【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


世の中について  「活・喝・勝」


激動と安定

台北経由で成田に戻る飛行機の中、私の隣の人は、子供たちに短歌を教えている方だった。私は、彼女の話にとても興味を持った。

彼女は、「今の日本は、心を揺り動かされるような刺激が少ない。テレビやゲームは、心ではなく欲求を刺激するものばかりだ」と言った。

彼女は、日本に住む台湾人。台湾で日本の文化を学び、短歌や俳句に興味を持って、本格的に教室を開くようになったらしい。台湾から日本に戻る途中の機中だった。

「台湾は、激動の中にいる」と言う。

中国との緊張関係、一方で、世界一高い高層ビルが立って近代化が進んだ。台湾桃園国際空港は成田空港と似た第二ターミナルビルがあり、第一ターミナルとは自動無人シャトル便が運行している。第三ターミナルの建設も予定されている。先日は、新幹線も開通し、高度成長期の真っ只中にある。

「激動の中にいる」というのは、激しく動いている中という意味と解説してくれた。

なるほど、国の制度や町や人の考え方が、激しく動いているのだ。激しい動きの中にいると、その動きに戸惑う心も生まれる人もいるし、その動きに歓喜を感じる人もいる。激動の中にいると、人の心まで揺り動かされるのである。

さて、日本はどうか。

激動か。

何が変わって、人々の心が高揚するような発展や未来が見えているだろうか。

テレビやゲームのような刺激は、未来を描く力、今を感じる力を減退させていないだろうか。近未来の様子を何の想像もしないで、スイッチを入れるだけで、目の前に飛び込んでくる。本を読んで人物を想像するのではなく、動画のヒロインを見ると、それ以上の想像力は働かない。

テレビやゲームは、台湾にもある。では、日本とは何が違うのか。一言で言えば、社会的な背景の違い。

人口減少は始まり、地方の過疎化が進み、地域の商店街はシャッター通りになっていく。学校の教室は半分が空き教室になり、国全体がゴーストタウン化するようなイメージである。

新しいものが生まれ、希望の持てる新しい時代に向かっているように感じられない。制度改革、構造改革と政治家は叫ぶが、革命と呼ぶくらいの根本的に大変革するようなことは考えられない。

平和ボケなのか、危機感がない。働かなくても食えるのか、ハングリーな気持ちも生まれない。

彼女が教えている子供たちは、ここ数年で大きく変わってきたと言う。ずばり、「短歌の内容がつまらない」と。

心に刺激を受けていないから、刺激を表現することができなくなっている。斬新性や、型破り、ユニーク、ユーモアのセンスが衰えているのではと考えている。そう言われれば、大人たちが社会に刺激を与えていないのだから、子供たちが刺激を持つはずがない。

成長することだけすべてではないが、激動というようなダイナミックな変化は、政治と経済と、国民の気持ちが一体となって変化を望まなければ訪れない。年金問題にしても、不安だ不安だと言っているだけで変化はしない。大体にして、年金問題でゴタゴタしているような姿は、子供に良い刺激を与えるものではない。

この国の未来像が描けないでいるからであろう。少子化にしても、政治家の発言を取り上げてワァワァ騒いでも、何ら抜本的な対策にはならない。

これまで一度も自らの力で革命を起こしたことがない国の終焉なのか。

親が変化を望まなければ、その子供も変化を望まない。親が公務員になってほしいと安定志向を望めば、その子供は起業家など目指さない。

こんな日本に誰がしたのか。それは現役の大人である私たちだ。子供たちには責任はない。不幸なのは、子供たちである。

まだ未来がある子供たちより、先に死ぬ年寄にお金がかかっては、どんな年金制度を改革しても、日本の発展は望めない。どうせ先に死んでいく私たちは、もう年金などもらうのを放棄し、その財源の全てを子供たちに託したほうが革命ではないか。

世界中で人口が急増しているのなら、もう堂々と外国人を大量に日本に済ませるのが革命ではないか。100年後に人口が半分になると予想されているなら、これまでの常識的なやり方では、維持できるはずもない。どうせ維持できないのなら、世界中で最も簡単に永住権が取れる国にして外国人に喜ばれれば良い。所得税を世界で最も安くして、世界中の金持ちが日本に住みたいと思わせれば良い。

振り返って、自分の会社はどうか。

自分の会社の未来像を描き、希望に満ちて、成長しているだろうか。色々な事業に挑戦したり、大胆にこれまでのやり方を変える指導を行っているだろうか。社長自身が刺激を求め、社長自身が先頭に立って変化を求めなければ、そこで働く社員は、変化を嫌う社員になる。

「うちの社員は動かない」「うちの社員は変化を嫌がる」とぼやく社長は、そのような会社にした社長自身の姿が表れているだけなのだ。社長がそんな会社にしたのだ。

今、こうして現役でいる私たちが、正に問題なのだ。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2007年2月17日 12:03