先日、私は素晴らしい経営哲学を持った社長とお会いした。私は、これまで何千人もの社長と会っているが、この社長ほど哲学と行動が一致している人に出会ったのは初めてである。
心底から尊敬できる経営者だ。
私がこれまで尊敬してきた経営者は、全てが書籍の中の人物とテレビの中の人物である。誰一人として、私の目の前で直接話ができた人はいない。だから、この社長は、生まれて初めて私が出会った尊敬できる社長と言えよう。
私と1歳違いのその社長は、起業してたった数年間で従業員を数千人の会社にした。しかし、会社を大きくしたから尊敬できるではなく、経営哲学、人間性に惹かれた。
私が早速お礼のメールを出すと、翌朝、次の返信があった。
『昨日は大変有意義な時間を過ごすことができました。有難うございました。
おかげでまた"ど真剣"レベルがあがりました。
今日も一日、"私でない誰かのため"に努力を続ける所存でございます。(中略)
これからもご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。』
この社長は、毎日21時半に就寝、午前4時に起床している。返信があったのは、4時25分だった。
社長に一冊のノートを見せて頂いた。一日の行動と取り組み方がビッシリと書いてある。しかも、一日の内容は、数ページに及ぶ。
ノートを手にして「今日のこの時間の予定のところに、どのような話をするか書いてあります。全てのスケジュールを無駄なく完璧にこなすために、事前に書いています。朝4時に起きて、予定をノートに書きます。そして、その内容を頭に入れてから、その日の仕事に取り掛かっているのです。」
驚いたのは、そのノートの最終ページには、1週間後の予定と取り組み方が書いてあったことだ。
「私は、4時に起きて、1週間後の予定と対策を書き込みます。だから、この日のこの内容は、全て一週間前に考えて書いたものです。私は、"ど真剣"です。普通の真剣ではありません。退路を絶って、常に"ど真剣"にどんなことでも取り組みます。会社でも、お客さまとでも、家に帰ってもいつも"ど真剣"です。」
この人が語る口調は、正に"ど真剣"である。
私は、これほどまでに真剣に生きている人を見たのは初めてだった。"ど真剣"という言葉に感銘を受けた。
今、その会社は、障害者の雇用に"ど真剣"に取り組んでいる。私には、一つ一つの取り組みについて、障害者の子を持つ親として、頼もしく、輝いて見えた。私がやりたい数年後の夢の姿を、現実に行っていることを知り衝撃的でもあった。
その社長が、障害児の詩を教えてくれた。
『ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの細いうなじに ぼくはいう ぼくさえ 生まれなかったらかあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを 背負って歩く 悲しさも「かたわな子だね」とふりかえる つめたい視線に 泣くこともぼくさえ 生まれなかったら
ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり ぼくは生きていくのです脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で悲しさこそが 美しい そんな 人の生き方を教えてくれた おかあさん
おかあさんあなたがそこに いるかぎり』
社長は、この詩と出会い、障害者の雇用に積極的に取り組んでいる。偽善ではない。社長の顔に、一点の曇りもなかった。
今日、4月1日は、わが社が誕生してちょうど4年になった。5期目がスタートした。まだまだやることが一杯ある。まだまだ反省することが一杯ある。
私は、まだまだだ。
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投稿者 :堀田信弘: 2008年4月 1日 07:11