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企業経営について  「活・喝・勝」


ファブレス経営のススメ

日本の経営は、これまで垂直統合型だった。商品を企画する部門、それを製造する部門、そして、できあがった製品を商品として販売する部門。川下から川上までそれぞれをマネージメントし、それぞれの意見を上手く取り入れることで統制されてきた。

IT業界でも、元々電機メーカであったところが、コンピュータ製造にも進出し、そして、ソフト開発まで行うようになった。電機メーカの一部門が、システムインテグレータ兼、パソコンメーカ兼、アプケーションベンダーになった。その結果、巨大企業が誕生した。これは松下幸之助が提唱した事業部制の成功例であり、問題点であると考えられる。

今や、世界の経営は、水平分業型に変わっている。

パソコンで言えば、OSはマイクロソフト、CPUはインテル、ソフトは各アプリケーションベンダーが開発している。

そして、水平分業は、多くのベンチャー企業が成功しているファブレス経営に移っている。

ファブレス経営とは、製作・組立などの生産現場(工場)を持たない企業である。最も得意な水平要素に注力し、それ以外の業務を徹底してアウトソーシングする。日本ではキーエンス社がファブレス経営の見本ではないだろうか。

そもそもベンチャー企業において、アーリーステージの経営とは経営者の動きである。つまり、経営者の動きそのものが企業の動きと言って過言ではない。

ならば、人には、得意なものもあれば苦手なものもあるのが当然である。営業が得意な人もいれば、経理が得意な人、技術がある人など様々だ。可能なことならば、様々な能力を持った人が結集して、分担して経営にあたるのも良かろう。

しかし、一般的にアーリーステージの段階で、分担して経営にあたる共同経営の形は、責任が曖昧になり、指揮・命令ができなくなり、統制が取れなくなることから好ましくない。

ファブレス経営では、製品の企画あるいは営業といった非生産部門に、人・金・モノの全ての経営資源を集中させ、経営者自身が最も得意な分野で力を発揮しようと言うものである。経営者にとって、最も得意な分野では、当然その組織をマネージメントすることも得意であるので、強い組織を形成するのが容易になる。

それに対して、苦手な部門や経験のない業務をマネージメントするとすれば、別の人にマネージメントを御願いせざる得なくなる。すると、その部門は、自分のコントルールが効き難くなり、任せた部門長を信頼せざる得ない。任せた人との極めて強い信頼関係があり、かつ、その人が強い組織を形成する能力を持っていれば、何ら問題ないが、中々難しいものである。

ファブレス経営は、そんな当てにもならないような机上の役割分担を最初から捨てている。企業と企業と言う契約のほうが、人と人との雇用契約よりももっと高い信頼関係が築けると考えている。売買契約であれば、何度でもやり直しを指示できるし、ダメなら契約を破棄できる。人情を超えて、お互いに真剣に付き合わなければ、企業間の場合、直ぐに仕事がなくなるという緊張感がある。

しかし、任せた仕事は、それを専門に行う会社である。自社内で育てるよりも、既にプロの集団を形成しているところに、アウトソーシングしたほうが値段の問題以上に、より優秀な製品を生産することが可能である。

わが社も、このファブレス経営的な考えを取り入れ、水平分業型を志向して行きたいと考えている。しかも、社内に、様々な事業を行う部門を持たせ、経理が強いところ、技術が強いところ、営業が強いところなど、それぞれが組み合わせて強くなりたいと願っている。

社長というのは、あらゆることができる必要はない。できるものとできないもを見極め、できないものをどのように補完するか、それを考えるのが社長だ。もちろん、経営者というのは、あらゆることを知っている必要はある。何か問題があった時に、知識がなかったではすまされない。そのためには、多くの知識を持ち、勉強もする必要があるだろう。しかし、専門家にはなれないのだから、可能な限り専門家に任せたほうが良い。

特に、小さな会社、アーリーステージの会社は、ファブレス経営と同様に、間接部門レス経営を目指し、直接部門に経営資源を注力すべきである。

そして、複数の異なる能力を要求されるようなマネージメントは、スーパーマンでなければ一人の人間ではマネージメントできるはずがない。大企業でないのだから、経営者自身が最も得意な仕事に傾注すべきである。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年11月11日 14:40




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