猛暑の東京から、最高気温27度という涼しい中国・大連に3ヶ月ぶりに来た。20名近い技術者の面談を1日半で行う。
大連に来ていつも思うのは、IT用語も含め、外来語のカタカナ日本語の難しさだ。
大体にして、日本人の私が、英語と日本語との発音の違いを知っていない。例えば、tool(道具)を日本人は、「ツール」と発音する。ところが、大連理工大学を卒業した優秀な技術者には、「トゥール」と言わなければ通じない。
データベースで有名な「オラクル」は、「オラコゥ」と言わなければ通じない。
IT用語だけでなく、英語だと思って使っている言葉も通じない。例えば、「自己アピールして」と言って、「アピール」を理解できた人は、20名中ゼロだった。「PRして」と言って通じたのは3人だけ。
カタカナ語は難しい。
しかし、英語ができないのは、日本人だけでない。
前述の大連理工大学を卒業した人の経歴書には、英語のスキル「B」を書いてあった。「B」というのは、日常会話レベルだそうである。
私は、それを信じて、「それでは、英語で自己紹介して」と言った。
彼は、「My name is ××」と流暢な英語で話し始めた。と思ったが、そこから先が出てこない。隣に座っていた通訳に聞くと、「中国人は、自分の名前が言えると日常レベルだ」と言う。
それじゃ、私の小学生レベルと同じじゃないか、と思って、今度は、英語のスキル「A」の人に「英語で自己紹介して」と言ってみた。
すると、彼は、「My name is ××」と流暢な英語で話し始めた。しかし、一瞬詰まって、「えーと」と日本語で言った。どうやら、つい先ほどまで日本語で話すことに頭の中を集中していると、全く逆さまのようになる英語の頭にはならないようだ。
日本人でも三ヶ国語できる人は少ないのだから、中国人に日本語も英語も求めるのは無理だろう。そもそも私は、日本語しかできないのだから。
20名も面談すると、同じ中国人にも様々な性格な人がいるのがよくわかる。
大人しい人もいれば、明るい人もいる。こんな面白い人もいた。私が「自分の良いところを言って」と尋ねると、彼は「私は、とても頭が良いです。そして、すごく格好も良いです」とニコニコして答えた。
その表情から、私は、同じ人間として、実にユニークなユーモアであると思い、大笑いした。外国人を笑わせることができるとは、ある意味で素晴らしい能力だ。しかも、嫌味に聞こえない表情の良さが素敵だった。
こんな人もいた。
「私は、是非、日本に行きたいです。私は、昨日結婚しました。お願いします」と自己紹介を始める。
「え? 昨日結婚したなら、日本に行くのは二人で行くのですか?」と尋ねると、「はい。彼女も今日、一緒に面接に来ました」と答えた。私たちは、それじゃということで、彼女も呼んでと部屋に入れた。
「もし、片方だけが行けることになったらどうする?」
「どちらかが行ければ、 ビザが出るから両方行けます」と答えた。
本当に面白い人もいるものである。
私は、また大連好きになった。
人間って素晴らしいな。同じ人間だもの、身振り手振りでコミュニケーションを取れば、何とか通じるものである。通じるのは、言葉だけでなく、心も通うと私は信じている。
中国人という括りで、中国人全体を語るのはナンセンスなことだ。中国人にも悪い人もいれば、日本人にも悪い人だっている。中国人からすれば、子供が親を殺したり、親が子供を殺すような事件なんて信じられない。
中国の食料は危険だと言うけれど、日本だってつい最近までインチキ食品が相次いでいるではないか。
外国に来ると、私は、いつも同じ人間として、人間同士の関わりの大切さを感じる。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
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投稿者 :堀田信弘: 2007年8月 9日 23:56