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若者について  「活・喝・勝」


裸の王様

『「王様、王様ならこの布の色合い、柄をお気に召すでしょう?」

「何だこれは? 何もないじゃないか。」と、王様は思いました。王様は自分がバカになったかもしれないと思うと、段々怖くなってなってきました。それは王様の一番恐れていたことでした。

だから、王様は布を見て言いました。

「まさしくそうであるな。この布がすばらしいのは、私も認めるところであるぞ。」王様は満足そうにうなずいて、空っぽのはた織り機に目を向けました。何も見えないということを知られたくなかったので、空っぽでも、布があるかのように王様は見つめました。

同じように、王様がつれてきた役人たちも見つめました。役人たちは、王様が見ているよりももっと見ようとしました。でもやっぱり、何も見えてはいませんでした。

役人たちは口々に「これは美しい、美しい。」と言いました。』

これは、アンデルセン童話の裸の王様の一節である。

私は、「組織とは必ず腐敗する」という宿命を持っていると考えている。

”必ず腐敗する”という前提を持って、そのことを意識して経営しなければ、腐敗は一気に加速する。意識していても”必ず腐敗する”のだから、意識していなければ、あっと言う間に裸の王様になってしまうだろう。

裸の王様では、王様の見栄っ張りな性格なために、部下たちが、本当のことを言えなくなってしまったことが書かれている。私がここで定義する組織の腐敗とは、部下が上司に本当のことを言えなくなってしまうことである。

組織が腐敗するのには、必ず前兆がある。

腐敗の始まりは、微細なバクテリアや菌類が発生するところから始まる。一定の環境が保たれ、規則性を持った管理が行われていると環境を維持することができる。しかし、例え一定の環境を維持しても、同じ環境の中にあっても、何ら刺激もなく、長期間放置されると、自然硬直が始まる。あるいは、これまで保たれてきた環境に、変化が起きたり、規則性が崩れるとその中のバランスが崩れ、バクテリアの発生が促進される。

私が言う”必ず腐敗する”と言うのは、管理者が一定の環境を保持したとしても、あるいは時々規則性を崩したとしても、何れにしてもバクテリアの発生を抑えることは極めて困難なことであるという意味である。

困難なことであるが、困難に立ち向かわなければ、腐敗は加速する。

では、組織におけるバクテリアとは、何か。

組織の中には、善玉バクテリアと悪玉バクテリアがいる。

名前の通り、善玉バクテリアが豊富にいると、例え悪玉バクテリアが発生しても、全体の腐敗を抑制してくれる。

ところが、善玉バクテリアの生命力は、極めて弱い。とても大切にしないと、直ぐに死滅してしまう。組織の中の何人にひとり、あるいは何百人にひとりの限られた存在だ。経営者は、まずこの存在を知って、善玉バクテリアの保護を考えなくて行けない。

ところが難しいのは、保護の手を伸ばそうとすると、悪玉バクテリアが、一気に発生してくる。

裸の王様の話に戻そう。ここからは、私の作り話だ。

王様が、まだ王子のころ、王子の周りには、有能な家来が支えていた。世間知らずの王子のために、父の王様が教育係を兼ねた一番有能な家来をつけた。王子は、家来の話に耳を傾け、多くのことを吸収しようとした。

ところが、突然父の王様が亡くなった。若くして王様になった王子は、何をして良いのか判らない。そこで、最も信頼している有能な家来に、様々なアドバイスをもらうことにした。

しかし、いつもいつも、その家来が口にすることは、城の中の悪い話ばかりである。王様は、うんざりしてきた。そこで家来は、王様に「もっとしっかりしてほしい」と告げると、王様は自分の悪口を言われたと思い、その家来をクビにしてしまった。

それから、王様には、誰も悪い話をしないようになった。王様は、次第に横柄になり、謙虚さを無くして、そして新しい服好きの贅沢をするようになった。

やがて、王様に気に入られようと、王様のご機嫌を取るものが現れた。そして、最後には、王様を町中の笑い者にして、失脚させようとする者まで現れた。

これが組織が腐敗した例である。

このような企業が、周囲には一杯ある。社長になった瞬間勘違いして、横柄になったり、金使いが荒くなったりする。善玉と悪玉の見分けがつかなくなる。

特に、若い社長。組織は”必ず腐敗する”ということを頭にたたきこみ、初心の謙虚さを忘れないことだ。人離れが起きれば、崩壊は時間の問題である。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年3月21日 05:05




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