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企業経営について  「活・喝・勝」


惨めな任された人

最近、郊外を中心に、フードモールが流行っている。ショッピングモールや、郊外型百貨店の中に、ファーストフードを中心とした様々な乱立するのがフードモールである。

先日、家族で地元の百貨店にあるフードモールに行ってきた。

フードモールの特徴は、家族がそれぞれ別々の店で注文して、セルフサービスで一緒に食べることができることである。ラーメンを食べるものと、ハンバーグを食べるものと、牛丼を食べるものなど、それぞれが食べたい店に並んで注文する。

注文するためにお店のレジに並び、注文する。注文を終えると、店から渡された呼ぶ出し用のブザーを持って自分の席で待つ。

休日は、どの店も混雑し、繁盛しているようだ。そして、多くのアルバイトを動員して、店の切り盛りをしているようである。

フードモールでは、概ね、どの店もレジのスペースと出来上がったものを渡す場所、食べ終えた食器を片付ける場所と、ほとんど同じような大きさである。

私たち家族は、5人で出掛け、それぞれが好きなお店に並んだ。勿論、人気がある店と、比較的空いている店がある。

私は、注意深く、各店のアルバイトの動きを追った。

アメリカを代表する有名なハンバーガー店、日本代表のあの牛丼店は、無駄なく、顧客にストレスを与えず混雑を裁いていた。

一方、娘が並んだ最近人気のオムライス店は、大行列で他店を圧倒していた。その理由は、後から気付く。ひとりの娘を除いて、全員が食べえた。しかし、まだ、娘は注文すらできず、並んだままである。

それほど人気があるのだから、仕方ないと思ったが、アルバイトの動きを見て、唖然とした。

大行列が出来ている中で、厨房にいるアルイバイトを見ると、何も手にせずニコニコを話をしていた。私は、娘の傍に行って、状況を聞いた。すると、ご飯が炊けるのを待っていると言う。何人もの客が注文をキャンセルして行ったと言う。

レジの前にいるアルバイトは、ご飯が炊けないから、注文を取らないと、ただ立っている。この間、店の店員は、ただ立っているだけだ。誰も何も出来ない。そんな中、ただ一人、”仕事らしき”ことをしている明らかにアルバイトとは思えない年の差がある人がいた。

彼は、時々話す様子から、明らかに正社員で、尚且つ店長のような存在である。

彼が、行っている”仕事らしき”こととは、洗い物だ。

何十分経ったろうか。念願の注文が出来た。そして、注文から出来上がるまでは、さらに時間を要した。

娘は、そのオムライスを食べて「美味しい」と言った。私は、そのオムライスを一口だけ試食して、もう二度と食べたくないと思った。その美味さは、どんなに美味しかろうが、それまでの過程を覆すまで、美味しいとは言えなかった。不味くわないが、もう二度と食べたくない。

店長らしき男を見てみる。相変わらず、洗い物をしている。確かに店長か否かは定かではないが、彼が若いアルバイトを指揮をしているのは誰が見ても明らかである。

私は、短気だから、この店長の姿を見てイライラして堪らなかった。しかし、イライラして、イライラして、憎らしいと思った瞬間、この店長が可愛そうに思えて来た。

そして、その次の瞬間、その店の経営者の怠慢に許せない感情が走った。

恐らく二十台後半と思われる経営感覚のない店長に、店の切り盛りをさせて、しかも、この不満が渦巻く状況を本部たる経営者は認識していない。全ては、経営者の責任だと感じた。

休日の最も混雑する稼ぎ時に、顧客の期待を裏切り、客の何人もが注文をキャンセルするという機会損失を行う。洗い物しかできない経験の社員に、店の経営を任せ、たった一店舗が全国が店の信用を落とす。

百歩、いや千歩譲って、その店のオムライスは美味しいとしよう。でも、そのコンセプトは、フードモールには合わない。都会の行列の出来る店のように、他の関わりに関係なく、懇切丁寧に炊きたてのご飯でオムライスを提供することは、このフードモールには合わない。

何もかもが経営判断ミスだ。

私だって、そこまでして並んで食べたいというお店が無いのではない。しかし、そこは並ぶ価値があるところであり、並んで時間を費やした以上の満足感があるからであろう。

アルバイトを使おうが、使わまいが、そんなことは関係ない。愛情を込めて料理を作り、顧客さまのことを考えて接客し、お客に喜んもらいたいという気持ちが伝わるかどうかではないか。

アメリカを代表する有名なハンバーガー店、日本代表のあの牛丼店が出来るのに、この店ができないのは、ファーストフード、フードモールと言うコンセプトにあっていないだけか。

私は、仮に合っていなかったとしても、その経営者が犯した判断ミスのみならず、折角出店したのだから何とか上手くやろうと言う経営者の決意が感じられないことが残念でならない。

それにしても、ただ一人洗い物をしている店長の顔は、惨めに感じる。私は、社員をそんな惨めな立場に置きたくない。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年3月18日 07:04