【堀田信弘の今日の語録】 2010年7月31日 『衰退の陰は、発展と共に常に忍び寄っている。』


求める人材  「活・喝・勝」


経営は理想であり現実である

企業に必要なことは、人材である。人事でよく言われる2:6:2の法則では、2が生産性が高く、6が普通、残りの2は生産性が低いとある。どんな大きな組織であっても、このような配分になるそうである。

私は、この法則が正しいかどうかは別にして、上位と中間と下位があることはこれまでの経験で実感してきた。概ね、30人程度を超えた組織あたりから、3つの分類が起き、上と下とでの格差がはっきりしてくる。

そのため、このような組織規模になった時、人事制度や評価制度が必要になるわけだ。

私の経験では、100名を超え、複数の中間管理職を置くような組織になった時と、それ以前の組織では、全く考え方が違うと思っている。

100名超の組織では、簡単に言えば、優、並、劣という分類にならざる得ない。

その時の評価制度は、300人以内であれば、1:8:1で良いと思う。300人超であれば、2:8:2でも良いが、それより小さい組織で、2の優は多すぎる。小さい組織で2を優の位置づけとすると、さらにそこを最優秀と優秀に別けざるけないことがおきる。そうなると、3段階評価でなく、5段階、あるいは並を再分割しようとするからそれ以上になる。

ではなぜ1で十分なのか。優の定義は、企業によって違うだろうが、300人以下の組織では、最も優秀なもの、つまり最優秀だけを最優遇すべきだと思う。年齢に関係なく、抜擢し、社長の右腕になれるような教育をいち早くすべきだと思う。それが、2割を優とすれば、それだけ思い切った優遇制度は設けられず、しかも、並との境目にいる人たちからは、不満が出る。

不満が出るから、優遇できなくなる。優遇できないのであれば、そのような評価制度は必要ない。評価するということは、優遇するための制度な訳だから、特別扱いをしても納得されるものでなければならないのである。だから、極めて数少ない希少な優の人だけにすべきなのである。そもそも300人の組織で、1割と行っても30人にもなり、それらが全社を代表する極めて優秀なものかははなはだ考え難い。もし、そうだったら、経営者は人材不足に悩むことはないだろう。

それと、並については、細分化すべきではないと考える。

並が最も大きい分布をとる訳で、その中を細分化すれば、他人のこと気にし、不満が出るに違いない。そもそも並の分類を分割してどんな意味があるのだろうか。並の中も上と下がいると考えるからおかしくなる。並は並であって、上も下もなく、少なくても優でないことははっきりしているはずである。

私は、2:6:2の上下2に対して、成果主義を取り入れ、6については、年功序列でも能力主義でもどちらでも良いと思っている。全体が成果主義を取り入れることは全員が同じ仕事をしていない限り極めて運用は難しいからである。

それより、さらに考えなくてはならないのが、配分よりも2:6:2の意味である。

100人超は、優、並、劣という成果型にならざる得ないが、それ以下の規模では、私は精神型が重要だと考えている。

小さい組織で、優、並、劣というような成果を求めても、成果に対してそれほど大きな差が生まれないからである。もし、30名の営業会社で、1番の人と30番の人で、どれ位、受注成績に差がでるのだろうか。2、3倍程度であれば、成果型を導入する必要ない。なぜなら、その中間にいる並の人とは、2倍以内になるからであり、並との差はそれほどないからである。もし導入を可能とするならば、フルコミッション型の仕事であれば可能であろう。1番と2番でも売上の差があって、そのわずかな差でも給与に反映するなら良いだろう。

フルコミッションでないならば、精神型を勧める。

理由は、小さな組織に、並の人の何十倍もの成果をあげるような人が入社してくることは稀であり、社長も含めて並みの集団なのだからである。小さなコップの中で波を起こして、返って水がこぼれるようなことをするよりは、少しでも、長く一緒に働いてもらう環境を作ったほうが遥かに組織が強固になるからである。

精神型にも色々あるが、会社ができたばかりのアーリーステージでは、社長の考えを最も支持してくる人を上とすべきである。どんなに優秀であっても、反発心が強く、社長と意見が合わない人は、いずれ分裂するだろうから、アーリーステージでは会社の特徴が出しにくくなり、むしろ邪魔になる可能性があるからである。

アーリーステージの小さな会社では、採用が極めて難しい。優秀な人材が来れば良いのは勿論だが、こちらが選べるような段階にない。選んでくれた人を採用せざるえないのである。だから、私は、どんな人でも採用しろと言っている。選べるようになるまでは、社長が社長の特徴を出して、社長の色と会社の色を一致させることが重要なのである。そうして、いずれ人が増えていけば、それなりに優劣が出てくるから、それからで良い。それまでは、社長は、できない人をどう使うかを考えるべきなのである。

設立5年以上経った会社でも、小さな組織では精神型が良い。この時期の会社は、アーリーステージと違って、成果主義までは行かないまでにしても、一生懸命やる人と怠ける人がハッキリしてくる。しかし、この程度であれば、成果主義は不要である。アーリーステージよりも、多少人材を選べるようになったとは言え、優秀な人が必ずしも会社を愛しているとも言えないからである。社長に対して不満をもっているかも知れない。

そのなことを無視して優劣をつけるのが、成果主義型であるから、小規模の組織ではもめ事が多くなる可能性が大きいのである。それよりも、私は、この時期には、単純に時間数だけでも良いから、一生懸命に働く人を上位とすべきだと思う。残業代がかかるという論理は置いておいて、その行為が愛社精神、あるいは仕事の内容に誇りをもっているというものからくるのであれば、能力や成果に関係なく頑張った人を評価すべきである。この規模の会社の社長にとっては、一生懸命に働く集団にすることが最も大切だからである。

このように、人事や採用というのは、会社の考え方が一番表れるところだ。社長自身が身の丈を知り、会社の規模を理解して、丈にあった方法を取らないと、経営は理想では動かない。大きな会社の部長だった人が、独立して小さな会社を経営するときは、大きな会社のときのことは忘れるべきなのである。

経営は理想に向かうものであり、理想を追いかけるものである。しかし、それは、現実を一歩づつクリアーして理想に近づけることなのである。経営は理想であり現実である。理想だけでも行かないし、現実だけでも行かない。理想があってこその現実を打破する視点が重要なのだと思う。そのためには、現実を真剣に受け止め、それを受け入れるところから始まると考える。全ては、理想のために。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年9月 4日 07:42