【堀田信弘の今日の語録】 2010年9月 3日 『 左手と右手は、矛盾だらけだが、決して片方が無くなっても良いと言うものではない。矛盾の両輪は、私の目指すところ。』


リーダーについて  「活・喝・勝」


意味と意図と意思

人は、言葉を通じて、その人の心の中を推測しようとするものである。

最近私は、ブラックジョークというものにほどほど嫌気を指している。人の欠点や気になる点を面白おかしくして、笑いを取ると言う手法。突っ込みをして、ボケないことで笑いを取るという手法。何れも、人を上から見下ろすやり方だ。

小学生のいじめの始まりはこんなところから起こる。いじめている側は、いじめているとすら感じていない。単純にからかっているだけで、仲の良い印とさえ思い込んでいる。いじめられる側といじめる側の心のギャップは、まず言葉の意味から始まる。

人が発した言葉は、嘘であれ、冗談であれ、本気であれ、一度発せられた言葉は、何らかの意味を持つ。

「その顔が面白い」と言われたとする。

「その顔が面白い」の意味は、その瞬間の顔が滑稽な顔をしているという意味だ。この言葉にそれ以外の意味はない。でも、その言葉が発せられる前後の流れや、発せられた瞬間の表情、表現、雰囲気などで、同じ意味でも、何を言わんとしているのかという意図が変わってくる。

「面白い」という意味は、単に滑稽だという意味意外に、「実に面白い」というような大変興味深いという意味にも取れる。それはある意味で褒め言葉なのである。

でも、言われた側は、言った側の心理とは関係なく、一方的に「顔が面白い」の意味を察知する。

口は災いの元と言われる。まさに、何気ない言葉が、相手を傷つけたり、相手を怒らせたりすることを表している。

だから、どのように受け取られるのか判らないことを前提に考えて言葉を使わなくては、言葉というのは大変危険なものになるのである。

ましてや、リーダーたるもの、言葉の持つ力は極めて大きいことを知る必要がある。単に、言葉は、意味を表すのではなく、リーダーの意図を示すものなのである。

言葉の意味を「音」と例えるなら、言葉の意図は、「頭」だ。頭の中を言葉によって、図で表したようなものと言えよう。「私は、なぜそう考えるのか」と言うことをひとつの言葉に対して解説することで、その言葉の持つ意味を誤った解釈がされないよう導くことである。

リーダーが意図を示すということは、言葉や文として表現された経営理念などを浸透化させるような場面が該当する。具体的な例や、自分の体験、これからの展望など様々な角度から自分なりの経営理念の解釈を説明することで、経営理念を正しく、深く理解してもらおうとする姿勢の表れである。何度も、何度も、しかも色々な工夫をして、自分の頭の中にある図式を身振り手振りで表現することが、リーダーが意図を示す行為なのである。

リーダーが意図を示さなければ、勝手に解釈されたり、誤解を持って方向性がズレたりする可能性が生じる。だから、リーダーの意図の表現力は極めて重要になるのだる。これで、言葉の持つ意味が、より鮮明に具現化されのだ。

具現化されれば、リーダーが何を考え、何を目指している人なのかを部下は、理解することができる。私がこうしてブログに私の考えを書いているのも、その理由のほとんどは、社員に向けたメッセージなのである。それは、私がどんな人間か少しでも理解してほしいという願望からに他ならない。

しかし、人を動かすには、理解されるだけではダメなのだ。納得されなければ行けない。例え意味が理解できても、その考えに納得できない、支持できないという感情を持つのもまた人間なのである。

頭の中を図式で表し、一生懸命に説明しても、考え方は把握できても、その考えが嫌いだと思われれば、人は動かない。最終的に人が動くのは、心によってしか動かないのである。

リーダーは、意図を示すだけでなく、意思を示すことが最も重要なのである。意図が「頭」の表現であるならば、意思は「心」の表現だ。「自分がなぜこう考えたのか」という理論的なものではなく、「私はこうしたいのだ」という思いを伝えることである。

時に、意思は、パッション(情熱)の表現でもある。パッションがあれば、言葉の持つ意味がどうであれ、意図がどうなっていようとも、その情熱に人は引き付けられるものである。理屈、屁理屈を並べて論理的に意図を説明するよりも、感情をあらわに、短い言葉でありのままの気持ちを表したほうが伝わるものである。

心が伝わるのなら、その言葉の持つ意味など吹き飛んでしまう。

「その顔が面白い」と硬い握手をしながら、激励されたなら、受け取り側は、「やる気が認められた」と認識することだろう。

心の表現力が乏しい人は、一生懸命に意図を説明し、誤解を生じないようにすることだ。それができないのなら、ブラックジョークの意味に取られるような言葉は慎むべきである。意思、意図、意味の違いを今一度考える必要があろう。

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投稿者 :堀田信弘: 2007年1月 7日 08:17