの経営理念は、DNAのようにグループ会社にも浸透しているのである。
私は、会社を設立するとき、社員の夢を叶えることができる会社を作りたいと思った。ひとりひとりの社員の夢を叶えることは簡単なことではない。難しいことだから、取り組む価値があり、それが会社の夢になると考えた。
社員の夢と会社の夢が相反することなく、共有でき、共鳴できれば、夢は限りなく実現に向かう。会社が目指す方向と、社員の生き方が別物であることは極めて不幸なことであり、それは会社にとっても不利益である。
地元志向が強い風土の会社では、東京進出などに強い抵抗を示すことがある。しかし、経営的には、東京に進出しなければ閉塞感を打開できないと考え、事業計画を発表するも、東京には行きたくないと社員がついてこない。さらには、「会社の理念に社員の生き甲斐を掲げているのに、なぜ社員が嫌なことをするのか」と言ってくるものまで現われる始末だ。社員の誰もが上場など望んでいないのに、社長がひとり「上場が目標だ」と叫んでも、誰もついてこない。
これらの現象は、社員の生き方と会社の方向性にギャップがあるからである。
言っていることとやっていることに違いが生じているのである。
社員に会社が目指すべきものが明確に打ち出せていないのか、打ち出したとしてもトップの生き方に共鳴できないのか、何れにしても社員の夢と会社の夢が反しているから力が結集できないのである。
「私はその経営方針と、私の生き方が違う」というようなことを聞いたこともあった。こういう場合、経営者がやれる方法は二つだ。ひとつは、その社員は放っておいて、「私がやります」という社員を優先する。もうひとつは、そのような社員はクビにする。
私なら、後者を選ぶ。
何故なら、100人のうちたった一人のわがままを許せば、残りの99人も同じようなことになりかねないからだ。そのたったひとりの社員の夢はどうなるのかという反論もあるだろう。夢を持っているひとりの社員をクビにすることは、社員の夢を実現するということと矛盾が生じるのではという疑念だ。しかし、私は、クビにする。
社員の夢は会社の夢だ。社員がどういうことをしたい、社員が難しいことに挑戦する夢を何とか実現させたいと考えるのが会社の役目である。社員ひとりひとりの価値観は様々であるから、夢の内容も様々であろう。しかし、共に仲間と呼べる同じ環境で生活を共にする以上、その夢は会社の発展に繋がらなくては意味がない。
言葉尻だけを取って、社員の夢を"家を買いたい"や"高級車がほしい"などという欲求と混同されては困る。その夢は、会社の夢にならないからである。
経営理念に基づいて作られた経営方針であるとすれば、経営理念に共鳴して入社したはずの社員が、私の生き方と違うと言えるのはあり得ない。もし、その社員が十分に経営理念を理解していないのだとしたら、それは経営者の怠慢である。その社員が不幸である。
トップが、自ら掲げた理念、方針通りの生き方、考え方を持っていれば、経営理念の意味を言葉で説明しなくても有言実行で浸透するはずである。社長だけが金持ちになろうという下心があれば、どんなに素晴らしい言葉で書いた経営理念でもインチキにしか映らない。そんな状況に陥ると、たったひとりのわがまま社員がいても、クビにすることはできないはずである。何故なら、自分がわがままなのだから、毅然とした態度は取れないのである。
クビにすることは、不幸にしたくないからでもある。
会社が目指すべき方向と自分の生き方が一致していれば、少しくらい辛いことでも、一生懸命に取り組めるはずである。しかしそうでなけいとすれば、仕事が辛いだけで、成果もあがらず、その結果評価も低くなる。それは不幸なことだ。いち早く、自分の生き方にあった会社を探したほうが良いというのが私の考え方である。
本気で夢を叶えるには、それなりに努力しなければならず、辛抱もし、踏ん張ることができなくては成就しない。
だから、夢と"車がほしい"などと言った欲求とは違う。
私は、社員の夢を叶えることができる会社にしたいと思っている。その夢に向かっている私は、辛いより楽しい。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年7月23日 09:29