グループ全体の社員数が、もう少しで50名になろうとしている。前期だけで30名近く増えているから、今期末には100名近くになるだろう。
私は、これからのグループ経営に、ES(従業員満足)向上を積極的に取り入れて行きたいと考えている。
その柱となる考え方は、最も離職率の低い会社を目指すことである。
仮に、年間800万円近い採用コストが掛かっていたとしたら、その大半を、今いる社員に使いたい。これから来てもらう社員にお金をかけて、結局はその何分の1かが退職してしまうような会社が多い。 採用者1名あたり100万円の予算で、 800万円かけて8名採用できても、その半分が仮に退職してしまえば、やめてしまった4名を補うためにさらに400万円が費やされることになる。5年後の離職率が50%の会社だとしたら、8名を維持するのに、 1200万円かかる訳だ。実際には、補った4名が採用も、その半分がやめる可能性があるから、さらに2名分を補う200万円がかかり、その2名のうちの1名はやめる可能性があるからさらに100万円必要となる。
離職率が50%の会社では、採用時にはひとりに100万円の予算をかけたつもりでも、人数規模を維持するだけで倍の200万円近くかかるということになる。
IT業界では、離職率は極めて高い。5年後の離職率50%というと高いように思われるかも知れないが、上場IT企業でも珍しくない。
私は、そんな悪循環を持たないようにしたい。
数値的な目標を掲げるとしたら、まずは5年後の離職率を10%以下にしたい。
色々な事情や様々な理由で退職して行く人が出るのは仕方ないことだ。どんな会社でも起こりえることだが、どんな会社よりも理由の有無に関わらず、離職率を下げる努力はしたい。
一体、離職率を下げる努力をしている会社はどれ位あるのだろう。
私は、来るものは拒まず、去るものは追わずというポリシーを持っている。
理念に賛同して、是非やりたいという強い気持ちを持っている人であれば、できる限り採用したい。恐らく、わがグループの中で、最も採用基準が甘いのはこの私ではないだろうか。これからもこれは貫きたい。
さらに、去るものは追わず。辞めたいと言われた瞬間、理由の如何に関係なく、私は、社員に負けた気持ちで一杯になる。去られない環境を作らなければならないのに、去られてしまったということだから、情けなくて追うことなどできない。
一方で、引き止めてほしいというような気持ちの人と、駆け引きもしたくない。引き止めて、そうですかと言って残るような人には居てほしくないのだ。
ただ、病気や親、子供のことなどで、会社としてどうしても手が打てないような理由だとしたら、できる限りの面倒は考えたい。一定期間休職にして様子を見るなど、何とかしてあげたい。たとえ、その人が嘘の理由でそうしたとしても、理由がそうであれば、助けてあげたい。
それは、ある意味、辞めて行く人のためではなく、今いる社員にこのような制度もあると示すことになるからである。
辞めて行く人は、残されたものに、大きなヒントをくれる。お客さまのクレームに耳を傾けるようなものだ。
離職率を下げるのは、辞めて行く人が、後に辞めなければ良かったと思われるような制度や風土を作ることでもある。そして、もっと器の大きな会社になるには、一旦辞めた人でも、また一緒に働きたいと思わせることなのかも知れない。
これが本当の来るものは拒まずである。
会社に不満があって一旦去った人間でも、また一緒にやりたいと思わせることができたとしたら、辞めていったときのヒントを元に会社は成長したことになる。
一般社員には、感情的に、逃げていったとか、裏切ったなどというネガティブな気持ちが起こるかも知れない。
しかし、男女でも、一旦離婚をした夫婦でも復縁し再婚することだってある。一般社員の感情とは別に、経営者としての私は、来るものは拒まずとのポリシーを持っている限り、復縁を求められれば拒む理由はない。一旦、復縁して、さらに離婚するかも知れないが、それはそれで去るものは追わずを貫くしかないだろう。
従業員満足度を上げて、離職率を下げるための具体的な方策は、これからである。色々なアイデアを出して行きたい。
そんな中で、わがグループの特徴を活かせる面白いデータを見つけた。
大阪に、従業員満足を調査している株式会社職場ドットコムという会社がある。そこの調査結果によると、企業規模別意識調査では、コミュニケーション、やり甲斐、会社の方針、人材育成、人事考課、職場の待遇という6項目において、従業員数50名未満の小会社が5項目でトップとなった。勿論、総合でも小会社の従業員満足度は最も高い。ちなみに、全ての項目で最下位、総合でも最下位になったのは、従業員数50~299名の中会社であった。
職場の待遇という項目には、給与や福利厚生も含まれるが、それだけでなく、仕事のポジションや責任など、総合してどう社員を待遇するかという意味である。一般に給与や福利厚生が充実している大企業のほうが満足度は高いはずだが、単に職場の待遇という設問になると、ここでも小企業が満足度が高い。
唯一、大企業より下回った項目は、やりり甲斐という項目だ。
仕事の内容が下請けであったり、単純であったり、社会的意義であったり、そんなところで大企業に及ばないのかも知れない。
100社設立、100人の社長誕生、100の事業展開を目指すわがドリクラ・グループとしては、小企業が集団になることで、小企業と大企業の特徴をあわせ持った他に類がない珍しい企業群を構築できるのではないかと考えている。風通しをよくして、トップとの距離を短くし、小回りを利かせて、社員の声に耳を傾けることができれば、従業員満足度は高まるはずである。
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投稿者 :堀田信弘: 2007年4月16日 04:45