学校でのいじめ問題が世間を騒がせている。そのいじめ発生の原因に、学級崩壊がある。都留文科大学の河村茂雄教授(心理学)の調査研究によると、”友達感覚”の優しい先生との馴れ合いの末に秩序が崩れる「馴れ合い型」の学級崩壊が都市部の小中学校を中心に急増しているそうだ。
そもそも教師は、勉強を教えるだけでなく、社会のルールを指導するのであって、子供と友達ではない。
教師と生徒が馴れ合いになると、4、5人単位の小集団がいくつも生まれ、ひとつのクラスがまとまりなくなり、集団がいくつかの群集に変わる。子供達は、それらをグループと呼び、お互いの共通の敵を持つことだけで、グループの和が維持される。ガラスのようなそのグループは、一旦壊れると、いじめていた側はいじめられる側に変わる。
それもこれも、秩序を乱す原因を作った教師の責任が大きい。
この”友達感覚”という現象、学校だけでなく、様々なところで起きている。
身近なところでは、家庭の中。
母親と娘の関係。叱れない親の姿は、子供から見れば叱らない親に見える。小学生までは、とても上手く行っているように錯覚するが、やがて中学生から反抗期に入ると、一変し家庭内暴力に発展したりすることもある。
ビジネスの世界で言えば、コンビニや居酒屋などのチェーン店での店長と従業員(アルバイト)との関係。入社したてのサラリーマン社員である店長が、アルバイト従業員と年齢が近いため、厳しいルールを徹底させることができない。こんな話を飲食店の店長から聞いた。この”友達感覚”という現象が起きている店の成績は当然悪いそうだ。
全国的に店舗展開しているチェーン店では、この”友達感覚”という現象が、都市部より地方で多く発生しやすいという面白いデータもある。
いわゆる村社会の体質である。「まぁ良いか」「ちょっとぐらいなら良いよ」と言った軽い感覚が、じわりじわりと組織を弱くする。店長を上司として見なくなると、まず最初に私語が増える。店の一箇所に何人かが集るようになって、共通の敵であるお客の悪口を言うようになる。
”友達感覚”は、今やあちこちで当然のようにはびこるようになった。
なぜか?
社会の最小の組織は、家庭である。この家庭の中で、親と子という関係が築けていないからだ。店長にしろ、教師にしろ、”友達感覚”が良かれと思っているタイプは、何れも家庭の中でも”友達感覚”で育っている。叱られたことがない。叱られたくない、だから叱り方を知らない、叱れない。叱ることで、関係が壊れるのを恐れているのである。そんな人が、店長であれ、教師であれ、人の上にたって指導ができるはずがない。
馴れ合い組織は、必ず崩壊する。
馴れ合い組織は、組織ではなく、単なる人が集ったグループにしか過ぎないからだ。組織にあらずだから、崩壊して当然である。
それでも”友達感覚”が正しいと考える人は、人の上に立たないで、友達でいれば良い。”友達感覚”で上に立つのは、下の人間をバカにしている。部下をダメにし、子供をダメにする。
馴れ合い組織は、必ず崩壊する。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年11月24日 08:07