家族は最も大切な存在だ。今年の夏は、ショパンが生まれ育ったポーランドに家族旅行をする計画をしている。
ポーランドで是非訪問したいのは、オシフィエンチムという小さな町。オシフィエンチムは、ドイツ語でアウシュヴィッツと言う。1940年にナチス・ドイツによって建設された人類虐殺所であるアウシュヴィッツ収容所がある。1945年までの5年間で約150万人以上がここで犠牲になった。
子供たちには、尊い命の犠牲のもとに、現在の平和があることを知ってもらいたいと思っている。
アウシュヴィッツでは、毒殺や虐待などで亡くなった人だけでなく、大量の人が自殺をしている。死の恐怖から逃れようと、発狂し、遂には自ら死んでいった。アウシュヴィッツで生き残った人の多くは、家族がいる人であった。家族を既に失ったり、独身であったりした人ほど、自殺の道を選んだという記録がある。
小さな子供が傍にいれば、その子をおいて、死に急ごうという気持ちにはならないのだろう。最愛なる妻や夫が傍にいれば、励まし合って望みを得ることができるのであろう。
家族の大切さを見てこようと思う。
家族とはどんな存在だろうか。
世間では、家族中心主義というような風潮が生まれている。時には、他人がどうであれ、家族さえよければ良いと考えるような利己主義である。人に迷惑をかけなくれば、それでも良かろう。
経営者は、どうか。
私は、社員も家族の一部だと思っている。トップが、社員を二の次に考え、自分の家族を第一に考えているようでは、ダメだ。社長には、社長にしか出来ないことがある。例え自分の子供が熱を出しても、会社の有事には、真っ先に駆けつけなくてはならない。
悪いことは重なるものである。悪いことが重なった時、どれを優先できるかで、その人の本当の姿が見えてくる。
サラリーマンであれば、家族のこと以外に考える必要はないのかも知れない。でも、経営者は、家族、家族とばかりは行かないのである。
独立しようとする人が結婚をしていたら、私は、「奥さんにも理解してもらいなさい」と必ず言っている。経営者は、家族の理解がなくては、絶対にやって行けないと考えるからである。時には、収入が半減するかも知れない。自分だけが我慢すれば済むようなものではないである。家族にも苦労をかけることになる。
家族のことだけを考えて、自分が自分の報酬を下げられないで、誰が社長の報酬を下げられるのか。社長が自分の報酬を下げられないのなら、社員の給与は絶対に下げてはならない。これが私の考えである。
だから、経営者というのは、会社の状況次第で、家族をも巻き込んでしまうのである。勿論、倒産などすれば、自己破産をしなければならなくなるから、家族を路頭に迷わすことさえある。家族に社員時代と違う自分の仕事を理解してもらわなければ、経営は出来ないのである。
勿論、経営者でも、家族は最も大切に決まっている。家族のためにやれることは、最大限にやったほうが良い。家族と決別する必要もなければ、放任する必要もない。むしろ、社員の頃よりも大切にするからこそ、いざと言う時のことを理解してもらう努力も重要なのである。
私は、妻と18才の時に知り合った。25才で結婚するまで、沖縄との遠距離恋愛も経験した。不妊治療をして、やっと生まれた長男は、障害を持っていた。いつも、彼女には辛い想いをさせていたように思う。平凡を望んでいる彼女に対し、私は、平凡が嫌だった。それでも、一度言ったら聞かない私を理解してくれて、独立した。
最初の1年間は無報酬だった。会社の資本金と生活費で、あっと言う間に2千万円近い貯金が無くなった。経営者は、お金のことを考えていると眠れなくなる。そんな姿を傍で見ている妻もまた眠れなくなる。
3年経って、何とか元の生活ができるレベルになった。しかし、私の会社は、会社を創る会社だ。常に投資が伴う。貯めては投資し、貯めては投資の繰り返しである。手元にはいつもお金がない。
家族には、いつも苦労をかける。でも、不幸にはしたくない。それで、幸せかと言われれば、安定、平凡でないから不、幸せかも知れない。でも、路頭を迷うような不幸にはさせないつもりである。
妻が、昨年からストレスによる突発性難聴となった。それでも、毎週日曜日の夜には、「頑張って」と見送りをしてくれる。まだまだ苦労をかけそうだ。
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投稿者 :堀田信弘: 2007年1月 8日 10:20