【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


経営者について  「活・喝・勝」


経営者のお金の使い方

お金に”せこい”経営者は好きじゃない。”せこい”という意味は、お金に細かいとか、正確だというのではない。”せこい”を辞書で調べると、「料簡(りょうけん)が狭い」とある。

”料簡が狭い”とは、目先の利益のみを考え、相手に与えられないしみったれなことを言う。

最近、社内も含め”せこい”光景を目にし、お金の使い方を通じて、お金への貧しさと心の貧しさとの比例感を感じてならない。

一方、こんなこともあった。

先日、32才の若い社長とお会いした。24才で独立して、テレビ出演するほどの事業家である。その社長と来週、中国に出張することになった。その社長は、私が「是非行きましょう」と言うと、その社長は間髪空けずに「私が全部持ちますから」と答えた。

私は、多くの経営者と会っているが、口では「ギブアンドテイクでなくて、ギブアンドギブだ」と言うけど、口だけでなくギブアンドギブができる人は極めて少ない。本当にギブアンドギブの気持ちがあるのなら、そこにはお金のことは含まれないという論理はないはずである。お金も心も行動もギブアンドギブである。

やっぱり、成功している人は、違うと感じた。

お金にせこくない。

一方、こんなこともあった。

昨日、弊社の会員にセミナー案内のメールを送信した。会員特別価格でセミナー参加を募集するメールであった。配信後、数時間で応募が殺到した。実は、私どものミスで、価格を載せずに送信してしまったため、一部の人には会員特別価格を無料と誤解させてしまったらしい。

早速お詫びのメールを送信し、誤解を招いたことに対して陳謝した。この点については、我々のミスだから、弁明の余地はない。

しかし、ミスはミスと認めたうえで、あえて批判されることを承知の上で、言いたい。

ある地方の会社の代表取締役社長からのメール。「キャンセルします。御社に、失望しました」とのみ返信されてきた。その会社のホームページを見ると、従業員が40名ほど、社是には無借金経営とある。4、5億円の売上が想定される。

私たちのミスは、18,000円のセミナーを、特別価格で提供すると言いながら、価格の記載漏れがあったことである。これを無料と誤解されてしまったのは、言い訳できないが、それが「失望しました」になるのだろうか。

我々が詐欺まがいな会社に思われたのかも知れない。それはそれで反省しなければならないが、代表取締役社長が自ら参加申込をして、無料でないと判って「失望する」というのは、私には理解できない。

何十万円の話なら別だが、特別価格で15,000円のものが、経営者にとってどれほどのものなのか。そのセミナーが無料の価値しかないと言うのなら、ただキャンセルすれば良いだけ。出たいという気持ちで価値を認めておきながら、お金は払いたくないというのなら話は違う。

ちなみにそのセミナーの内容は、「売上2億円のソフトハウスを10億円にする方法」だった。なるほど、10億円にならない会社の理由がわかった。無借金経営も素晴らしいが、これまで何人もの無借金経営を自慢する経営者をお会いしたが、あまり良い印象を持っている人はいない。

ある人は、飲みに言って「今回は私が誘ったので私が出します」と言って私が支払うも、二回目は、「割り勘にしましょう」と言う。普通は「前回は出して頂いたので」と考えるのではないだろうか。割り勘にして、一枚の領収書をその人がもらっていく姿に唖然とした。

お金に”せこい”経営者は好きじゃない。目先の利益のみを考え、相手に与えられないしみったれな料簡の狭い経営者には、魅力を感じない。

わが社の中でも、最近、お金のことに関する細かさに嫌悪感を持っている。

サラリーマンならまだしも、経営者がお金にせこいのは、心がせこい、器の小さな所以である。何かを買うとなると、直ぐにどちら持ちかとなる。「これは私が言い出したので私が持ちます」というのが出てこなければダメだ。しかも、それを聞いた他の人は、「ラッキー」などと言っているようでは恥ずかしい。「そうか、それじゃ、これは俺が持つよ」と言いたいものだ。

営業のようにお金を稼ぐことと、経営者がお金を出さないで得することとは全く意味が違う。お金を出さないことは、決して得はしない。その人の徳を下げるだけである。出してもらう、出さないようにするというような気持ちがあるなら、いつまで経っても出してあげる側にはならない。

出すというのは、お金だけではないのだ。相手に情報を与えるだとか、相手に役立つだとか、ギブアンドキブの精神である。

一緒に中国に行く社長が言った。「お金があるから、お金を使うのではなく、お金が周り周って倍になって戻ってくるから、お金は使うんだ」と。彼は、借金をしてまでもお金を使ったそうだ。お金を使えない経営者には、お金は集ってこない。

お金を無駄使いしろと言っているのではない。価値がない無駄なものに、一銭も使う必要がないのは当然だが、価値を認めておきながらできるだけ払わないことを考えているようでは料簡が狭すぎる。

お金は使うためにある。

使うお金を稼ぎ出すのが経営だ。お金を大切にするのも経営である。しかし、お金にせこくなっては、経営者の考えもせこくなる。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2007年5月12日 09:42