【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


IT業界について  「活・喝・勝」


学生の多い武漢より

私は今、三国志ゆかりの地として有名な中国の武漢にいる。日本では、あまり武漢という都市は知られていないだろう。成田を出発して、上海経由で7時間かかった。

湖北省にある武漢は、昔から地理的優位性がある。

「交通の要衝」といわれ、中国の経済地理の中心でもあり、武漢を中心に800キロを半径として円を画くと北京、上海、天津、広州、西安、重慶など中国経済の主要都市が入る。これらの都市へのアクセス時間は、ほぼ同じだ。

もうひとつの優位性が水である。

街の中心には、長江(揚子江)という中国最長、世界第三位の長い大河が流れている。チベット高原を水源とする長江は、成都から重慶、武漢、南京、上海と流れ結んでいる。その中間地点に近い内陸の部にあり、湖も多く淡水資源が非常に豊富なため、社会・経済発展の基礎となっており、古くから工業の盛んなところである。

現在の武漢は、オプティカル・バレーと呼ばれる光通信産業を中心とする情報通信産業の一大拠点となっており、近代的、科学的な工業都市に発展した。

その近代化、科学・技術の発展を支えているのが人材である。武漢の最大の特徴は、学生数の多さだ。

これが、現在の武漢の最大の優位性であろう。

武漢市にいる現役大学生の数は、約75万人おり、中国国内で第2位の人材豊富な都市である。人口約800万人の都市だから、10人に1人が学生ということを考えると、対人口比では世界一学生が多い街かも知れない。

この武漢の安価で豊富な技術系労働力を活用して、仮想都市「セカンドライフ」内で世界一の億万長者となったドイツ国籍の女性がいる。武漢市に移り住んだその女性は、セカンドライフ内の不動産売買やョッピングモールを運営するためのソフト会社を設立して成功している。

それは、単に学生数が多いだけでない。

中国の中国大学評価ランキングによると、武漢市にある華中科技大学(第6位)、武漢大学(第8位)が上位10位以内に2校入り、大学・研究機関における人材育成が盛んである。大学の数も20近くあり、教育、人材育成と科学技術が武漢市発展の基盤なのである。

また、人材にも他の都市と優位性がある。

先日お会いした女性社長は、武漢でソフトウェア会社を経営している。東京にも事務所があり、早くから日本とのオフショア開発を手がけている。

その社長の話によれば、武漢は、中国のIT企業の中で離職率が最も低い都市だと言う。その理由は、内陸で育ち、家族を大切にし、何よりもこの古都を愛しているからだそうだ。

確かに、学生の多さと古都という組み合わせは、日本の京都の雰囲気に似ている。京都といえば、日本の中では、人口比で最も学生の多い街として知られている。

学生が多い都市は、とても明るく、賑やかな雰囲気がある。そして、もうひとつ、京都のようなベンチャー精神というものが感じられる。

この学生が多い、豊富な人材というバックボーンがあれば、近い将来、必ず大きな先端産業が次々に生まれることだろう。京都がそうであるように、多くのベンチャー企業が生まれる好条件を備えているのは間違いない。

しかも、ここの人件費は、上海や大連などと半分程度である。

中国の中で、最も有望な都市であることに間違いない。それにしても中国とは、広大だ。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年4月14日 10:07