【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


教育について  「活・喝・勝」


ホワイトゴールド型組織

創業して間もないアーリーステージの企業は、即戦力をほしがる。教育して育つのを待つ余裕がないから仕方ないことである。しかし、できることならそれは一過性と考え、いち早く新卒者を受け入れられる会社にしなければならないと私は思う。

ホワイトゴールドという宝飾品に使われる合金がある。金を主体とした白い合金である。第一次世界大戦後、プラチナの生産が大幅に減少したことからその代用品として開発された。金は柔らかく加工しやすいが、ホワイトゴールドはニッケルなどが入っているため硬い。そして、ホワイトゴールドはプラチナよりも安くリーズナブルな素材なのである。

組織で考えたとき、プラチナというのは、中途採用者のことだ。即戦力だが採用費用は高い。金は、加工しやすい新卒者の新入社員だ。金だけでは強い組織にするには時間がかかる。

その両方を混ぜ合わせるホワイトゴールド型組織は、私が理想に思う形だ。

ホワイトゴールドには、18金ホワイトゴールドと14金ホワイトゴールドがある。18金ホワイトゴールドとは、75%の金と、ニッケルやパラジウム、銅、亜鉛などその他シルバー系が25%混ざっている。14金ホワイトゴールドの場合は、58.3%が金である。

アーリーステージの企業は、プラチナ100%からスタートすることが多い。

私の会社もそうである。昔の仲間や中途採用者でスタートした。しかし、プラチナだけを集るのは容易なことではない。どこの企業も手っ取り早くプラチナを求め、次から次へ使い捨てすることが当たり前になって行く。

日本が高度成長期を遂げることができた要因のひとつに、終身雇用制がある。終身雇用制の時代は、中途採用者は少なく、ほとんどの会社が新卒者を採用して育てた。どんなに小さな会社でも、地方からの集団就職を受け入れ、教育して育てた。

その結果できあがったのが、企業文化である。

新卒者という金の卵は、柔らかく、素直で、無色だ。その卵を金にするのもしないもの会社の教育体制にある。どの企業も新卒者を如何に早く一人前にするのか必死で競った。だから、日本の企業は強くなったのではないか。

文化をもった企業は間違いなく強い。何色であろうが、色を持った企業は他社との差別化が鮮明にできる。

しかし、終身雇用制は、年功序列という弊害もあわせ持っていた。この弊害のため、社内競争を無くし、対外競争もできなくなった。そして、米国流の競争原理に敗れ失速した。

そこで登場したのがリストラ。大企業に安住していた社員が、中小企業に流れるようになった。中小企業では、中途採用という形で大企業出身者を採用できるようになった。雇用が流動化したのだ。

挙って中途入社を採用するようになった。

即戦力だから、教育の必要はない。

教育をしないと、文化を形成することは不可能だ。教育とはテクニカルな教育だけでなく、どのように、どういった教育を行うのか、教育に対する経営者の意識そのものが文化を作るのである。テクニカル教育を社員教育と考えている会社で、企業文化は形成できないのである。

中途採用者は、他社を経験しているから、その経験を活かそう、反面教師にしようとする前向きな気持ちを持っている。それを上手く引き出せれば、中途採用者の意見は会社を成長させる原動力になる。でも、ニッケルやパラジウム、銅、亜鉛など様々な素材が揃うと、それぞれが反発することもあれば、むらが出て上手く混ざり合わないことが起きる。

それぞれが経験を主張しだすと、片方を取れば片方が立たないことになる。昨日までやる気漫々だった社員が、急に上司に反発するようになったりする。

色々な人種が存在する多国籍型の組織、これはこれで悪い考えではない。ただ、理念を共有し、強力なリーダーシップがなけれまとめられないことも事実だ。

基本的に私の考えは、多国籍型の組織を望んでいる。しかし、それは、決して100人が100様のことを意味するものではない。日本人が中心にいて、様々な人種の人々が働いている姿が望ましい。

言い換えれば、新卒者が中心にいて、様々な経験を持つ中途採用者がいる。

ホワイトゴールド型組織だ。

最初は、14金ホワイトゴールドを目指せば良い。概ね50人前後の組織が目指すべき姿だ。 50人中30人を新卒者にできたなら文化の芽が生まれる。そして、100人規模になったら、18金ホワイトゴールドを目指す。

100%中途採用でなければ、100%新卒者でもない、どちらかと言うと新卒者が多いほうが柔軟であり、それでいて強い組織と考える。

しかし、中々できるものではない。だからこそ目指す意味がある。目指しているのと目指さないないのでは意味が違う。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年11月 3日 22:46