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リーダーについて  「活・喝・勝」


先頭に立つ勇気

私は、かつて、管理職をリーダー職とマネージャー職とに分割し、役目を別けて、それぞれの特性を活かそうとしたことがある。リーダーとマネージャーとの違いは、このブロブの中でも何度となく、書いてきた。

リーダーとマネージャーは、明らかに異なるものであり、それを理解しないで、管理職を設けるのは、とても危険なことである。

私のかつての失敗は、その明らかに異なることに着目はしたものの、それはゼロからの改革ではなく、改良という小手先にしか過ぎなかったことだ。まだ、15年ほど前は、まだ年功序列的な考えが残っており、バブル崩壊と共に、リストラの嵐が吹こうとする直前だった。リストラ(正確にはリストラクチャリング)と言えば、単に解雇のことと誤解されていえるが、組織を再構築する企業再構築のことである。

企業再構築とは、ゼロから組織や部門を見直し、過去の慣例やしがらみから脱し、本当の意味の適材適所を作ることである。必要な場所に、必要な人を配置する訳だから、それまで所属したいた部門が心地よく、そこを動きたくないと思っている人にとっては、苦痛を伴うこともある。場合によっては、その人を必要とする場所がなければ、解雇ということもあり得るのである。

私もご他聞に漏れず、やることなすこと社内の反対にあった。若かったせいもあって、感情的になることもしばしばで、説得したり、根回ししたりすることが大嫌いだったから、反対意見には耳を傾けようとしなかった。どうやらこの性分は、今でも変わっていないようだが。

しかし、そう言う私でも、日産のゴーンのように、大胆に事業所を閉鎖し、何万人もの社員を解雇するなどできなかった。つまり、反対意見が出ることはある程度承知しており、その上で、「日産よりは厳しくないのだから甘い」という気持ちがあったからだ。

私の行ったリストラは、企業再構築という改革ではなく、破壊せず温存させた改良に過ぎなかったのである。私は、私がやっていることに納得が行かなかった。妥協の産物で生まれた改良案にすら反対意見が出て、しかも、明らかに管理職に向いていない、あるいは相応しくない人が、マネージャーであれ、リーダーであれ温存することになったのである。

もし本当の意味でのリストラを行ったら、管理職は十分の1に出来ただろう。その当時、30人近い管理職がいたから、3人で十分であった。

私は、分類したマネージャーとリーダーという職種を、実際にその役目を別け機能させるには、本当は大企業でなければ意味を持たないことを知っていた。そのため、実際に運用しても、権限が重なったり、違いを明確に出せなかったり、リーダーがいない部門があったりと、現場は混乱した。それを承知の上で導入したのは、既存の管理職を温存しつつ導入した結果だからである。当然、失敗した。

今振り返れば、企業の大小に関わらず、その企業に本当に必要な管理職を配置すべきだったと反省している。それと、本当は、小さな会社では、マネージャーは不要であると痛感している。

今になって思えば、大きな会社でもマネージャーは本当に必要なのか疑問である。ポストの数を維持させるだけのソフトランディング的なリストラに過ぎない。恐らく通常の会社では、私がやったようにマネージャー職とリーダー職を別けているところは少ないであろう。最近では、非管理職として専門職を優遇するようになったが、管理職の中にマネージャーもリーダーも混在しているはずだ。そのような組織の犠牲者は、マネージャーの下についた部下である。

私の考えるマネージャーは、組織のトップに立ってはならない。人の心に火をつけやる気を出し、時には叱ったり、大きな声で褒めてあげたりして、組織を率いるのがトップの役目である。課や部のような例え小さな組織の中間管理職であっても、その人がラインの長であれば、それはリーダーでなければ部下は不幸だ。

部下の顔色を見て、部下の嫌われないような形式的なことしかできない人、本当に部下のことを考えているとは思えない。そんなリーダーシップが取れない人は、組織の長になってはならないのだ。

私は激怒する。組織の先頭に立つ勇気がない人が、組織の長として、淡々と事務処理を行っている姿を見ると、つい感情が爆発する。私に権限があるのなら、即刻事務部門に異動させるものだ。

過去に経験した失敗に対し、痛烈な反省をしているからこそ、トップが悪いがために部下が成長しない組織になって行くのを許せないのである。部下は、ゆでカエルのように何も気がつかないまま、使えない人間になって行く。元は、そのトップが悪いのに、その結果部下がリストラ、解雇の対象になる。トップがマネージャーだからだ。

先頭に立つ勇気、これがないのなら組織の長は降りるべきだ。先頭に立って市場を切り開くのも、先頭に立って矢面になるのも、先頭に立って部下に次々に指揮をするのも、全てリーダーの心構えがないと出来やしない。

先頭に立つには、それなりの覚悟がいる。肩書きだけの勇気のない軟弱者は、部下に失礼だ。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年9月18日 18:55