ベトナムは、今週よりテト(旧正月)期間中にあたり、大変な賑わいを見せている。町中が新年を迎えるために飾られ、こんなに華やかなホーチミン市内を見るのは、初めてだ。今年は、16日が大晦日、17日が元旦になる。土日をはさんで22日まで休暇のところが多い。
わがライジングマスター社は、日本が顧客だから、日本のカレンダーにあわせているので、お正月にも関わらず休まない。
先月より稼動を開始したライジングマスターは、現在正社員、アルバイトを入れて12名になった。全員、日本語の読み書きは問題ない。うち、アルバイトは、日本語学校に通う女子大生7名。最初のひとりは、先月私が訪れた時、大学の日本語コースの前に行って、偶々歩いている子に声をかけた。翌日面接に来て、その場で採用した。
その後、その彼女は、わが社の仕事や待遇、環境、風土がとても珍しいらしく、また新鮮で楽しいところというイメージを持って、次々に友達を連れてくるようになった。毎週2名のペースで採用をし、今でも応募が絶えない。口コミとは不思議なものだ。
それにしても、ベトナムは、何回訪れても、いつも新しい発見がある。
今回驚いたのは、KUMON(公文式)のホーチミン進出だ。空港近くには大きな看板ができ、テレビCMまで始まったそうだ。もともとベトナム人は、教育熱心で、特に近年は日本と同じように極普通の家庭の子でも大学に入るようになった。
これまでKUMONのような本格的な会社組織での塾のようなものは無かったようだが、英会話塾、日本語学校など、様々な塾や自己啓発のスクールが誕生している。ライジングマスター社でも、二人の社員が夜間大学に通っている。
勤勉で、仕事熱心なベトナム人は、それと同じ日本人に対し好意的に思っている人が多い。
今、日本では、教育再生を議論して、教育のあり方について検討がなされている。
教育が大切なことは誰もが承知している。もちろん、だからと言って、単に小さな子供のころから、塾に通わせることが全てだとは言わない。しかし、一方で、親がテレビゲームに熱中しているような状態で、子供が自発的に勉強をするようになるとも思えない。
塾に通わせるという行為は、完全に親の論理である。お金がかかるとかかからないとかを抜きにして、親が何にお金を使うかが重要である。親が子供には一切お金をかけない、子供は健康で普通であれば良いのだと考えていれば、その通りに育つであろう。教育にはお金を使わないと考える親の子が、突然変異のように勉強熱心になうことは、親の作った家庭環境の中では極めて困難である。
自分の子供だから、お金を使うか使わないかはどうでも良いと言える。しかし、社会という単位ではどうだろうか。国は、子供の教育にお金をかけず、自分の子供は自分で考えよとしたら、どんな国になるだろう。
私たちが住むアジアでは、3人に1人が初頭教育に通うことができないと言う。パキスタンでは、あと一年長く教育を受けさせていたら、年間6%の子供が死なずに済むそうである。これは、教育によって、人々は知恵と教養を持ち、貧困に打ち勝ち、経済も発展させることができるからである。
教育とはお金がかかるものである。そして、教育にお金をかけられるのは、親の考え方だ。ある意味で、親が教育にお金をかけられれば、別に優秀な大学に入るとかは別にして、ある程度の教養と知識が身につくのである。そのような親から生まれた子供は、またその子供に対し、お金を使うことができるだろう。
自分は、ベンツやBMWに乗って、給食費を払わない親の子供のことを考えたら、その子供が可哀想でならない。なんら子供に罪はないのに、子供にはお金をかけず、悲しい思いをさせる。
ベトナムに来ると、何も金持ちでないと子供にお金をかけられないのではないと感じる。お金がないなりに、ないお金の中から、どれだけ支出できるかである。むしろ、お金持ちのほうが、教育に対する支出割合は低いはずである。ベンツに乗るようなお金持ちからすれば、子供を塾に通わせる費用は微々たるものだ。
日本がかつてそうであったように、教育にお金を使う国は、軍事費お金を使う国よりも間違いなく発展する可能性が高い。発展すれば国民は裕福になる。つまり、教育にお金を使えば、お金持ちになれるのだ。
国という単位ではそうだが、それは国がやるべきであって、個人では違うという論理はあってよいだろうか。
ベトナムの治安の良さ、人柄の良さは、教育に対する重要性を認識をしている人が多く、それを理解しているリーダーが政治を行い、国作りをした結果だろう。国がそうすれば、国民はさらに教育の大切さを知り、好循環になるのであろう。
さて、日本はどうか。政治家はどうか。日本の親はどうか。悪循環になっている。政治家のせいにしても一長一短ではない。選挙に行かない親がいる限り、国も変わらない。親を教育しなければ、たとえゆとり教育を見直し、学校任せにしても、なんら解決はしないだろう。
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投稿者 :堀田信弘: 2007年2月14日 15:46